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129話:封印の扉、空の導き

王都に戻ったフィンたちは、地下区画の封印の扉へと辿り着きました。

五つの鍵が宿るフィンの胸が輝きを放ち、ついに扉が応える時が訪れます。

しかし、その瞬間に広間へと漂い始めた不穏な気配――果たして彼らを待ち受けるものとは。

王都の地下から伸びた光の柱は、夜の空を真昼のように照らし上げていた。人々は遠巻きにそれを見上げ、誰もが息を呑む。だがその中心に立つのは、フィンたち三人だった。


 「……空の鍵、か」

 フィンは光を仰ぎ、胸の奥に熱を覚えた。水、火、風、大地――すべての試練を越えたはずなのに、まだ終わりではない。最後の扉を開くには、この“第五”を求めなければならないのだ。


 「どこへ続いているの?」

 セリアが小声で呟く。細い肩がわずかに震えていたが、その瞳には恐怖だけではなく、確かな期待の色も宿っていた。


 リナは剣の柄に手を添えたまま、光の柱をじっと見つめる。

 「空……その名の通りなら、地上にはない場所。たぶん、もっと上よ」


 「上?」

 セリアが驚きの声を漏らす。


 フィンはゆっくり頷いた。

 「山でも谷でもなく……空の上。きっとそうだ。だから、道標が天へ伸びているんだ」


 彼の言葉に応じるように、光の柱は一際強く輝き、三人の影を長く長く地に伸ばした。



 王都の城門を出ると、夜明けの風が吹いていた。空気は冷たく澄み、遠い地平からわずかに朝日が顔を覗かせている。


 「……どこまで行けば、この光は届くのかな」

 セリアが不安げに見上げる。


 リナは歩を止めずに答えた。

 「迷うことはないわ。これだけ目立ってるんだから。導かれるように進めばいい」


 街を抜け、郊外の丘陵を越えると、光の柱はやがて彼らを山脈のひとつへと導いた。そこは「暁の断崖」と呼ばれる場所で、王都に暮らす者でさえ近づこうとはしない急峻な断崖絶壁だった。


 「ここから……登れってこと?」

 セリアが声を上ずらせる。目の前に立ちはだかる岩壁は、まさに天へ続くかのように高くそびえている。


 フィンは崖を見上げ、静かに頷いた。

 「この先に“空”がある。そう示してる」


 リナは険しい顔で足場を確かめる。

 「道なんてないけど……登るしかないわね」



 登攀は過酷を極めた。岩肌は脆く、手を掛けるたびに砂や小石がぱらぱらと崩れ落ちる。吹き付ける風は強く、身体を押し戻そうとする。


 「ひゃっ……! フィン、待って!」

 セリアが悲鳴を上げ、滑りかけた足を必死に踏ん張る。


 フィンはすぐに片腕を伸ばして彼女の手を掴んだ。

 「大丈夫だ、落ち着いて!」


 その手を強く握り返しながら、セリアは必死に頷いた。

 「……うん、離さないで」


 リナは上から振り返り、冷静に指示を飛ばす。

 「次は左! あそこに窪みがある、足を掛けて!」


 三人は互いに声を掛け合いながら、少しずつ岩壁を登っていった。額から汗が滴り、手のひらは痛むほどに擦り切れていく。だが、諦めるという選択肢は誰の胸にも浮かばなかった。



