表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/233

77話 リュートの追放宣言

アクセスありがとうございます。

評価もよろしくです。


 服屋を出てルカに問い詰められていたリュートは、寄り添うレナと歩きルカと距離を取ったまま通りを歩いている。普段はルカがリュートの傍を歩きレナが少し離れて歩いているため、ルカとレナの立ち位置が逆転していた。


「主様・・あの店に行きませんか?」


「良いよ、行こう」


 リュートはレナの行きたい店を全て周り、その後ろを無言でルカは歩いている。


「ルカお姉様、そろそろ食事にしませんか?主様のお腹が鳴ってしまいました」


「・・・・そうですね。もうお昼の食事時間ですから」


 レナは楽しそうにリュートと手を繋ぎ街を歩き、ルカは1人後ろで無表情のまま歩いている。そんな2人の真逆な現場に、リュートはどうしたら良いか悩み歩き1つの答えを出した。


「レナ、ちょっと良いか?」


「主様?どうしたのですか?」


「ルカがな・・」


「ルカお姉様が何か?」


 リュートの後ろで無表情のまま立っているルカを見たレナは、溜息を小さくついて告げる。


「ルカお姉様・・お1人だけどうして浮かない顔をしているのですか?」


「私は、いつも通りよレナ・・」


「違います・・いつも通りではありません」


「レナ、あなたはいったい何が言いたいのですか?」


「お姉様は・・・・いえ、なんでもありません」


 言いかけた言葉を飲み込んだレナは、ルカから顔を背け黙りこむ。


「レナ、はっきり言いなさい。私がどうしたと言うのですか?」


「・・・・・・」


 レナはルカの言葉に反応する事なく他所を向いている。その態度に苛立ちを覚えたルカは、珍しく感情が爆発しレナに駆け寄り頬に強い平手打ちを叩きつけた。


 パァン!!


 ・・・・・・


 

 ルカの右手が叩きつけたのは、リュートの左頬だった・・。


 自身の右手が守るべきある存在の頬を強く叩いた現実にルカは、激しく動揺し言葉が出てこない。


「お姉様!主様になんてことを!!」


 リュートを叩いた姉のルカに激昂するレナをリュートは肩を掴み押さえつけながらルカの横にレナを立たせた。


「レナ、落ち着け・・」


「ルカ、そんなに俺が信用できないか?」


「主様・・」


「・・リュート様」



 ・・・・・・


 3人の中に重たく息苦しい沈黙が流れた後に、リュートは静かに2人に告げた。



「・・・・ルカ、レナ。今から2人は自由にして良い。もう俺は、1人で行動する」


「リュート様!(主様!!)」


 リュートは掴んでいたレナの肩を解放した後に、隠密スキルを発動し2人の前から姿を眩まして離れる。


(少しは、頭を冷やして冷静になれってんだ・・)


 そう思いながらリュートは歩き出し2人から離れ様子を伺っていると、それぞれがリュートの痕跡を探し通りを走り出す。


「いきなり別行動かよ・・2人で協力すれば簡単に俺の魔力を追えるのに・・」


 溜息混じり呟いたリュートは、街の広場の隅に座り2人が自分を見つけるのを待つことにしたのだった。


 そして時間は流れ、昼間から日没前となり人通りも減り冒険者パーティー達がギルドや酒場へと向かう姿ぐらいしか見かけなくなる。


「まさか、探すの諦めたのか?」


 逆に2人のことが心配になり始めるリュートは、隠密スキルを解除し広場の隅からベンチへと移動し座りオレンジ色に染まる空を見上げ待つことにした。


「・・・・・・」


「リュートさん?」


 リュートの予想に反して、声をかけて来たのは、実家に戻っているはずのミウだった。


「ミウ?」


「はい、ミウです」


「どうしてここに?」


「それは、私の言葉ですよリュートさん・・あの2人を放置して、ここで何をしているのですか?」


「ん〜かくれんぼ?」


「そんな冗談は入りませんよ。早く2人のところへ戻ってください」


 ミウは苦笑いしながらリュートの隣りに座る。


「理由は聞かないのか?」


「はい。もう、2人から聞きましたから」


「そっか・・俺より先にミウにあったんだな」


「偶然ですよ・・もう大変だったんですからね」


「そうか、2人が迷惑かけちまったな」


「・・3人です」


「ごめん」


 ミウはベンチから立ち上がりリュートに手を差し出す。


「リュートさん。宿に戻りますよ」


「・・そうだな。2人は宿か?」


「いえ、今は私の実家にいます」


「そうか。俺は宿で2人の帰りを待つことにするかな」


「はい。それが1番の近道です」


「わかったよ・・ここからは1人で戻るよ」


 リュートはミウの差し出された手を掴んで立ち上がり離して歩き出す。


「リュートさん、頃合いを見て2人を宿に向かわせますね」


「ありがとう、ミウ」


「どういたしまして・・」


 ミウは夕陽に照らされるリュートの背中を見届けて、姿が見えなくなってから実家へと向かったのだった・・。


「ただいま〜!」


「お帰りなさい、ミウちゃん」


「お母さん、夕飯は何?」


「ミウちゃんの大好きなシチューよ。明日には出発するのでしょ?」


「ありがとう、お母さん・・また少し離れ離れだね」


「良いのよ、可愛い子には旅をさせるものなのよ」


「ごめんね・・もう少し冒険者を続けていたいから」


 ミウは大好きな母親に抱き付き離れると、街中で出会った2人のところへと向かう。


 ガチャ・・


「ルカさん、レナさん・・少しは落ち着きましたか?」


「「 ・・・・はい 」」


 2人はリュートを見つけることができず途方に暮れているところに、偶然ミウが現れて助けを求め今に至る。


「そうですか・・リュートさんは、隠密スキルを解除して広場で待っていましたよ?」


「ミウちゃん、リュート様に会ったのですか?」


「会いましたよ、ルカさん。もちろん、買い物途中の帰りに偶然ですけどね」


「それで主様は、今どこに?」


「レナさん、落ち着いて・・今は宿屋に辿り着いている頃です」


「「 宿屋に?? 」」


「はい。2人の帰りを待っていますよ。なんでケンカしたの事情は聞きませんが、早く宿屋に戻って仲直りしてくださいね?明日の朝には、私も宿屋に行って合流しますから」


「「 はい・・ 」」


 ルカとレナは、ミウに見送られながら家を出てリュートが待つ宿屋へと全力で駆け出し戻ったのだった・・・・。


今日の投稿は、この話で最後です。


これからも、引き続きお付き合いお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