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60話 出発と不穏な気配

アクセスありがとうございます。

そして、複数の誤字報告ありがとうございます。

これからも、引き続きよろしくお願いします。


「長い間、世話になったね・・」


「またこの街に来たら、泊まってくれ。自慢の美味い飯を娘が作って待っているからな」


「・・それ、アンタのセリフじゃねーだろ?」


「・・・・」


「おっさんが照れるなよ・・」


「んふっ」


「うざっ!」


 昨日のうちに旅の準備を万全にしたリュート達は、宿に戻ると部屋でゆっくり過ごし早めに寝て日の出の時間に旅立つ前に宿主と別れの挨拶をしていると、出入り口のドアが開く。


 ガラッ


「リュート様、馬車の準備が終わりました」


「ありがとう、ルカ。今いくよ」


 ルカは先に1人で馬車を引き取り宿に戻って来たところで、リュートに出発の準備が整ったことを告げるとリュートの横に立つ。


「それじゃ、元気で」


「あぁ、またな」


 リュートと宿主は、握手を交わし手を離した後にルカ達3人は宿主に対し一礼してから外へ出ると最後にリュートが出て行く。


 ルカは馬を固定していたロープを外し御者台に素早く乗ると、レナがルカの隣りに座り自然と視線が重なり互いに笑顔になり、再び荷台へと視線を向けたルカはミウとリュートが乗り込んだことを確認してから馬車をゆっくりと走らせる。


 早朝のため街の通りには片手で数えられる程の住民しかおらず、静かで寂しい旅立ちの始まりだった。


 そのままゆっくりと移動する馬車が東門へと辿り着く前に日の出の時間となり、少し先に見える門の横にある詰所から門兵が数人姿を見せ、開門の準備をしていた。


「リュート様の予定通りですね」


 前日の夜にリュートから指示を受けていたルカは、予想通りに門に着くまでに開門する状況を見て御者台から振り向きリュートを見る。


「うまくいったね、ルカ・・少し待つかと思ってたけど」


「さすが、リュート様です!・・が、出発早々ミウとイチャつくの早くありませんか?」


 尊敬の眼差しから、ジト目でリュートを見るルカは一気に不機嫌になっていく。


「ごめん、ルカ」


「別にいいですけど・・」


 頬を膨らませるルカは、前を向いてリュートとの会話を終わらせると、ルカの隣りに座っていたレナが荷台へ移動しリュートの対面に座る。


「主様・・さすがにルカお姉様がご立腹ですよ?」


「レナ・・ルカは本気だった?」


 レナは真剣な表情から少し笑みを浮かべ口を開く。


「お姉様が本気で怒ったならば、馬車を止めて問い詰めているはずです。あの反応は、嫉妬からくるものです」


「リュートさん、どうすれば・・」


 不安がるミウに、リュートは頭を撫でながら笑顔で伝える。


「ミウが気にすることはないさ・・レナ、ルカに今夜の譲渡はルカ主導で良いと伝えてくれる?」


「はっ! 仰せのままに・・・・」


 笑っていたレナの表情は、一瞬で真剣な表情へと変わり片膝をつき頭を垂れた後に音もなく御者台へと移動しルカの隣りに座り、耳元でリュートの言葉をそのまま伝えるとルカは一瞬だけ振り向き前を見る。


「おっ?・・機嫌が直ったみたいだな」


「わかるんですか?リュートさん」


「だいたいね・・魔力譲渡の回数を重ねて行く度に、ルカの感情の変化に魔力が変化しているのが感じ取れやすくなってきてるんだよ」


「そうなんですね〜あの・・・・わたしとは、どうでしょうか?」


「ミウのこと?・・・・そうだね、あれの1回だけだから魔眼を発動したぐらいの変化しかわからないよ」


「そうですか・・それと、リュートさんは中央都市に行ったことありますか?」


「一度もないよ。ミウはあるの?」


「はい、冒険者になった頃の依頼で、アンジュ達と一度だけあります」


「そうなんだ・・そしたら、故郷が中央都市へ行く途中にある?」


「はい。タジリンっていう小さな街です」


「タジリンなら、立ち寄る街に決めていたから里帰りができるね」


「いいんですか?」


「もちろんいいんだよ、ミウ。長期間は、さすがに依頼期日があるから無理だけど数日くらいなら滞在できると思うよ?」


「ありがとうございます!リュートさん!!」


 久しぶりの里帰りに感極まったミウは、リュートに抱きついて胸に顔を埋めていた。


 ミウの里帰りが決まったことで、他の街の滞在を最低限度にすることを心の中で決めたリュートは、喜ぶミウの顔を見ながら幼馴染パーティー2人のことを思い出していた。


 どこまでも続く平野の街道を走るリュート達の馬車は、天候にも恵まれて順調に移動し3日目の昼には1つ目の山間部の見通しの悪い道を移動していると、リュートが発動していた気配探知スキルに反応があった。


「ミウ、起きて・・この先に潜んでいる奴らがいるから警戒頼むな」


「・・んぅ〜山賊ですか?・・私も探ってみます」


 リュートに起こされたミウは、意識を素早く覚醒させ魔眼を発動し彼女の両目に紋章が浮かび上がり、僅かな時間リュートと視線を重ねた後に馬車が進む先を見つめる。


「・・・・見つけました!10人で・・あれ?少し離れた場所に2人います」


「2人?」


 ミウも言葉に気配探知スキルの精度を上げて確認するリュートも、ミウの言う通り集団から少し離れた場所に2人がいる反応があった。


「ホントだ・・あの2人は集団に追われているのか?」


「この位置関係では、難しいですね・・もしかしたら集団の斥候かもしれませんし」


「そうだね・・位置的にも街道に近い場所で動かないから、否定できないな」


 リュートは御者台にいるルカとレナに不審な集団が、この先に潜伏していることを伝え反撃できる態勢を整えることを伝えていると、スキルに反応していた10人に動きがあったのだった・・・・。


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