危険なお茶会
しばらく筆を休めるかも知れません。ネタを集めないと。
俺の名はDIO。
伝説の鍛冶屋を夢みるもの。まだまだ伝説には時間がかかりそうです。
少し前になるが初心者に同行して影の間で開催された、お茶会に参加した事がある。
通称”影の間”は影龍の住む洞窟でドラゴンの1.5倍強い影龍が2頭徘徊し近くの魔法陣にはデーモンが2、3体湧いている場所で他にもエビルメイジ、ワイバーン、ドレイクなどのそこそこ強いモンスターも常駐している結構、危険で厄介な場所である。
そんな場所にアップルパイやらケーキ、マフィンなど大量に持ち込み初心者を連れて見学会と称しお茶会を開いたのである。
準備はこうだ。最初に古参の戦士が影の間に特攻。モンスの注意を一身に集め逃げ回っている所に3名のBTMが第2陣として突入。その後DIOらも影の間に入り雑魚を払う。戦闘がひと段落し落ち着いたタイミングでゲートを開き初心者達を誘導する段取りだ。
かくして影の間でお茶会は開かれた。
初めてみる影龍はデーモン達と踊っていた。お菓子は食べ放題、モンスターの死骸からお金やアイテムも取り放題。
30分もすれば50000ゴールドは貯まり、魔法装備も一式揃う感じだ。初心者達にはありがたいボーナスタイムである。
時折モンスターに手を出し死んでしまう初心者も居たが速攻で蘇生と回復が行われる。基本的にはケガ人が出れば即座に回復して貰えるので殆ど死ぬ事もない。ペット達も同様に回復が行われるので危なげなくモンスターの体力削りに回っている。
影の間はBTM3名に完全に制圧、平定されていた。
いつもなら何らか事故が起こりそうであるが今回は全く危険な様子が見えない。
「ここ影の間ですよね」と拍子抜けしたDIOが確認する
「バード3人って余り無いからねぇ」
「ま、大概の狩場は一人で抑えちゃいますからね」
「でもここは突入時に殉職しちゃう事もあるので余り来ないな」
「そうですねぇ。この大勢になれば一人でも抑えられるけど、この大勢になるまでにペットが死んだりしますからねぇ」
「何かが一つ崩れると途端に地獄絵図になるからな」茶菓子をつまみながらバードの一人が危険度を語る。
「一つとは?」
「仲間の一人が死にそうなったり、ペットが瀕死になったりかな」
「他にも楽器が壊れたり、近場でモンスに湧かれたりね」
「肉弾戦には不向きですからねぇ、モンスにタゲられる(狙われる)と弱い。」
「純正バードさん(扇動、沈静化、不調和)いるとまた戦術が変わって来るんでしょうね」
「ただ下手に範囲効果の沈静化をやられると困るな」
「あれって扇動効果をリセットされちゃいますからねぇ。場合によっては途端に修羅場になるかもねぇ」
「でも、ペットをティムする時に沈静化して貰うと助かる!」どっと笑いが漏れる。
「良ければスキル構成、教えて貰えますか」
「いいよ。自分は調教、動物、獣医、音楽、扇動、魔法に瞑想かな」
「私は瞑想抜いて組み手入れてます。なので回復力が弱いですね。」
「私は最初は獣医学を抜いてましたけど、ペット使い捨て出来ない仕様に変わりましたからそこからは組み手抜いた感じですねぇ」
「あとはアイテム。装備次第ですけね。良い魔導武器とマナ回復装備があれば、組み手や瞑想外せますから沈静化や知性入れたり、その前にティム系をレジェンドまで入れるのが先かな。」
「ちなみにDIOさんはどんなスキルになってます?」
「私は鍛冶、剣術、解剖、包帯、調教、動物、魔法って感じです。」一部のメンツからは同情の涙を貰った。
「微妙に鍛冶入っているが辛く無いですか?、あと、色々出来そうで反面色々と欠けてますよね」ダメ出しを食らった。その通りであるし自覚もある。
「人それぞれです。思いを貫いてくださいねぇ」温かい言葉も貰った。
そうこうして、結構な時間も経ち、一人、また一人と消えて行った。茶菓子が全てなくなる頃には誰も居なくなり危険な影の間に戻って行く。




