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74話 2人との再会

アクセスありがとうございます。


「「 リュートさん 」」


 廊下を歩き食堂の場所となっている所に出ると、椅子に並んで座っていた少女2人がリュートの姿を見て名前を呼ぶ。


「久しぶりだね、アンジュさんマリンさん」


 リュートは対面の椅子に座ると、従業員の女性が飲み物をテーブルの上に置く。


「ハーブティーです。どうぞ、ごゆっくり」


「「 ありがとうございます 」」


 アンジュとマリンは少し頭を下げて礼を伝えると、授業員の女性は笑顔で立ち去って行くのを見送るリュートは、2人に問いかけた。


「どうしてここの場所がわかったの?」


「ミウに聞いたんです」


「そっか、ミウはちゃんと家に帰ったみたいだね」


「はい。マリンと2人で買い物をしていたら、商店の前でばったり出会いまして・・」


 2人は、ミウと偶然再会した事に驚き軽食屋で話しを聞いて、この宿にリュートが泊まっていることを聞き出して会いに来たようだ。


 ・・・・・・


「リュートさん、今日はありがとうございました」


「いやいや、この街には2泊する予定だからまたミウに会ってあげてくれな」


「「 はい!! 」」


 アンジュとマリンと長く話しをしたリュートは、窓越しに見える外の様子が夕方になっている事に気が付き2人を暗くなる前に帰す事にした。


 宿を出る2人を見送るため一緒に外へ出るリュートは、家路へと向かう2人に手を振って別れ姿が見えなくなってから部屋に戻る。


 ガチャ


「ただいま」


「お帰りなさい、リュート様」


「レナは、寝てみたいだね」


「はい、最近のこの子はリュート様に似てきたような気がします」


「ど、どういうことかな?」


「時間があれば、寝てしまう事です・・」


 リュートは苦笑いしながら、ソファで活動休止モードになっているレナの顔を同じ視線の高さで見つめていると、パチッっとレナの目が開き視線が重なる。


「おはよ、レナ」


「主様・・」


「レナッ!?」


 レナは持ち味の素早さを活かしリュートに抱き付き、ガッチリと手足を回しホールドしリュートから自由を奪う。


 しばらく耐えていたリュートだったが、いくら体重の軽いレナでも抱き締められ身動き取れない状態が続きレナが姿勢を変えるため僅かに動いたことで保たれていた重心が崩れ後ろへと倒れ込んでしまう。


 バフッ・・・・


 床に背中を強打することを覚悟していたリュートだったが、偶然にも床に敷かれていた布団のおかげて背中を床に打ち付ける事は回避された。


「リュート様・・」


 布団に倒れ込んだことで、レナはそのまま口付けをしようと顔を近付けていくと不意に首根っこを掴まれソファへと放り投げられた。


「はぇ・・?」


「レナ、調子にのらないの!」


 どうやら姉のルカにソファへと戻された事に気付き反論する。


「お姉様!・・たまには、私が先でも良いではないですか?」


「ダメです・・姉の特権は覆りません」


「くぅ・・・・」


 悔しがるレナに、リュートは彼女が何か良いことをしたらルカより先にシテあげようと心の中で決めたのだった。


 夕方にレナが寝起き暴走があったが、夜については平穏に過ぎていき朝を迎える。



「朝か・・」


 ふと目が覚めたリュートは、そう呟きながらゆっくりと上半身を起こし隣りで寝ている2人の寝顔を見た後にソファへと座る。


「そうだ・・」


 何かを思い出したかのようにリュートはアイテムボックスから聖剣を取り出して、ゆっくりと鞘から聖剣を抜刀する。


 抜刀された聖剣は、薄暗い部屋の中でも刀身を僅かに純白に光輝かせている。


「・・神々しい光だな・・」


 その見た目に驚いているリュートは、聖剣を右手に持ち軽く振り回しながら聖剣の美しさに惚れ込んでいて、思わず心の声を口にしてしまう。


「・・とても綺麗だよ」


『・・ま、まことか?』


 不意に脳内に少女の恥じらう声が聞こえた。


「だ、誰?」


 リュートは部屋を見渡すも、ルカとレナの姿以外誰もいない・・。


『そんなに、綺麗なのかな?』


「・・綺麗だよ。ここの反り具合やここの鋭さ・・そして、汚れのない純白の輝き・・・・最高だよ」


 独り言のように呟くリュートの言葉に、聖剣は突如共振しさらに光り輝き始め目を閉じても目蓋越しに純白の光に包み込まれたリュートは左腕で両眼を覆い眩しさから逃れた・・。


 トントントン・・・・


 トントン・・・・


 肩を叩かれる感触を感じたリュートは、両眼を覆っていた左腕を下ろしゆっくりと目を開けた・・。


「どう・・かな?綺麗かな?」


 目を開けたリュートの視線の先には、腰まで伸ばした白髪と黄金色に輝く瞳を持ち雪のように真っ白な肌の少女が笑顔でリュートを見ていた。


「とても綺麗だよ・・」


「・・ありがとう。初めて言われた」


「そうなの?・・君は、とても綺麗で可愛いよ」


「そんなに、褒めないで・・恥ずかしいから」


 少女は俯き白い頬に赤みを帯びたように見えたリュートは、右手で握っていた聖剣が消えている事に驚き心が激しく動揺する。


「大丈夫、焦らないで・・私は、ちゃんとココにいるから」


「えっ?どういうこと?」


「まだ仮契約の貴方には話せないけど、心配しないで・・」


「仮契約?・・えっと、君の名は?」


「私に名前は無いの・・ただ、みんなからは・・・・こう呼ばれてるわ」


「名前もないのに?」


「えぇ・・名前もないの・・・・・・ただ、聖剣と」


 少女から聞いた最後の言葉を聞いた瞬間に、全身に無痛の強い衝撃を感じたリュートは一瞬で意識を手放してソファへと力なく座る。


 その姿を見届けた少女は、ゆっくりと歩きリュートの頬に触れた後に笑顔になり小さく呟いた。


「私の行く末は、あの勇者ではなく貴方なのかもね・・・・」


 再びリュートの部屋が純白の光に包まれ、光が消え去った後には金髪少女の姿は無くリュートの膝の上に聖剣が鞘に収まり置かれているのだった・・・・。


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