 やがて、崖の中腹を越えた頃、奇妙な変化が現れた。


 「……見て!」

 セリアが指差す先に、淡い光の模様が岩肌に浮かび上がっていた。円環と翼をかたどった紋章。それは、彼らがこれまで見てきた精霊の印に似ていた。


 「やっぱり……ここは空の試練の入口だ」

 フィンが息を弾ませながら呟く。


 リナは険しい顔のまま剣の柄に手を置いた。

 「入口ってことは、まだここから先に何かがあるのね」


 セリアは不安そうに唇を噛んだ。

 「また“影”とか出てくるのかな……」


 フィンは彼女に笑みを見せる。

 「大丈夫。俺たちはもう四つを越えてきた。最後のひとつも、一緒に越えよう」


 三人の視線が交わり、頷き合う。


 その瞬間、紋章が強く輝き、崖の岩肌が静かに開いた。内部へ続く狭い通路が現れ、冷たい風がひゅう、と吹き抜ける。



 中は広い空洞だった。岩壁は青白く光り、天井は霞むほどに高い。そこには一筋の石橋が伸びており、遙か上方へと続いている。


 「……これって」

 セリアが目を丸くする。


 リナは冷ややかに呟いた。

 「登るための“道”ってわけね。どこまで続いてるのやら」


 フィンは拳を握り、足を踏み出した。

 「行こう。ここが“空”への道なんだ」


 強風が吹き荒ぶ中、三人は石橋を進み始めた。胸の奥で鍵が共鳴する感覚が強まり、やがて“空の試練”が待つ頂へと近づいていくのだった。

石橋は、足を一歩進めるたびに軋むように揺れた。幅は人ひとり分ほどしかなく、両脇は奈落。足元に視線を落とせば、深い闇の底から吹き上がる風が頬を刺した。


 「……うわ、こわっ」

 セリアが思わず声を上げ、杖をぎゅっと握りしめる。


 「足元だけ見ない。前を向きなさい」

 リナが低い声で諭す。だが彼女の表情にも緊張が走っていた。剣を腰に添えたまま、背筋をぴんと伸ばし、慎重に歩を進めている。


 フィンは振り返り、二人を見た。

 「大丈夫。ここまで来たんだ。風に惑わされなければ渡りきれる」


 その言葉にセリアは小さく頷き、唇を噛んで歩き出した。



 進むにつれて、風はさらに強さを増していった。吹き荒れる突風が身体を横から押し、石橋の表面に散らばる砂塵を巻き上げる。視界は白く霞み、足場さえ見えなくなるほどだった。


