91話 新たな日常の準備
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受付嬢クレアが報酬の1つである物件の場所へと案内するための支度が終わるのを待っているリュートは、個室に1人残されていた。
「・・はぁ、先に家の場所行ってからミウの買い物にしてもらうかな・・」
そう独り言を呟いていると、部屋のドアが3回ノックされ開けられると受付嬢クレアが入る。
「リュートさん、お待たせしました」
「あ、はい・・」
リュートはソファから立ち上がり部屋を出て、ギルドのホールに移動すると待たせていたルカ達がリュートを出迎える。
「あれ?よく出て来るタイミングがわかったね・・」
「はい、リュート様。ギルド職員の方が先程教えてくれました」
「そっか・・」
「みなさん、お揃いなので出発します」
クレアはリュート達を先導し、目的の物件がある場所へと歩き出す。
「リュートさん、私の買い物は?・・・・」
「ごめん、ミウ。先に依頼報酬の物件を先に見に行く事になっちゃって・・終わったら、必ずね?」
「・・絶対ですよ?」
「もちろん」
ミウは、小さく溜息を付いて頷いた後に、心の中でリュートに何かをねだろうと決めていたのだった・・。
しばらく街を歩いたリュート達は、王都の高級商店が立ち並ぶ地区を抜けて一般庶民がたくさんいる商店街へと入って来たところで、クレアが振り向きながら告げる。
「リュートさん、あそこの・・通りに面した白いのが報酬の物件です」
「おぉ・・あの建物ですか?」
「なかなかの大きな建物ですね、リュート様」
「あぁ・・大きいな・・前の親からもらったのより大きいかも・・」
「リュートさん、もう大商人じゃないですか?」
「ミウ・・それは言い過ぎだよ・・」
期待を胸にリュート達は、歩いて通りの角にある白い壁の建物の正面へと立ち止まり見上げ絶句する・・。
「「「「 ・・・・・・ 」」」」
「この建物が依頼報酬の物件で、リュートさんの所有物です。今からドアの結界魔法を解除して中を案内しますね」
クレアは、隣りで固まっている4人を気にする事なく淡々と説明し建物のドアに施されていた結界魔法を解除しドアを開ける。
「リュートさん??・・・・中へどうぞ」
「・・・・えっ?」
「間取りを説明しますので、中へどうぞ」
「・・はい。そうですよね〜」
リュート達が見上げ見ていた建物は、奥行きは一般的な家屋と大差無く2階建てという立派だったが、正面に立って初めてその異様さを目にして驚愕する。
建物の横幅が、あまりにも短い。見た目の幅が4メートル程しかないからだ。そんな建物の中へと入ったリュートは、見た目通りのまま中は横が狭く奥行きは長い。
「なんか圧迫感がハンパないな・・」
「リュートさん、洞窟みたいです・・」
「ミウ・・」
「えっと、1階は店舗として使えます。奥のドアに2部屋あって、休憩所とトイレと簡易的なキッチンを備えてあります。2階は居住スペースで寝室が4部屋とキッチンとダイニングそしてトイレと浴室を完備してます」
「お、お風呂があるんですか?」
ミウがクレアの浴室という言葉に反応する。
「あ、ありますよ・・設計依頼元が貴族でしたので・・」
「おぉ・・・・」
1人感動するミウは、安心した表情になってルカとレナは苦笑いしていた。
「・・・・それと、最後にリュート様の関係者の方でしかお伝えすることができませんが、この建物には地下室があります」
「「 地下室?? 」」
リュートとミウが同時に叫ぶ。
「はい、利用目的は不明ですが・・今は、リュートさんの所有物ですのでギルドが干渉することはありませんので、ご安心を・・。次に、居住スペースの2階を案内しますね」
クレアは奥の部屋のドアの横にある階段を上がり2階へと向かった・・。
「2階は階段の近くから説明しますと、リビングとキッチンでして・・隣りにトイレと浴室です。それから寝室が並んでいます」
細長い廊下で説明するクレアの話しが終わった後にリュート達は、各部屋を見て再び1階へと降りた後に地下室へと入る隠し扉の場所を聞き、建物に関する情報を全て説明し終えたクレアはギルドへと帰って行った。
「・・・・とりあえず、ミウ行くか?」
「リュートさん、私のはついでで良いので、この家に必要な物を買いに行きませんか?」
「良いの?」
「はい、そのついでに私の欲しいのを買ってもらおうかなと・・」
「そうだね・・なんでも買っちゃうよミウ・・ルカとレナもそれで良い?」
「「 はい 」」
生活用品が何も揃っていない新たな家に必要な物を買い揃える事になったリュート達は、報酬の金貨もたくさん持っているため4人で商店へと買い出しに行く事になったのだった・・・・。




