86話 第1王子様の独断・・
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最初に案内された部屋で待たされるリュート達に、遅めの昼食が運ばれゆっくりと4人で食べ終わった頃にリーヴスが部屋に入って来る。
「リュート殿、お待たせしました」
「いえ、豪華な食事をありがとうございます」
「報酬の準備が整いました。王族の方がこの部屋に来ますので、こちらで待っていただけますか?」
「はい・・」
リュート達はソファから立ち上がり、リーヴスの指定する場所でリュートを右端に並び待っていると2人の近衛兵が部屋に入りドアを開けたまま左右に立つその数秒後・・。
「失礼するよ・・」
リュートと同年代ぐらいの金髪碧眼でイケメンの少年が爽やかに姿を現すと、リュートの隣りに立っていたミウから小さな歓声がこぼれる。
「うわぁ・・カッコイイ」
男のリュートから見ても、男前の少年だと認識し地位も財も何もかも持っているんだなと嫉妬心が芽生えた時に左に立つルカがソッとリュートの左手に触れる。
「リュート殿、第1王子のブレイド様です」
リーヴスの紹介により、リュートは頭を下げた。
「行商人のリュートです」
「固くならないで・・公式の場では無いからね。父の代理として、報酬を言いに来たんだ」
「はい・・」
ブレイドは、右手に持っていた書簡を広げて読み上げる。
「それじゃ、聞いてくれな・・行商人リュートに対し多大なる功績により、以下の報酬を与える・・」
一つ・・行商人から商人へと格上げし、店舗を持つことを認める。
一つ・・王族公式商人と指定し、国家行事に関する依頼を受けることを認める。
一つ・・王都に指定した場所での商売を認める。
一つ・・金貨3000枚を贈る。
「・・以上だ。何か質問はあるかい?」
ブレイドは、爽やかな笑顔でリュートを見る。
「ブレイド王子様・・お聞きしたい質問がわからないので、このままお受けします」
「ありがとう、聞かれても僕もよく知らないから答えられなかったからね」
「・・・・」
「そうだ!リュート君。まだ時間はあるかな?」
「はい。今日は、宿に戻るだけですので・・」
「良かった・・これから僕について来て」
「ブレイド様・・この後のご予定に・・」
リーヴスがブレイド王子に何かを伝えようとした時に、リーヴスは突然言葉を飲み込んだ。
「リーヴス、僕の予定は僕が決めるんだよ」
「はい」
「リュート君、それと綺麗なお嬢様方・・少しだけ僕のワガママに付き合ってもらうから」
「「「「 ・・・・・・ 」」」」
リュート達は、ブレイドのペースに飲み込まれ無言で後をついて行った。
「さぁ、着いたよ」
「ここは?・・なかなか広い場所ですね・・」
「当然さ、ここは騎士団が使う修練場なんだから」
「修練場?」
「・・もう、鈍いな・・今から僕とリュート君でやり合うに決まっているじゃん。リーヴス!いつもの持って来て」
「はっ!」
リーヴスは、いつの間にか2本の剣を持っていた・・。
(はぁ?あの人、いつ剣を持っていたんだ??)
リュートは、ブレイドのことよりもリーヴスが2本の剣を持っていたことに驚いていると、先にブレイドへ剣を手渡した後にリュートへと木剣を手渡す。
「リュート殿、ご武運を・・」
「えっ?・・あっちは真剣・・ですよね?」
「・・・・」
「リーヴスさん!?」
リュートの問いにリーヴスは申し訳なさそうな表情で立ち去る。
「軽く準備運動したら、始めちゃうよ〜」
ブレイドは、素振りをしながらリュートへと告げる。
「ブレイド王子様は、木剣では無いのですか?」
「何を言っているのかな?僕は、いつだってシンケンだよ?」
両刃の両手剣を構えながらブレイドはニヤリとする。
「あの、行商人相手に真剣はちょっと・・」
「はぁ・・戦う前にこんな喋ったら雰囲気が台無しだよ・・僕はね、欲しいモノは手に入れないと気が済まないんだ」
「欲しい物?」
リュートの言葉の後に、ブレイドの視線がルカ達に向けられた。
「・・・・それは、流石に王子様の強欲であっても聞き入れることは無理ですね」
「そうか・・行商人のキミなら、脅せば応じると思ったんだけどな〜残念・・なら、死ね」
ブレイドの爽やかな表情から一変し、攻撃的な表情となりリュートへと斬りかかるのだった・・・・。