 「くっ……!」

 リナが腕をかざし、目を細める。


 フィンは剣を抜き、刃を地面に突き立てて踏ん張った。

 「この風……ただの自然じゃない。俺たちを試してる」


 その瞬間――風の中から声が響いた。

 『――空を望むか。ならば、虚ろを越えてみせよ』


 ぞっとするほど冷たい響きが、三人の心に直接届いた。



 次の瞬間、風が形を成した。霧のように白い影が、三人の前後に現れる。


 一体目はフィンの影だった。だがその顔は歪み、里を追放された日の村人の冷たい目を宿している。

 「居場所のない者に、空など掴めはしない」


 二体目はリナの影。剣を抜き放ち、挑むように嗤う。

 「強さを求めて剣を取ったのではないのか。ならば、守るなど戯言だ」


 三体目はセリアの影。奴隷の刻印を肩に抱え、虚ろな目で呟いた。

 「名前など意味はない。お前はただの“番号”だ」


 「……っ!」

 セリアの顔が強張り、足がすくむ。


 リナが一歩前に出て剣を構える。

 「また影か……! でも、前とは違う」


 フィンは息を整え、二人に呼びかけた。

 「惑わされるな! これは空の試練。“虚ろ”を乗り越えろって言ってた。つまり――心を試してるんだ」



 影が一斉に動き出す。


 フィンの影は、風の刃を巻き起こして迫ってくる。空気そのものが切り裂かれる音が響き、橋を削りながら突き進んだ。

 「くそっ……!」

 フィンは剣を振るい、風を切り裂く。しかし切っても切っても新たな刃が生まれる。


 リナの影は剣戟を繰り出す。速度も重さも本物と同じ。打ち合うたびに火花が散り、橋の石がひび割れた。

 「私の剣は――私自身!」

 リナが叫び、本物の斬撃で偽りの剣を押し返す。


 セリアの影は、ただ見つめるだけ。だが、その瞳に映った「番号」の烙印がセリアの胸を締め付ける。足が震え、呪縛のように動けなくなる。

 「わ、私は……っ」


 フィンが振り返り、声を張り上げた。

 「セリア! 名前を呼べ! 自分で、自分を!」


 リナも叫ぶ。

 「あなたは番号なんかじゃない! あの時、自分で掴んだでしょ!」


 セリアの瞳が揺れる。

 「私は……セリア! 私の名前は、セリアだ!」


 その瞬間、杖の先に青白い光が迸り、影を貫いた。虚ろな少女の姿は風に溶け、霧散した。



 リナもまた、剣を合わせながら叫ぶ。

 「私は強さのために剣を持ったんじゃない! 守るために剣を振るうの!」

 最後の一撃が交錯し、偽りの剣は砕け散った。


 フィンも息を切らしながら剣を構え直す。

 「居場所はここにある! 仲間と一緒に歩く、この道こそが俺の証だ!」

 強く踏み込んで一閃。風の刃を纏った影が真っ二つに裂け、光の粒となって消えていった。



 影が消えると、暴風もまた弱まった。石橋は静けさを取り戻し、遠くの先端に光の門が浮かび上がる。


 「……終わったの?」

 セリアが不安げに呟く。


 リナは剣を納め、静かに息を吐いた。

 「まだ“入口”を越えただけ。でも、ここまで来れたのは確か」


 フィンは二人に微笑みを向ける。

 「試されたのは、俺たち自身の心だった。……だからこそ越えられたんだ」


 三人は改めて歩を進めた。光の門は、さらに高みへ――空の試練の中心へと続いていた。

光の門をくぐった瞬間、三人の足元はふっと消えた。


 次の瞬間、彼らは青白い空間のただ中に立っていた。天も地もなく、足下には淡い光の膜が広がるのみ。上下の境界が失われ、どこまでが空で、どこまでが地なのか分からない。


 「……ここが、試練の中心」

 リナが剣に手をかけたまま周囲を見渡す。声は響かず、すぐに空へ溶けて消えた。


 セリアは杖を胸の前に抱き、息を呑む。

 「……なんだか、夢の中にいるみたい」


 フィンは両の掌を広げ、胸奥の鍵の鼓動を確かめた。水、火、風、大地。四つの力が共鳴している。だが、そのどれとも違う、まだ触れていない“第五”の気配が、この空間の奥底に脈打っていた。


