未完成な僕ら
初投稿、初執筆と初めてだらけの投稿ですがこれから読んでもらえるように
頑張りますので、生暖かい目で見てあげて下さい( ^ω^)
〜プロローグ〜
松傘史成は恋をしていた。
恋は実に素敵なものだ
誰かを好きになるということはとても素晴らしい
だが、彼が彼女に抱いた感情を恋と言うには
程遠い"何か"だったのかもしれない。
でもあの時の彼にはそれが全てだったのは事実
この物語は歪で悍ましく不恰好で醜い恋の物語
〜1〜
卒業式
門出の日と言われるような
おめでたい日であるこの日
海里高校でも卒業式が執り行われていた
「先輩、卒業おめでとうございます」
松傘は今日この高校を旅立つ卒業生の1人、愛多智芽維に
これまでの感謝を込めて花束を渡していた
「あ゛り゛が゛と゛う゛ぅ゛色゛々゛迷゛惑゛か゛け゛た゛ね゛ぇ゛ぇ゛」
「何言ってるか分からないんだよな…」
「ごめんね…みんなと離れると思うと… う゛ぅ゛…」
「今日くらいは目一杯泣いても変に思われませんよ。いつものあなたに比べたら、普通の人に見えますよ」
「それどうゆう意味だい?後輩くん♡」
「イエ…ナンデモナイデスヨ…アハハ…」
3年の愛多智は1年である松傘を拉致し生徒会に無理やり
所属させた張本人である。
行動力がずば抜けており先生達も一目置いていた
行動力が高すぎて空回りすることも多くあったが
それでもめげることなく高校生活を駆けていった
「3年間どうでしたか?」
「楽しかったよ。同級生のみんなや生徒会のみんなとの時間は私にとってかけがえのないものになったよ。特に後輩くんが来てくれたこの1年は本当に楽しくてずっとこのままが良いなって思うくらいにね」
「そうですか。それは良かったです」
恥ずかしい気持ちを抑えて平然を装いながら答えるが
限界がすぐそこまで迫っていた為、話題を変えようと試みる
「そういえば!先輩は好きな人とかいなかったんですか?」
苦し紛れに出した話題が恋愛になるとは…失礼だが、彼女が恋愛をしているイメージが松傘には
まったく湧かないのだ
(しまった…!この先輩に対してこの話題は自分に返ってきてしまう…僕だって恋愛をしてこなかったわけではないが…墓穴を掘ってしまったか…)
しかし、その考えは杞憂に終わった。普段の彼女なら明るく自虐したり誰かに流したりしていたのだが、今日の彼女は卒業の日という特別な日にあてられてしまっていたのだろうか
「好きな人?いるよ。今から気持ちを伝えに行くんだ」
彼女は恥ずかしさから顔を赤らめていた。
(そんな顔…できたんですね…)
「先輩なら大丈夫ですよ。1年しか関わってない僕でも先輩が素敵な人だって分かりましたから。」
「ありがとう。じゃあ…行ってくるね!」
「はい、いってらっしゃい。」
愛多智は松傘に背を向け駆けていく。離れたところで振り向き
「後輩君!!!存分に青春を謳歌したまえ!!!先輩からのアドバイスだぞ!!!」
「分かりましたよ。自分なりに謳歌してみます!改めてご卒業おめでとうございます!」
手を振り、また彼女は背を向け駆けだしていった。
「さて、式の片づけしなくちゃな…めんどくせ~」
彼女の背中を見送った後、悪態をつきながら式の片づけに向かう。しかし、言葉とは裏腹に心の中はすごく穏やかだった
家に帰り携帯のトークアプリを開くと先輩が告白成功したという報告を告げる文章が綴られていた。
去り際にアドバイスをくれた時のことが蘇ってくる。
太陽のように眩しい笑顔を向けて言い放った彼女は、松傘の目には本当に綺麗で力強くどこか儚く見えていた。
~2~
卒業式も終わり、冬休みも明け松傘は2年生に進級していた
何か劇的に変わったかというとそうでもなく、ただ数字が増えたとしか感じていない
松傘は生徒会を続け先輩が最後に言った「謳歌しろ」という言葉が頭をぐるぐるする
毎日を送っていた。
「どうした?ボーッとして」
声を掛けてきたのは、同じ学年で生徒会に所属している
母屋百合華だった
「いや、今年の1年生はどんな子達が入ってきたのかなって考えていた」
