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慌ただしく過ぎる日々の中で。

作者: ほっしー

 それはいつもの見慣れた光景。

 カーテンから日差しがこぼれ、部屋に差し込む。ちょうど朝の5時半くらいだろうか。

顔を洗い、まだ開いていない目をどうにか開かせ、コンタクトを入れた。時々目が飛び出すほど痛い時がある。

 朝食はパンを食べるか、或いは米なのかそんなことはどうでもいいほどひたすら眠い。私には朝のちょっとした贅沢がある。仕事に行く前にわずかばかりの時間に睡眠をとる。これがたまらなく気持ちいい。

行く準備を済ませ、車に乗ると、何故か現実感が迫ってくる。必要なはずのマスクも忘れてしまうほどに。

車を走らせる。見慣れた高齢者マークの車。いやでも視界に入る広告の看板。それもそうだ。同じ時間に私は家を出ているからだ。運転中に吹かす煙草の味もいつも同じで、吸うタイミングもいつも一緒。そんな刺激のない日常が私の退屈を加速させる。

 職場に到着すると、開口一番挨拶をする。見慣れた光景だ。私は同僚の顔色を窺って、その日の雰囲気の感じ取る。これもつまらない。退屈だ。生きている実感が湧かない。仕事が終わり、車に乗り込む。車のドアに入れてある煙草に手を伸ばす。ライターも忘れずに。美味い。味は行く時と同じなのに何故か美味く感じる。

生きている。呼吸をしている。自分の意識に問いかける。

 部屋に独りぽつんと。変わらない日常。どこか刺激が欲しい自分がいる。夢なんてないのに、理想だけを追い求めて、現実から目を背け、浮き足立っている。どうすればいいのかわからない。方法も順序も曖昧で。でも刺激が欲しい。隕石が落ちようが、雷が今近くに落ちようが、受容できる自分がいる。そんな非現実的な思想が私のペンを走らせる。

 いつまで経っても私は幼くて、子どもである。しかしながらこんな純粋で真っ直ぐな思いはかけがえのないものだ。

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