 その時、空気が震えた。


 『――よくぞ来た、名を持つ者たちよ』


 声は、無数の風鈴が一斉に鳴るような澄んだ音だった。三人は同時に振り返る。


 光が収束し、形を取っていく。やがて現れたのは、翼を持つ巨人のような影。透明な羽は雲のように揺らめき、眼差しは星々を映していた。


 「……精霊」

 フィンが小さく呟く。


 『我は空を司るもの。“名”を以って道を拓く者に、最後の試練を課そう』


 リナが一歩前へ出た。

 「試練……また影を斬れってこと?」


 『否』

 精霊は首を振る。羽が揺れ、光の粒が雨のように降った。

 『空は形なきもの。影ではなく、己が心を暴くもの』


 その言葉と同時に――三人の身体がふっと浮いた。



 足場が消えたのだ。


 「わ――っ!」

 セリアが悲鳴を上げる。


 リナも手を伸ばすが、掴むものはない。重力も方向も失われ、三人はそれぞれ違う空の奥へと投げ出された。


 フィンの視界に広がったのは、果てしない里の光景だった。

 畑を耕す人々。小さな家々。そして、あの日――追放を告げる声。


 「……またか」

 フィンは歯を食いしばった。


 だが、今回は違った。影ではない。目の前に立つのは、かつての自分自身。まだ幼く、居場所を失うことを恐れて震えていた少年の姿だった。


 「お前は……」

 フィンは呟く。


 少年は泣きそうな顔で首を振る。

 「ぼくには何もないよ。名前だって、居場所だって……どうして前に進めるの?」


 フィンは一瞬言葉を詰まらせた。しかしすぐに、拳を握りしめて答える。

 「“ない”からこそ、探すんだ。俺は仲間と出会って、名前を呼んでもらって……それで歩けるようになった。お前も――進めるはずだ」


 少年の瞳に光が宿り、やがて姿は溶けるように消えていった。



 リナの視界に現れたのは、戦場だった。


 剣を振るい、血に濡れ、屍を踏み越えて進む自分の姿。冷たい瞳で敵も味方も切り捨てる、孤独な剣士の姿。


 「……私」

 リナは息を呑む。


 幻影の彼女は、刃を振り下ろしながら言った。

 「強さこそすべて。守るなんて偽善。力を誇示するために剣を振るってきただけだ」


 リナは静かに剣を抜き、対峙する。

 「確かに……昔の私はそうだった。強さを証明したくて剣を取った」


 だが、剣先を下ろし、深く息を吐いた。

 「でも今は違う。守りたい人がいる。仲間がいる。だからこそ、この剣に意味がある」


 その瞬間、幻影の剣は砕け、霧散した。



 セリアの目の前には、薄暗い牢が広がった。


 足首に鎖を繋がれ、番号で呼ばれる自分。誰も名前を呼んでくれず、孤独にうずくまる少女。


 「……いや」

 セリアの唇が震える。


 囁きが牢の中に響いた。

 「名前なんて、幻。呼ばれても、すぐ消える」


 セリアは涙を浮かべ、首を振った。

 「ちがう……フィンが、リナが、呼んでくれた。私を、セリアって」


 杖を強く握りしめる。

 「私は、もう消えない! 私は、セリアだよ!」


 牢の鉄格子が砕け散り、暗闇が光へと変わった。



 三人が再び同じ場に立った時、空間は眩い光に包まれていた。


 『……見事だ』

 精霊の声が降り注ぐ。


 『己が虚ろを越え、名を選び取った者にこそ、空は応える』


 フィンの胸に、強烈な熱が走った。


 「――っ!」

 息を呑む間もなく、彼の心臓の奥に、淡い蒼光の紋が刻まれていく。


 水の澄んだ記憶。火の温かな焔。風の囁き。大地の力。

 そして、それらを包み込むように“空”の光が重なり、五つの紋章が一つとなった。


 『汝に託す、“空の鍵”を』


 フィンの手の中に、小さな水晶が現れた。透明でありながら、角度によっては虹色に煌めく、不思議な結晶。


 リナとセリアが同時に息を呑む。

 「……これが」

 「空の……鍵」


 精霊は羽を広げ、ゆっくりと消えていった。


 『五つを揃えし者よ。王都の扉へ戻れ。封印は目覚めを待っている』


 言葉が消え、空間が崩れる。


 三人は光に包まれ――次に目を開けた時、断崖の頂に立っていた。


 夜明けの光が山を照らし、空は清冽に広がっていた。


 フィンは胸に宿る“空の鍵”の輝きを感じながら、小さく息を吐いた。

 「……揃った。これで、扉を開けられる」


 リナは空を仰ぎ、剣の柄に触れる。

 「いよいよ、最終段階ってわけね」


 セリアは笑顔を見せ、二人を見上げた。

 「うん。……みんなで、最後まで行こう」


 三人の視線が交わる。


 彼らの背に、朝の風が力強く吹き抜けた。

山を下る道のりは、これまで以上に静かだった。

 朝陽が山肌を赤く染め、鳥たちの声がこだまする中、三人はただ無言で歩いた。


 フィンの胸には、五つの鍵が重なり合う感覚があった。水、火、風、大地、そして空。それぞれの紋章が鼓動に合わせて震え、やがて一つの大きな流れとなって身体を巡っている。まるで、自分の存在そのものが大地と空へ融け合っていくような不思議な感覚。


