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ハーレム部

水野 遥が告白した日の放課後、新たに入会したハーレム部員を交え、喫茶店にて非公式にミーティングが開催されていた。


遥「強烈だったぁー…。思い出すと震える!」


美咲「何度目よ!だからゴメンって!」


友紀「圧迫面接ってやつ?しちゃったよねー。『勘違いしないで!』とか言っちゃったねー。私。ごめんねー。」


遥「やめてー!トラウマになってるのそれ!」


楓「本当にごめんね遥ちゃん!お恥ずかしい。本当にお恥ずかしい。申し訳ない!」


遥「いえいえ!とんでもない!って…ダメだ私…。まだ完全に怖気づいてる!こんな関係になりたいんじゃなかったのに…」


友紀「あははは!楓ちゃんのボス感はヤバいもんね!すっごく気持ち分かるよー!あはははっ」


美咲「まぁービビるよねぇアハハハ!私達もずーっと楓はヤバい!って思ってたよ。アハハハッ」


楓「や、やめてよ!怖い人みたいじゃん!」


遥「実際怖かった…。けどね、楓ちゃん。ビビりまくっていたけれど、嫌じゃなかったんだよ?ラブレターで思いの丈を全て吐き出した私は、やっぱり調子に乗っていてさ、ちょっと自分に酔ってる所があったんだ、それをぶった切られた時、訳が分からなかったけれど、あぁ、この人の想いは半端じゃないんだって気付かされたの。だから神田君のフィアンセなんだって…憧れたの。」


友紀「すっごい分かる!分かるよ遥ちゃん!隣りに立つ人はこの人だ!って思い知らされるよね!」


美咲「それな。あの迫力ってなんなんだろね。私なんか最初嬉しかったもんね。負けたのにさ、なんか、分かんないけど。」


楓「ちょっと…リアクションに困る…。」


遥「へー…二人もそう思ったんだ。私からしたら二人だってめっちゃ強キャラなのに…凄いや…。あ、そーゆう二人もめっちゃ怖かったんだからね!」


友紀「今日はたしかに…そうだよねー。ま、でも私達もガチだからねー。」


美咲「中途半端は許せなかったっつーか。正直ムカついたからね。夕の側は簡単じゃねーぞってねー。でも遥さ、頭良い癖にけっこーバカなんだね。良い意味で。驚いたよ。」


遥「バカかー。…嬉しいな。少しは二人に近づけた?」


友紀「そうやって楓ちゃんを別格視してる所はさ、まんま最近までの私らだわ!ふふっ。けど…ちょっと違う所あるんだよなー…。」


美咲「えっと遥、まずは楓とも、夕とも仲良くなろうよ。勿論私達ともね。近づくとか近づかないとかはその後だよ。焦るのも分かるけどね。」


遥「そうだね。そうだよね。あぁ…またやっちゃった。すぐ調子に乗っちゃう。」


楓「あの…遥ちゃん。夕君はさ、優しいから絶対にあなたを邪険にはしないの。例え私がそうしろと言ってもね。だから、我慢させないであげて?一緒にいて楽しいと思わせてあげて?出来ないのであれば、身を引いてあげて。また怖い思いをさせていたらごめんね。でも仲良くなるってそうゆう事でしょ?美咲ちゃんや友紀ちゃんにはそれが出来るの。だから私も二人が好きなの。いきなりじゃくていいから、あなたの為じゃなくて、夕君の為に頑張って欲しいんだ。ごめんね。私はまだ遥ちゃんをあまり知らないからさ、キツい事言っちゃった。ごめんね。」


遥「…はい。」


美咲「遥ごめんね、これは反論出来ないよ。究極に楓が正しいし、最低条件だから。楓に認められて、浮かれた気分のあんたにはちょっと言えなかったんだけど、楓の言う通りだよ。」