「え、年下好きだったの!?」
「何でそうなるんだよ…純粋に気になっただけだよ」
「じゃあ、どんな子がタイプなの?」
「何故、お前に話さなきゃいけないんだよ」
「いいじゃん〜減るもんじゃないし〜」
「増えるものでもないけどな」
他愛もない会話をしていながら松傘は自分のタイプについて考えてみた
これまで好きになった人なんて片手で数えられる数しかいない
好きになった人がタイプなんてよく言ったものだ。正しくその通りにタイプも歳もバラバラだ
だが、一つだけ好きになった相手に共通点があった
「そうだな…強いて言うなら、大人びた女性?精神年齢が高いかな?」
「大人びた女性か〜男はみんな年上のお姉さんが好きだね〜」
「ちょっと??話聞いてた?俺は一言も年上が好きと言ってないよな?大人びたって言ってるんだけど?要するに大人っぽい感じが好きなの。年上年下など関係ない。」
こいつは人の話を聞かないのかと呆れていた
「じゃあ、私みたいな女子がタイプなんだね!私は大人びてるからね」
「寝言は寝て言え」
母屋はどちらかと言えば大人びたと言うよりかは苗字に恥なしほどお母さん的な立ち位置にいて
生徒会みんなのお母さんと言われている。だからなのか恋愛対象として見れないでいた。
「照れない。照れない。さて、今年はどんな後輩が入ってきてくれるかな私達より問題児ばかりじゃなきゃいいんだけどね」
そうだなと続々と門から入ってくる後輩達に目を向けた。
(先輩がくれたアドバイス通りに青春を謳歌できるかな…)
その日の放課後
生徒会室に現役生徒会が招集された。
「松傘!俺らまた何かしたのか??マジでもう怒られるのは勘弁だよ〜…」
そう言いながら松傘に寄ってきたのは、同級生で同じ生徒会の平佑次だった
松傘と母屋と同じく1年生から生徒会に所属している。松傘とは中学からの付き合いになっている。
「いや、なんで怒られる前提なんだよ。最近いろいろ頑張っていたろ?怒られる事案はないはずだが…」
「いや…あの先生のことだ…何かにつけて怒ってくるぞ!!絶対!!」
「どんだけ嫌いなの…」
「いや…嫌いではないよ…なんか苦手なんだよな」
げんなりしながら答える平と共に生徒会室に向けて歩みを進めているとそこに母屋も合流した
3人が生徒会室に着くと3人以外は全員揃っていた
「全員揃いましたね。今日集まってもらったのはこれからについて軽く打ち合わせをしようと思いまして」
話し始めたのは生徒会顧問である神谷先生だった
「皆さん、無事進級できたみたいで良かったです。これからの行事のことなど………」
どうやら、怒られることはなく新学期が始まって早々に今年度の生徒会の動きを確認するというものだった。話が一通り済んだ後
「話は終わりですが1つ言っておきます。どこぞの卒業生みたいに新入生を拉致するのはやめてくださいね。後で謝る先生の身にもなってくださいね」
と神谷先生は釘を刺した。愛多智は本当に異才で偉才だったのだろうと生徒会全員が頷いた。
その夜、松傘は愛多智に今日のことを報告していた
トークアプリでの会話---
松傘【先輩、お疲れ様です。今日の生徒会の会議に先輩の名前上がりましたよw】
愛多智【え!?なんで??】
松傘【新入生を拉致らないように注意喚起で。】
愛多智【神谷っち、酷くない?】
松傘【こればかりは先輩が悪い】
愛多智【後輩君まで!?先輩は悲しいぞ…】
---
松傘は適当なところで話を終わり、アプリを閉じた。
また明日から、それなりに忙しい学校生活が再開すると思うとめんどくさいような気もしたが
どこか楽しみな自分もいて悪くないな。そう思いながら眠りについた。
読んで下さり、ありがとうございます!
まだ物語は序章の序章程度にすぎませんがこれからも自分のペースで書いていこうと
思います。もし作品が気に入ってくださったならすごく嬉しいです。
日本語が変なところがあったり小説の書き方なんて微塵も分かりませんが、
色んな人の小説を読んで吸収してレベルアップを目指そうと思います!!
次回もよろしくお願いします。