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卒業

作者: Q作くん
掲載日:2015/03/03

「左腕、展開!」

 声紋認証によりサトルの左腕が幾千もの筋を引き千切りながらバナナの皮のように剥けていく。捲れ上がった表皮の下には前腕骨の代わりに鉄製の筒が収められていた。

「祝砲、発射!」

 サトルの号令と共に鉄製の筒―砲身が上向き、落雷を思わせる破裂音と共にどんぐり型の砲弾を発射。初速マッハ4を記録し、勢いそのままターゲットである県立小高丘(こだかおか)高校の上空で炸裂。金と銀の紙吹雪を学校敷地内にまき散らした。この間実に5秒。

「うわぁ、綺麗! 見て見て!」

 在校生の歌に送り出され体育館を出た卒業生たちは、皆こぞってこの演出を喜んだ。学校側の粋なはからいだと思ったのだ。

「スマイル総数、156。卒業予定者数との一致を確認。これより帰還する」

 サトルは砲撃の反動により痛めた左肩を軽く揉みほぐしながら、現場を後にした。

「Good luck」

 その祈りが卒業生たちの耳に届くことはない。サトルはそれでも構わないというスタンスをとっている。何故なら祈りや願いは、誰かに伝えてしまった時点で要求へと堕してしまうからだ。歓待行事支援機構『幸多き門出たれ』祝砲担当サトル。ご用命はフリーダイヤル0120-x☆〇♂-凹凸♀✌まで。

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