友紀「難しく考える事ではないし、夕君が勝手に楽しくしてくれるから問題は無いんだけど、心構えってやつだよね。楓ちゃんごめんね、言わせちゃったね。」


遥「浮かれてた。完全に浮かれてた。楓ちゃんや二人に認められて、嬉しくて、仲間になれた気がして。私はまだ神田君の何者でもないのに。ごめんなさい。ごめんなさい。」


楓「ねぇ。夕君の許しが出たら今度遊びに来てよ。泉ちゃんにも合った方がいいし。あ、泉ちゃんは妹ね。タイミングが合えばママンとも合えるし。楽しいよ、きっと。」


遥「いいの?嬉しい!すっごい楽しみ!ありがとう!」


美咲&友紀「「私も行くー!」」


楓「知ってるよ!アハハハッ」


遥「泉ちゃんってどんな子ー?」


楓「天使だよ!夕君に思いを寄せてるって言うと最初は当たりキツいけどね。あはは。」


美咲「そこがまた可愛らしいんだよね!」


友紀「ほんとそれ!あとめっちゃ夕君とキスするよ!1個下なのに。」


遥「え?!大丈夫それ?!」


美咲「あの子は…何でも許されるよ。なんたって夕が世界一愛してるのは妹だから。アハハハッ」


楓「そうなんだよ。アハハハッあの子には誰も勝てないよ!」


友紀「その関係がまた微笑ましくてねー♡」


遥「そんな関係…見てみたい!」


楓「うふふ♡泉ちゃんに会いたくなってきた!夕君呼んで帰ろー♡」


美咲&友紀「「いいなー。」」


〜20分後


夕「ベイビー!待ったか?」


楓「あなたー♡ちょー待ったよ♡」


夕「うわー…すっごい可愛い。愛してる!帰ろ!」


友紀「うわ!私達見えてる?!」


美咲「ほんとだよ!」


夕「なんだよ!僕のベイビー取っちゃってさ!僕だって一緒にお茶してさ?飲み比べとかしてさ?甘いだのちょっと苦いだの言いたかったんだから!」


美咲「いや、仕方ないじゃん!私だってそーだよ?けど今日は大事なハーレムミーティングだもん。」


夕「ハーレムミーティングってなんだよ…。僕はそんな会認めませんよ?」


友紀「えへへ♡」


夕「何なのそれ、笑って誤魔化すやつ流行ってんの?」


遥「か、神田君!こ、これ飲んでみる?みる?」


夕「遥ちゃん…待ってた。そーゆうの待ってた…。ありがと。…うん甘い。甘すぎ。」


遥「はぁー…楽しい♡」


楓「ねぇ夕君。今度家に遊び来てって誘ったの。いい?」


夕「いいけど…。」


楓「遥ちゃん。夕君は今ね、家で私達がいちゃいちゃするの見て辛くないかなーって考えてるよ?どうですか?」


遥「大丈夫!でも私も少し可愛いがって欲しい…です。」


夕「いや、ふつーにダメだよ。」


友紀「遥ちゃん大丈夫だよ、楓ちゃんが何とかしてくれるから!」


夕「なっ!」


美咲「楓は魔王ってる夕を見るのが割と好きなの。素敵〜♡とか思っちゃうの。実は、私もなんだけど♪」


友紀「わかる!私なんかさ、最終的に楓ちゃんにだけは特別な甘さ見せる所も好きっていう変なフェチまである。」


楓「自分でも嫌な奴だなぁーって思うけどさ、私はやっぱり特別だった!って思うのが堪らない!皆には悪いけど…謝らない!」


夕「おいおい…。」


美咲「アハハハッ!その立ち位置。最高だね!最終目標!」


友紀「堪らんねそれ!頑張るぞー。」


遥「分かるなぁ〜♡私はそれに憧れて告白したんだもん。私もその場にいられると思うと…よ、よだれ出ちゃう!」


夕「遥ちゃん…君けっこーヤベーね。」


友紀「夕君、これがハーレム部だよ。夕君バカの大集合だよ。どんまい。」


夕「今すぐ解散しろ!」


美咲「うるさいな!あんたになんか何の権限もないよ!バカ!」


夕「そんな…。あ!思い出したけど、今日の君達は一体なんだい?告白されたのは僕だよ?答える間も与えず、遥ちゃんをイジメやがって!だいたい、、、」


楓「夕君!黙りなさい!私を誰だと思っているの?夫の女性関係を取り仕切るのは誰の役目?私でしょ!ごちゃごちゃ言わないの!」


夕「はい。」


遥「神田君!私はイジメられてないよ。試されただけ。君の側にいられるか否かをね。私は許してもらえた。だから神田君、私はこれからも君の側にいます。可愛いがって貰えるように努力するからね。まずは、抱きしめていいかしら?」


夕「はい。」


遥「神田くーん♡」



この日、神田 夕 ハーレム部が正式に容認された。イエスマン神田によって。彼は考えるのを、やめた。


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