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私の震災の記憶  作者: めぴこ
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地震発生

 はじめに。

 このエッセイは、東日本大震災が起こった日に私が体験したことを、日記を頼りに時系列順に書き綴ったものです。

 だいぶ記憶が風化してきたため、十五年の節目を迎えるのを機に、日記に書かなかった出来事も入れてまとめることにしました。

 所々あやふやな部分があります。ご了承ください。

 その日、私は休みで家にいました。

 私のほかに家にいたのは、父と先住猫、母猫と二匹の子猫たちです。


 昼過ぎ、食事の後片付けが済み、ネット環境が整った部屋で当時やっていたSNSの返信をしました。

 二日ほど前に、岩手で大きめの地震があったので、『その地震が本震とは限らず、強い地震が来るかもしれない。お互い気をつけましょうね』という内容で返しました。それが、地震が起こる数十分前のことです。


 返信も終え、自室に戻って別のPCで作業。その最中、ドン! と、下から突き上げるような揺れと音を感じました。本震です。

 瞬時にヤバいと判断。急いでヒーターを消し、側にあったマグカップを持って、階段を上りきったところ――ホールに避難しました。自宅は木造二階建てで、部屋にいるよりは何もないホールの方が安心だったのです。


 ホールに移動してすぐに立っていられなくなり、柱に掴まりながらその場にしゃがみ込みました。同時に、手にしていたマグカップもホール(床)に置きました。その時点で、かなり中身がこぼれており、持っていても置いていても、大差がありませんでした。

 あとで床を拭こうと思いつつ激しい揺れに耐えていると、私の部屋にいつの間にかいた先住猫が飛び出してきました。慌てて捕まえて、抱きしめました。彼女は、大きい地震のたびに台所のテーブルの下に隠れるのです。今台所に行ったら確実に食器棚の下敷きになる。そう思って必死に抱きしめ続けました。まあ、飼い主の心猫知らず。ものすごい力で脱出されてしまいましたけれど、ある程度時間を稼いだのでよしとしました。蹴っ飛ばされて実に不本意でしたが……。


 そんなちょっとした出来事がありつつも、地震は続いていました。

 当時持っていたのはガラケーで、緊急地震速報もありません。自室に置きっぱなしだった携帯が気になりましたが、動くこともかなわず見ているだけでした。


 大きい地震は一分くらいが目安と聞いていたのに、全然収まってはくれません。

 一度収束したかなと思えば、再び強い地震がやってきました。

 家はいっそう軋み、部屋の家具はさらに動き出し、自室の入口に置いてあったギターが倒れてきて頭に直撃。めちゃくちゃ痛かったです……。

 何度も攻撃してくるギターを押さえていると、一階にいた父が「大丈夫かー!!」と声をかけてくれました。父の安否確認ができてよかったのですが、家が倒れた時に一階にいる方が危険です。父に向かって何度も「外へ逃げてー!!」と叫びました。


 その間も地震は続いていました。一分ってこんなに長いの? と考えていましたが、実際には三分くらい揺れていたようですね。ちなみに、我が家のところは震度6でした。


 ようやく揺れが収まり、座ったまま周囲を見回しました。ただただ茫然です。

 自室では、十キロを超える電子ピアノが、キャスターが折れた状態で土台ごと部屋の中央に移動していました。さらに、棚やブラウン管テレビ、PCのディスプレイが倒れており、家具から落ちたガラスやCDが散乱し、素足で歩くのは危険な状態でした。

 ちゃんと鍵をかけていたにもかかわらず、ベランダに続く窓ガラスが開いていたのは驚きでした。


 状況を確認すると、今度は猫たちの安否確認です。

 先住猫は私が抱いていた間に台所が塞がって、階段を上に下にと走り回っていたので問題なし。母猫は父親が見ていてくれたのでこちらも大丈夫。

 次は、生後八か月の子猫たちです。大きいキジトラの女の子は、カーテンに上ったまま震えていました。以降、十分は降りてきませんでした。でも、無事が確認できたのでとりあえずよし、です。

 あとは三毛です。彼女はどこを探してもいません。台所の倒れた食器棚の下敷きになったのではないかと、嫌な想像を振り払い、捜索開始。……の前に、少し大きな地震がきたので、膝ががくがくと震えて思うように動かない中避難しました。自分はなんともないと思っておりましたが、膝が震えるほど恐怖だったようです。


 外に出ると、近所の人が何人か集まっていました。みな、不安そうに今後や家の状況など話しておりました。

 そのうちに、雪が降ってきてその場は解散しました。積もるような雪ではなかったのですが、強めに降っていました。


 私や父も周囲の被害状況を確認して家に戻りました。

 そこから再び行方不明の子猫探しです。少し強い地震がきたら外に出て、を繰り返し、必死に探しました。

 何度目かの強い地震のあと、避難していた外から玄関の中に入ると、下駄箱の下の方で何かが見えました。よく見たら、お尻を出してふるふると震えている三毛ちゃんが。約三十分の捜索でした。

 そうして必死に猫を探していたので、父親がかけていたラジオも、サイレンの音も耳に入らず。その間に津波は迫ってきていました。

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