俺は都会に引っ越したい
0728
俺、菅原道男は普通のアニメと普通のゲームが好きな普通の秘境に住む普通のひきこもりでした
────1週間前までは。
〖1.俺は都会に引っ越したい〗
0721
(やっと届いた…!)
俺は親父から受け取った、2週間前の週刊少年ジャソプーを胸に抱きウキウキしながら階段をかけ上った
俺の住む島、
-茄子島- は、日本の九州地方に浮かぶ小 さな小さな島だ。
島民は約40人。
全ての島民は大人になるとナス農家として畑を耕す。
生活に必要なものは2週間に1度、島への定期船が届けてくれる。
簡潔に言おう
俺は都会に引っ越したい!
俺はこんなダサい名前の島でナス農家になって2週間前のジャソプーを読んで暮らすのは御免だ…!
俺は今までこの島を抜け出すために色々なことをしてきた。
海を泳いで渡ろうとしたし、
それが無理だとわかり、船を作ろうとしたこともあった。
だが、どれも島民に邪魔された。希少な働き手である俺を失いたくないのだ
そしていつしか俺は都会に住むのを諦めていたのだ。
(おっ!今週のジャソプーは束ネバのフラグ回収話か、前回気になるところで終わって、、、、、、え?)
ドンドンドンドンズドドトーーン!
なんだ?
頭が痛い
体が動かない
だれか!助けて助けて助けて助けて助けて助
あ、親父も母さんもナス畑に収穫に行くって言ってたっけ
俺、死ぬんだなあ
足元をみればナスの収穫に使う軍手が落ちてる
俺はそれで滑って階段から、、、、
はぁ、、、、
俺は諦めて天井を見つめた。
天井のシミがナスに見える。
ナスさえ無ければ、、、
俺の人生はナスのせいでめちゃくちゃだ。
そう思ったとたん、俺の記憶は途切れた
─────0723──────────
2日後、俺は目覚めた
いや、実際に目が覚めたのではない
神として目覚めた
俺が死んだ日を境に、
島のナスが全てピンクになるという怪事件が起きたのだ
島民は、この島を恨みながら死んで行った俺の怨念だと思ったらしく、(まあ、実際にそうなのだろうが...)
俺を祀る祠を建て、俺をこの島の疫病神として祀ったらしい。
てなわけで、俺は神になった
だが、実際になにか能力を得たわけでは無い
体が浮くが、島民には見えない。
言ってみれば、ただの幽霊のような存在だ
こんなくだらない理由で神になったのはおそらく、俺だけだろう。
俺はそれから、神として存分にひきこもりを堪能した
だが、
1羽のカラスが俺にある知らせを届けたとき、
そんな俺の素晴らしいひきこもりライフは終わりを告げたのだった────