卒業式
残りの学校生活もあっという間に過ぎ、卒業式がやってきた。
「この世界での卒業式は何だかパーティみたいね」
ドレスコードがあり校長先生の長い話を聞くこともなく、送別会のようなものだ。
ソフィアは水色のドレスを着て参加していた。
「ソフィア!これでは私たちは離れ離れになるのね」
セシルはエメラルドグリーンのドレスを着て、両手にはたくさんの花束を抱えていた。
流石だわーきっと男子からね。
ソフィアは少し羨ましくもあり思わず目を見張った。
「ソフィアは学校大丈夫かしら、少し心配ね」
アンナは私の心配をしてくれた。
そんなアンナはオレンジ色のドレスを着ていて、アンナもまた、花束を抱えていた。
2人して花束なんて抱えちゃってー。
「大丈夫よ!クロちゃんもいるし!それにしても2人とも花束なんてもらっていて羨ましいわ!」
「私は後輩がたくさんくれて」
アンナは面倒見が良く後輩の女の子たちにたくさんもらっていたのだ。
「なるほどね、私自分のことばかりで周りなんて助けてる暇がなかったわね…」
自分のことを慕ってくれる人が羨ましくもあり少し後悔をした。
「セシルは男子よね!可愛いもの流石だわ」
「情報をいろいろ共有した中ですのでね」
おー、なるほど、ドンマイ男子!セシルには全く好意がなさそうね。
「まあ、花束はもらえなくとも、ちゃんと卒業できたからよきったわ!」
なんて3人で話していると、背後の方から黄色い歓声と共にシェネル兄弟が来た。
そのざわめきに思わずソフィア達は振り返ると、
「ソフィア、卒業おめでとう」
フークが先にソフィアに赤い花束を渡すと、
「俺からもある…」
そう続きユーリはソフィアに白い花束を渡した。
「あ、ありがとうございます…」
このシェネル兄弟の後ろにいる女子達からの視線、それと一気に2人からの花束に戸惑いも隠せずお礼を言った。
「ソフィアが学校行くなんて言うので、どうなるかと思いましたが、家業を継ぎながらたまに遊びに行きますからね」
と、とても笑顔でフークは言った。
が、ソフィアにはそれはかなり面倒な形になる予感しかしなく少し眉間に皺がよった。
「わ、わかりましたわ…」
「集まれるのも今後少なくなると思いますので、今日は私の部屋にお泊まりでもしませんか?」
セシルはアンナとソフィアにそう誘ったが
「僕らもよろしいですか?」
フークは何の悪気もなくその話に入ってきた。
「ダメですわ!男子禁制あたりまでしょう!」
ソフィアは咄嗟にフークに言うと、何だか少し悲しそうだったが、そんなのは気にせず、アンナとセシル2人で約束をした。
そして、卒業式も終わりセシルの部屋でのお泊まり。
ソフィアは女子会のようなお泊まり会にとても胸を躍らせながらセシルの部屋に向かう途中ユーリがなぜか廊下に立っている事に気づいた。
「げっ、何でここにいるのよ…セシルの部屋はもうか少し奥なのに…誰か待っているのかしら。目を合わせず堂々といけばいいわよね!よし」
気づかれないように小声で意気込み、堂々と歩き出したが、ソフィアを待っていたかのようにユーリが近づいてきた。
「ソフィア、話したい方があってこんな形で待ち伏せなんてして申し訳ない」
何か畏まったユーリに、そのまま聞くことにしたソフィア。
「卒業式が終わって、もう会うことができないと考えると何だか少し心残りがあって…フークと婚約関係にあるのは当然わかっているのだが、やはり諦めきれないと言うか、この気持ちに気づいてから苦しいんだ。だからせめて気持ちだけでもと思って」
照れくさそうに言うユーリに対して内容がわかってきたソフィアは思わず。
「まってまってまって…それてもしかして」
思わず黙っていられず止めてしまったが、ここまで言ったユーリは全く動じずしっかりとソフィアの目を見て真剣に
「ソフィアの方が好きだ…俺はフークと結婚するまでは諦めないつもりでいる。それだけが伝えたかったんだ。もちろん返事はいらないから…引き止めて悪かったな、じゃあ」
そう伝えたユーリは自分の部屋に戻って行った。
ソフィアは頭が真っ白になり棒立ちしていた。
すると、後ろからアンナの声と廊下を走る音が聞こえてきた。
「ソフィアー!何してるのよ!こんなところで」
アンナは何も知らずにソフィアに駆け寄り、そのままセシルの部屋へと誘導した。
アンナに話しかけられてるのはもちろんわかるし、自分で歩いているが頭だけがグルグルとしていていた。
「お待たせー!」
「いらっしゃい」
アンナとソフィアはセシルの部屋にやっと着き、お泊まり会がスタートした。
そして、早速セシルが待っていたかのように恋愛話を持ち込んだ。
「ソフィアは、フーク様とどうなの?」
「聞きたい!」
何だかアンナもとても聞きそうにしていた。
「あ、いやー変わらずと言うか…」
「そしたら、ユーリ様とは?」
セシルはこの三角関係にいち早く気づいていたため、何の躊躇いもなくユーリの話へと切り替えたが、ソフィアにとってはまさかの展開と言うか、ここに来る間のことが少し忘れかけていたのにまた思い出し、一気に耳までも赤くなった。
「え、あ、別に…」
そんなソフィアに気付きセシルとアンナは攻めよる。
「それは何かあったなーもしや、さっき棒立ちしてたのって…」
アンナはかなり感が鋭くさらにソフィアが赤くなった。
「あ、合っているの?!」
アンナも当たるとは思わなくて思わず驚きセシルに目を合わせた。
セシルは何だか嬉しそうにしている。
「あ、まさかソフィアはユーリ様が?」
「違うわよ!ただ、ちょっとね」
ここまで話してしまったらもう聞くまで寝させないと言う勢いでセシルとアンナに質問攻めをされ、ソフィアは起きたことを全て話した。
「あー、これは罪ですわねー積極的にアプローチをしてくるフーク様に届かぬ恋だと知りながらも諦めないユーリ様…まさに本の中のようなお話ね」
「ちょっとセシルーこれは本じゃないのよ。ソフィアはどうなの?」
セシルはこうなるともう本の話になってしまう。
それに比べてアンナは冷静に私に聞いた。
「ユーリ様は色々助けてくれてすごく頼りになるけど…あまりにも突然で…正直好きとかどうとかわからないのよ…」
「でも、今まで恋愛感情がなかった相手でもそう伝えられると意識してしまって恋に落ちるって言う事もあるのよ!」
「セシルー、それはきっと本の話でしょう」
セシルに対し少し呆れてアンナが言うが
「確かに本の中ではありがちですが、魚心あれば水心ありっていうでしょう!」
「うーん」
セシルは頭が良くそう言ったが、頭のあまり良くないソフィアにはあまり伝わらなかった。
「まあ、これからどうなるかは楽しみね、離れてしまうけど手紙欠かさず送るからそれでしっかり報告してよね!」
なんだかんだ、恋愛も含めお互いのこれからなど夜な夜な話気づいたらみんな眠りについていた。
読んでくださりありがとうございました。
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