青目と赤目
「ここが娯楽部の部室っしょ...!」
3階の角部屋。元調理室。室内も広くてなかなか快適。
「おー、お茶とか入れれるね!」
珍しくテンションが高いチョコは、体が弾んで、大きい胸が揺れていた。私に対する当てつけか!?羨ましいいい!!
「どうする?お茶にする?」
「あー、どうしよう。あと1時間だけビラを配るっしょ」
「うん...」
ちょっとしょんぼりするチョコ。可愛いよ。
ーガチャー
「「えっ...」」
ドアが開く音がした。
確かに閉めたはずなのに。...でも私とチョコしかいない。
「...壽麗が見えてないの?おっそいよっ!」
えっ!?なんか可愛い声が聞こえたよっ!?この部屋にいるの!?でも速すぎて見えないよ!?
「あ〜すいませーん。なんか邪魔してるっぽいね」
背の高い黒髪、赤目、眼鏡のイケメンがヘラヘラ笑いながら入ってきた。
「おい、アンジュ止まれ」
「ふえっ!?ば、バンビ!?もう見つかった!?」
後ろを振り向くと金髪青目の女の子...かな?とりま、すっごい可愛い子が血の気の引いた顔でバンビという男を見ていた。
「あっ、ピンク髪のアンタ」
「はっはい!」
「アンジュを女か迷ったでしょ。アンジュはれっきとした男だよ」
「えぇええ!?!?!?」
まじでか!?横でチョコも愕然としている。まあ...可愛いもん、目がでかいしまつげも長い。身長も私より小さいし細い。正直いって負けた。
「...なんで分かったの」
「え?普通分かるよ。こっちの校舎のこの方角にはこの教室しかないからね」
「うっぐ...」
「アハハハ!さっすが脳筋単細胞!頭足りてないね〜!」
えっ...今コイツなんて言った。ほら!見てみろ!アンジュ泣きそうだよ!私が怒るよ!?
「ちょっと!何暴言吐いてんだよ!?ムムが怒っしょ!」
と言うとバンビはクスッと笑って何か紙を渡してきた。...これは...
「入部届け!?」
しかも2枚!?
「籠唄小鹿」
「...杏獰壽麗...」
「「娯楽部に入部します!」」
1気に二人...!!
「やったああああ!」
また1歩創部への道が開けた。
その事のせいで暴言事件はどっかに飛んでいった。