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81話 商人ゼニダ

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 レナが1人で夜襲を仕掛けて来た冒険者達を始末したこと気付いていない素振りを見せる3人は、普段通りの朝を迎え王都へと出発し昨日とは違って馬車の姿は無く順調に街道を走り続けている。


「契約の期日まで3日・・ギリギリかな」


 そう呟いたリュートは、荷台の後ろ側に座り景色を眺めていると、レナと御者を変わったルカがリュートの隣りに座る。


「リュート様」


「どうした?」


「レナのことなんですが・・」


「昨日のことだろ?」


「はい」


「俺がとやかく言う気は無いよ・・だから、このまま・・な?」


「わかりました。彼女から言わない限り、私も何も言わないようにします」


「あぁ、よろしくな」


 そのまま王都への旅も順調に進み、1日野営した翌日の昼前に王都へ辿り着くことができたが、最初から不穏な空気に陥ってしまう。


「主様・・このままでは、今日中に門に辿り着けるかどうか・・」


「レナ、これは厳しいかもね・・」


 リュートとレナの向ける視線の先には、数えきれない人と馬車の長蛇の列が伸びていた。途中からは、馬車と徒歩で来た人の列が別れているも、そこに辿り着くより先に日没が来そうな深刻な状況だった・・。


 時間だけが無情にも過ぎていき、馬車だけの列に入り少し進んだところで日没前になり馬をかける伝令の男が、王都に入るための受付時間が終えたことを告げながら走り去って行く。


「リュート様、今日は終わったようですね」


「今日は間に合わなかったね・・明日には入れそうだし、諦めて野営の準備をしよう」


 リュート達が目の前に王都の煌びやかな夜の王都を眺めながら野営の準備をしていると、前の馬車から男が1人近付いて来たため、ルカとレナは作業を止めてリュートの隣りに立ち警戒する。


「こんばんは・・私は商人のゼニダです。今夜は隣りで野営するので挨拶にきました」


「すいません、本来なら私が挨拶に行く立場だったのですが・・申し遅れました、行商人のリュートといいます」


「いえいえ、私の商隊は人数が多いので暇な私は動きやすいんですよ。リュート殿は4人で王都にですか?」


「はい、都市アーガリンから貴族様の荷物を運んで来たのです」


「なんとぉ!アーガリンからですか?・・確か領主の娘が騎士団に入団すると聞いておりましたが、リュート殿が荷物輸送の依頼を?」


「はい、そうなりますね・・」


「ならば、領主ハイゼンから特別な依頼を受けていますな?」


 リュートは領主からの特別な依頼という言葉に身構えると、ゼニダは笑いながら口を開く。


「ワッハッハッハ・・心配無用ですぞ。ハイゼンとは、幼き頃からの親友でしてな・・まぁ幼馴染という関係で、その特別な依頼内容も知っております」


「そ、そうですか・・」


「なぁに、過去に私が特別なお客様からお預かりした貴重な荷物をハイゼンに管理させ、今はリュート殿が届けに行く途中に出会えるとは、何かの縁ですな〜」


 ゼニダは、古き過去の記憶を思い出し、懐かしそうな表情をしている。


「ゼニダさんは、どうしてアノ荷物を運ばなかったのですか?」


「そうですね〜一言で言えば、適性がなかったということですかな・・」


「でも、ハイゼン伯爵の屋敷へと運んだんですよね?」


「運びましたよ・・正確には、アレの適性を持つ方を同伴してですがね・・」


「それってまさか・・」


「冗談ですよ・・そんな長命のエルフじゃありませんから。封印された状態であり若かったので、なんとか運ぶことができたのですよ」


 リュートとゼニダの話が盛り上がっていたところで、ゼニダの使用人のメイド2人が姿を見せたためリュートの視線が一瞬彼女達に向けられたことに気付いたゼニダは振り向いた。


「おや、もうそんな時間ですか?」


「はい、ゼニダ様。宿営天幕へとお戻り願います」


 メイドの1人が一礼し告げる。


「わかりました。リュート殿、久しぶりに楽しい時間を過ごせました。本当にありがとう」


「いえ、こちらも貴重な情報を教えてもらえましたので・・」


 リュートとゼニダは握手を交わすと、スッとゼニダが耳元に顔を寄せて小さく呟く。


「その姿を見ると、アイテムボックス持ちですね?それに、青紫色と薄緑色の髪を持つ少女からリュート殿と同じ魔力を感じ取れます・・」


「へぇ?」


 サッと離れたゼニダは、笑顔で手を振りメイドの2人と帰って行ったのだった・・。


「リュートさん?」


「ミウ・・あの商人は、ただの商人じゃない気がする・・」


「・・ただのおじさんじゃ、ないんですか?」


「あぁ、俺とルカとレナの魔力が同じってのが、バレてたから・・」


「それなら、私もわかりますよ?」


「え?・・そうなの??」


 リュートはミウの告白に驚き顔を向け彼女の肩を掴む。


「はい・・なんて嘘ですよ。私は、リュートさんから魔力譲渡を受けてますから感じやすいだけだと思います。でも、初見でそれを看破するなんて普通の商人ではないですね・・」


「そうだよな・・ちょっとあの人には注意しないとだな」


「ですね・・」


「ルカとレナも、あのゼニダっていう商人は覚えていてくれな・・」


「「 はい 」」


 商人ゼニダが去った後に、途中で止めていた野営の作業を再開し簡単な夕食を食べたリュート達は、周囲に商人達がいるためルカとレナの2人が交代で夜警をして朝を迎えたのだった・・・・。



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