幕間・・召喚の儀
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王族Side
リュート達が報酬を受け取り王城から去った日の夜の王城内は慌しく動いていた。陽が沈む時間の前に王族達は夕食を終わらせ王妃や第1王子と王女は正装に着替えた後に、王城のとある大きな部屋へと集まる。
「お母様、はじまるのですね?」
「そうよ、クリスティーネ。あとはお父様とブレイドが来るのを待ちましょう」
「はい・・」
シエナ王妃は、娘のクリスティーネのワガママに付き合い予定より早い時間にこの部屋に来て椅子に座って待っていると、王族達の待つ時間に出す飲み物の支度のため部屋に入って来たメイド達はドアを開けて入った瞬間に2人が既にいることに驚き慌てて支度を始めた。
「も、申し訳ございません!!」
「いいのよ・・私達が早く来たから」
それから、手際良くメイド達は2人に紅茶を出し落ち着きを取り戻したところで部屋のドアが開き第1王子ブレイドが姿を見せる。
「お母様、遅くなりました」
「いいのよブレイド。予定通りよ」
「はい」
ブレイドはクリスティーネの隣の椅子に座りメイドから出された紅茶を一口飲んで、視線を大部屋の中央で魔法陣を描いている白いローブを羽織った召喚士達を見ていると、隣りに座るクリスティーネが口を開いた。
「お母様・・あの人達は、何をしているの?」
「儀式を始める前の準備で、魔法陣を描いているの」
「そうなんだ・・近くで見てもいい?」
「ダメよ・・あの人達の邪魔をしてはいけないわ」
「・・わかりました」
終始無言で召喚士達は作業を数十分で終わらせ、1人の召喚士が魔法陣の状態を確認し終えた後に大部屋の入り口近くの壁沿いに召喚士達は並び立ち、これから始まる儀式の準備が整い国王陛下が来るのを待つ・・・・。
「待たせた・・・・」
ゆっくりとドアが開き、近衛兵長リーヴスを連れてギルホップ国王は大部屋に入り一段高い場所に置かれたイスに座ると王妃達に視線を向けて呼び寄せた後に、召喚士の1人に視線を向ける。
「・・召喚士長、始めてくれ」
「はっ!・・」
召喚士長は、後ろに並ぶ部下達に指示を出し魔法陣の決められた場所へと全員が位置につくと、床に両手をつけて魔力を魔法陣へと注ぎ魔法陣が魔力に反応し僅かに白く発光するのを確かめた召喚士長は、部下達をその場に立たせる。
「ギルホップ国王陛下様・・無事に召喚魔法陣は発動し安定しております」
「うむ・・続けよ」
「はっ!」
召喚士長は白く輝く魔法陣から出て魔法陣内に残る部下達に新たな指示を出すと、部下達は持っていた小さなナイフで指先を切り、赤い血を魔法陣へと垂らすと突然僅かに光輝いていた魔法陣は周囲の人間が手で覆いたくなるほどの強い光を放つとともに、何かが弾け飛ぶ音が数回響き渡る。
魔法陣を周囲から見守っていた国王達は、眩い光で突然輝き出した魔法陣を直視できなくなり両手や腕で両眼を覆い失明を回避する。
光り輝いていた魔法陣が徐々に光を失っていくものの誰一人として気付く者はおらず、ただ聞いたことのない言語が少しづつ聞こえ始めたため覆っていた手や腕を国王達はゆっくりと下ろし、目の前の光景が現実となったことに驚き言葉を失っていると、理解できなかった言葉が少しづつ聞き取れるようになったようだ。
「・・ねぇ・・・・なの?」
「・・んだよ!・・・・マジかよ」
「誰かいる!?」
「ガイジン?」
「ウソ?」
「これって・・・・」
ギルホップ国王の視界には、見たこともない服装の少年少女達が密集して周囲を見ている光景だった・・ただ1つ見たことがあるのは、全員が黒髪黒目の容姿だったこと。
「ほう・・・・」
そう呟いたギルホップ国王の声が聞こえたのか、黒髪黒目の少年少女達は一斉に国王に視線を向けた。
「・・誰だよ!?」
1人の少年がギルホップ国王に第一声を発した。
「古代書物に書かれていた通りだな・・」
「どういうことだよ?」
背の高い少年が1人前に出て声を荒げる。
「ようこそ、神に選ばれし召喚者達よ!」
国王の言葉が理解できない少年少女達は、黙りこみ目を見開き国王を見ているだけになってしまっていた・・・・。




