80話 まるちどぉーるレナの役目
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ルカとレナが絡んできた自称Aランク冒険者を始末してゴミのように扱いどこかへ運び終えた後に、あの男達と同じ方向から冒険者達がやって来た。
「あの、すいません・・」
「はい、なんでしょうか?」
物腰の低い男を先頭に男女が混じったグループがリュート達の場所に姿を見せ、今回はリュートが対応する。
「こちらの方に、金髪の態度の悪い男達が来ていませんか?」
「あぁ、さっき来ましたよ・・食事を誘われましたけど断ったらどこかへ行ってしまいましたけど・・」
「そうですか・・何もなくて良かったです。それでは、夜に失礼しました」
「どうも・・」
男達が去って少しすると、女の子の悲鳴が響き渡る。
「「 きゃぁぁぁ・・・・ 」」
暗闇の中で騒ついている集団の動きが見えないリュート達だったが、ルカとレナの2人は何かを片付け忘れていたことを思い出した。
「お姉様、痕跡の除去を忘れていました」
「そうね・・血溜まりを隠すのを忘れていたわ・・・」
そんなことをリュートの後ろで呟く2人は、静かに反省会をしていると両手と靴を赤く染めたあの男が戻って来た。
「おい!・・あそこに大量の血溜まりが見つかったんだけど!?」
「血溜まり?俺は見てないから知らないけど・・みんなは知ってる?」
リュートの問いに3人は首を横に振り否定する。
「知らないって・・」
「そんなはずは!・・・・君達は何者なんだ?」
「・・・・ただの行商人だけど」
「行商人・・・・」
男がリュートの職業を聞いて驚いていると、仲間の女が探知系スキルを持っているようで始末した男達の居場所を発見し、全員がその場所へと駆け出して行く・・。
「リュート様、どうされますか?」
「ん〜殺してないし、逃げる必要もないかな」
「わかりました・・」
リュート達は、中断していた夕食を食べ終え後片付けをしていると、またあの物腰の低い男が姿を見せる。
「また君か・・」
「ウーズラ達を・・あんな姿にしたのは君達だよね?」
「何を言っているのか意味がわからないんだけど?」
「そうか・・自分達の仕業じゃないと言うだね?」
「俺の仕業じゃないな・・」
「そうか・・このことは、ギルドに報告するから」
「どうぞ、ご自由に・・」
「ちっ・・」
男は舌打ちをして去り暗闇へと姿を消す。
「リュートさん、このままここで夜を明かすには危険と思います」
「でも、夜の街道を走るのは危険だよ・・」
「大丈夫です。私の魔眼スキルがあれば昼間のように道が見えますから」
「マジで?」
「はい。マジです」
ミウはニッコリと笑うと野外イスを手に取りリュートに手渡しアイテムボックスへと収納させて、外に置いていた野営グッズを全て片付け、あの冒険者パーティーが寝静まるのを待った。
「忘れ物はないね・・」
「「「 はい・・ 」」」
音を立てないよう出発の準備を終わらせたリュート達はゆっくりと馬車を走らせる。
ガガッ・・
馬車の車輪が小石踏み削れる音が闇夜に響かせ、街道へと戻ると一気に速度を上げて走り出す。
「ルカさん、そのまま真っ直ぐです」
「はい」
暗闇の街道を走る馬車をミウの魔眼スキルで誘導で逸脱することなく走り続けること2時間が経った頃に、リュートは気配探知スキルで追いかけて来る気配がないため場所を止めさせた。
「今夜は、ここで休もう・・」
周囲に1台も馬車がいない場所でリュートは野営することになり、荷台で寝袋を広げ4人並んで眠りについていると、レナが1人起き上がり荷台から幌の上へと飛び移り腕を組んで警戒をしていると、夜明けに何者かが近付いて来る気配を捉える。
「来たか・・・・愚か者よ」
街道沿いに6人の人族が近付いて来るのを捉えているレナは、自ら動く様子は無い・・ただ相手の動きを観察している。
「はぁ、はぁ・・エリル、こっちにいるのか?」
「ブレット、間違いなくいるわ・・このまま真っ直ぐ行けば、あの行商人の馬車が止まっているから」
「さすがエリルの探知スキルは優秀だな?ブレッド」
「あぁ、俺達の戦いにはエリルが欠かせない」
「もう、そんなに褒めないでよ・・」
エリルは恥ずかしそうな表情を見せるも、馬車の近くに辿り着いたことで表情を引き締める。
「私が付いていけるのはここまでよ・・この先からは戦闘職の出番なんだから」
「おう、あとは俺たちに任せておけ・・短時間で決着をつけて来るから」
「待ってるわ・・寝込みを襲うからって油断大敵なんだからね?」
ブレッド達5人は、余裕の笑みを浮かべなら茂みへと姿を消してリュート達の馬車へと静かに迫って行ったのだった。
・・・・・・・
エリルは1人、薄暗い茂みでブレッド達の帰りを待っている。
「ふぅ・・遅いわね、ブレッド達は・・・・何しているのかしら」
「・・・・その男達は、いくら待っても帰って来ないぞ?」
ザンッ
頭上から女の声が聞こえ、反射的に顔を上げるも姿は無く、砂を踏み付ける音を聞き顔を向けると青紫色の髪を肩まで伸ばした少女が薄緑色の瞳で、エリルを見つめている。
「だ、誰?」
「・・・・」
突然姿を現した少女に、エリルは尋ねるも少女は何も答えない。
「いったい、誰なのよ!?」
「・・・・コレは、貴方の仲間ですか?」
レナは持っていた何かをエリルへ放り投げると、ソレは地面に落ちて転がりエリルの足元で止まり彼女はソレと視線が重なった。
「ひぃ・・」
「仲間ですか?」
エリルは声にならずただ必死に頷く。
「そうですか・・お疲れ様でした・・・・」
その少女の言葉を最後に、エリルの視界は真っ暗になり力なく彼女の亡骸は地面に横たわる。
「・・主様を守るためです」
そう呟いたレナは、そのまま馬車へと戻り寝間着に着替えゆっくりと寝袋の中へと戻り、僅かな時間で身体を休めたのだった・・・・。
そろそろ王都に着きます。