 「……落ち着かない?」

 リナが横目でフィンを見た。


 フィンは苦笑する。

 「正直なところ、まだ慣れない。でも……これが俺に託されたものなんだなって思う」


 セリアは不安そうに眉を寄せた。

 「でも、それって全部フィンの中にあるんだよね? 重すぎたりしない?」


 フィンは一瞬黙り込む。だが次の瞬間、小さく笑った。

 「だから、二人と一緒にいるんだ。背負いきれないなら分け合えばいい。そうやって、ここまで来られたんだから」


 その言葉に、リナはわずかに目を細めた。セリアは杖を握り直し、小さく頷いた。



 数日の旅路を経て、三人は王都の石畳を踏んでいた。


 昼下がりの陽光に照らされる街はいつもと変わらず賑わっている。商人たちの呼び声、馬車の車輪の音、子供たちの笑い声。だが三人にとって、この街並みはもう懐かしさと緊張を同時に呼び起こす場所になっていた。


 「……戻ってきたな」

 フィンは呟き、城塞の方角へ視線を向ける。


 セリアがぽつりと言った。

 「なんだか、少し違って見えるね。前に来たときより」


 リナは軽く肩をすくめる。

 「そりゃそうよ。私たち自身が変わったんだから。見えるものも変わるのよ」


 三人は市門を抜け、案内人の兵士に導かれて地下区画へ向かう。



 地下区画は冷たい石の匂いに満ちていた。松明の灯りが揺れ、長い階段を下りるごとに空気はひんやりと重くなる。


 やがて辿り着いたのは、巨大な円形の広間。


 中央には、黒曜石のような色をした巨大な扉が聳え立っていた。円環の文様が幾重にも刻まれ、中央にはまだ開かぬ封印の紋が淡く沈んでいる。


 フィンは立ち尽くした。

 ――これだ。ここが、すべての始まりであり、すべての終わりに繋がる扉。


 リナが低く呟く。

 「……やっぱり、迫力あるわね」


 セリアは杖を強く抱きしめた。

 「ここが開いたら……何が待ってるんだろう」


 フィンは一歩踏み出す。

 「それを確かめるために、俺たちはここに来たんだ」


 扉の前に立つと、五つの紋章が同時に胸奥から熱を放った。


 水の冷たさ、火の温もり、風の流れ、大地の強さ、そして空の自由。

 それぞれが溶け合い、光となってフィンの掌へ集まっていく。


 セリアが思わず声を上げた。

 「フィン……!」


 リナも剣の柄に手をかけたまま、息を呑んで見守る。


 フィンはゆっくりと扉に手を翳した。


 円環の紋様が呼応するように輝き、低い振動が広間全体を震わせる。石床が鳴り、天井から細かな砂が落ちてくる。


 「……始まる」

 フィンは小さく呟いた。


 扉の文様が一つ、また一つと光を帯びていく。五つの環が揃う時、封印は解かれる。


 だが――その瞬間。


 広間の奥から、重く低い風音が響いた。

 冷たい気配が三人の背を撫でる。


 「……誰か、いる?」

 セリアが声を震わせる。


 リナは即座に剣を抜いた。

 「気を抜かないで。鍵を使う直前が一番危ないのよ」


 フィンは扉から視線を離さず、背後に向けて言った。

 「来るなら来い。……ここから先は、絶対に譲らない」


 扉の光はますます強くなり、鼓動のように脈打ち始める。

 封印が解かれる時は、目前に迫っていた。

四元素と“空”を携え、物語はいよいよ核心へ。

封印の扉が示すもの、そして最後の障害が姿を現そうとしています。

次回、地下神殿の奥へ進む三人が、何を見るのか――ぜひご期待ください。

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