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小銭稼ぎ

まだ、剣術を鍛え、鍛冶もまだまだだった頃の思い出です。

俺の名はDIO。

しがない鍛冶屋である。

金槌をインゴットに打ち込みカンカンと心地良い音を響かせる。

ダガー、メイス、カトラスを鍛えて腕を磨いて来たがそろそろ刀も形になって来た。

順調にスキルは上がっているようだ。

たまには防具も鍛えるがこいつはインゴットがかさむので必要分くらいしか鍛えて無い。

取り敢えず自分で着こむ為のチェーンメイル一式とクローズヘルムは自作している。

鍛冶は上げるのは楽しいが俺の場合は金がかかる。インゴットは全て店のオヤジから購入しているからだ。

最後のインゴットを鍛え潰す。もう金が無いか。小銭稼がないとな。

サッと辺りを片付けると漆黒のマントを纏い店を出た。

俺の狩は包帯作りから始まる。

農家の軒先に生えた綿花の実を集め、羊たちの毛を刈りまくる。

裁縫店の糸車と織り機を借りて糸を紡ぎ布を編む。それをナイフで捌いてクルクルと包帯を巻き上げた。地味な作業だ。

裁縫店を後にした馬に跨り狩場へ向かう。


一山超えた丘の上でリザ(リザードマン)をプチプチ叩いては骸から小銭を集めた。

先程こっそり鍛えたハルバードがいい仕事をしている。

ヒットアンドアウェイを繰り返し闘っているがリザ相手でも時折よいパンチを喰らう。

手作りの包帯もいい仕事をしている。

いっ時を置いて鞄がコインで一杯になった。一匹から得られる額は小さいが湧きは多いはありがたい。

もっと稼ぐにはリザの革を剥ぎ取るのが良いのだが、手間と嵩張るので荷馬などの輸送手段が必要になる。

過去に一度試した事があるがその時は荷馬がリザに襲われ死んでしまった。痛い損失であったし、精神的も愛馬を殺してしまった罪悪感が残るので切ない話である。

そんな思いを巡らせていると若い剣士が修行に来たので交代。俺は狩場を後にし行きつけの銀行前まで魔法で飛んだ。

ひと時、突貫で魔法を覚えたがとても便利である。ただ魔法には色々と弊害はあるのだ。例えば秘薬やリコスク(リコールスクロール)などのコストがかかる。呪文を唱えている間は固まる。武器が痺れて握れないなどだ。

まあ、最近では移動はリスクの無い騎士魔法が主流とも聞くが既に鍛えてしまったので後には戻れないと言うか戻りたく無い。

銀行に着くと直様コインを預け、次の狩場へ向かう。まだまだ包帯が残っているので。

狩場に着くと残念ながら先客が居た。若い剣士たちの様だが少し様子がおかしい。

オーク相手に押されている様だ。余計なお世話かなと思いつつも戦いに介入する。

逃げ回っている子には、遠距離からハイヒール。移動せず黙々と耐えている子には包帯巻き巻き。

呪文で痺れた手に再度、ハルを取り俺もオークの攻撃を凌ぐ。

戦力が一人増えた為か取り敢えずは場も落ち着き始めた。

「すみません。この子、突然固まっちゃって。」逃げ回っていた子が一言

「ありがとうございます。落ちちゃいました。」次いで固まってた子も一言

「焦りますよね」と俺も一言

今日はもう二人は帰るらしい。そして暫くして現れた二人と合流して4人で帰って行く。

二人も見えない所で色々とサポートしてたらしい。

狩場を譲られた俺だが今日は嫌な予感もするので近くの骸から金品を回収して帰る事にした。

オークキャンプから少し距離を置き安全を確認して定宿に飛んだ。

俺も今日はもう休む事にした。

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