♡♥︎♡♥︎♡宏太 4/10♡♥︎♡♥︎♡
「でさでさー!」
「えーまじぃ!?」
聞き慣れたざわめき。
中学校生活第一日めの朝。
俺はその中で小学校からの友達とふざけあっていた。
「あっ!おいこら返せー!」
「やーだねー」
「宏太めー!」
俺は毎度おなじみの手、物を盗むという悪戯で追いかけっこをしていた。(もちろんふざけて、だ。)
そんな中、ふと近くをみてみると。
「…」
女の子がポツンと、たった一人で座っていた。
「はぁ…」
ため息をついたその背中が、なぜだか俺には寂しそうに見えて。
思わず声をかけた。
「…え?」
彼女は驚いたように振り向き、俺と彼女は向き合う形になった。
(…!やべぇちょっとかわいいかも…)
つい俺はそんなことを考えてしまった。
でもそんなことは顔に出さずに、も一回、彼女に聞いた。
「ため息なんかついて、どーした?」
て。
すると彼女は…可愛いことに、顔を赤らめながら
「ぇ…ッと…いや、なんでも…」
と言ったのだ。
こーゆーのが意外とタイプな俺の胸はドキィィンとなる。
(やべぇやべぇやべぇ…まじで可愛い…)
俺は内面汗をかきながら、それでもポーカーフェイスに
「ん…そっか」
と言って、彼女から目を離して後ろの友達と話し始めた。
俺はその時知らなかった。
俺が、そして彼女が。
お互いに、
恋
したことを。