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54話 討伐祭4日目・・街へ

アクセスありがとうございます。


 レナが持つ片手剣は、無防備なガイアスの首に刃を食い込ませ、赤い血が僅かに滲む。


「殺さないで・・」


 ミーシャがレナを見上げ懇願する。


「貴方は、主様を裏切った・・」


 ドンッ


 レナはミーシャを蹴飛ばし、受け身を取れず転がって行く彼女から再びガイアスへと顔を向ける。


「貴方の死への待ち時間が長引いたことを、深くお詫びします・・」


「くっ・・ちくしょう・・」


 ブシュッ!


 レナは躊躇うことなく片手剣を素早く引いて、ガイアスの首を斬り落とすと同時に血飛沫を浴びないよう転がっていったミーシャがいる方へ蹴飛ばす。


「ガイアスー!」


 ミーシャの悲痛な叫び声がこの場に響き渡るも、ガイアスはすでに絶命し首の切断面から大量の血を垂れ流し地面を赤く染めている。


 レナは左手で掴んでいたガイアスの頭部を投げ捨てることなく、頭を失ったガイアスの亡骸の横に置いてリュートの元へと戻り片膝を付く。


「主様・・身勝手な私の行動に罰を・・」


「レナ・・俺の代わりにありがとう。君に罰を与えることは無いよ」


「・・主様、寛大な処置に感服いたします。では、大変恐縮ではありますが・・」


 レナは地面に横たわっているリュートを抱き抱えると、目の前にルカが立っていたため足を止めて見つめる。


「初めまして、ルカお姉様。私は、レナと言います。この名前は、主様から命名されました」


「長女のルカです。貴方は、私を責めないのですか?」


「ルカお姉様を責める?・・次女であるレナがですか?」


「はい。リュート様を守りきれなかったことに」


「・・・・主様は、ルカお姉様をお守りするため行動した結果です。治癒士であるお姉様にドラゴンを倒せと言うのも無理な話しです。ですから、遅れながらも私がルカお姉様と主様を守るため生まれました」


「ありがとう、レナ。貴方は、何から生まれたの?」


「私は・・主様の魔力と、この拾ってくれた片手剣です」


 レナは右手に持つ片手剣を誇り高く掲げ見上げた後にスッと下ろし鞘に収めルカを見る。


「ルカお姉様は?」


「私は、リュート様の魔力とポーションからよ」


「なるほど、だからこの世で最高の治癒士なのですね」


「・・でも、リュートの身体を完治させれてないわ」


 レナに抱き抱えられているリュートに視線を向け黒髪を撫でている。


「街に戻り、休養すれば問題ありません。主様とルカお姉さまの魔力が全回復し繋がりが元に戻ればいいのですから」


 ルカは涙ながらに笑顔で頷いて、馬車の荷台にリュートを乗せる姿を見送った後に泣き崩れているミーシャの元へと歩み寄る。


「ミーシャさん、血の匂いで魔物達が集まって来ます。そろそろこの場から離れた方が無難だと思います」


「・・・・」


 何も答えることもなく、立ち上がりガイアスと乗って来た馬車へと力なく歩き出すと入れ違いで女冒険者達がルカの前へと立つ。


「ガイアス殿の遺体は、こちらで回収し学園へと運びます」


「はい、その件は全てお任せしますが、あの子は・・レナは罪人となるのでしょうか?」


「あぁ・・討伐祭の期間中でなおかつ指定された地域であれば、罪に問われることはありません。相手を陥れて奴隷へと追い込んだことが発覚した場合は、処刑されるようですが・・」


「わかりました。ありがとうございます」


 ルカが一礼した後に、女冒険者達は手に持っていた布でガイアスの傷口を覆い隠し馬車へと運んで立ち去った。


 ルカとミウそしてレナは静かに見送った後に荷台へと乗りリュートを囲んで座る。


「ルカ、彼女らはもう行った?」


「はい、彼の亡骸を乗せて街へと帰られました」


「そうか・・俺達も街に帰ろう」


「「「 はい 」」」


 ルカが御者を務め、その横にレナが座りミウはリュートの横にいて流れいく景色を眺めている。


「空って、こんなに高かったんだな・・」


 リュートがそう呟いていると、隣りにいたミウはリュートを抱き抱えて膝の上に座らせる。


「こうすれば、いつもと同じですよリュートさん」


「ミウ・・」


 顔を見上げミウの顔を見たリュートに、ミウは笑顔を見せるとリュートも笑顔になり2人で雲が一つもない青空を見て馬車に揺られながら街へと帰ったのだった・・・・。


 

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― 新着の感想 ―
[一言] こうなった本当の原因は自分たちの実力を考慮せず引き返すという なんとも愚かな判断したリュートですよね。 結果、ミウとルカそしてミーシャの心にも深い傷つけてしまっているのでは世話ありませんよ。…
2020/11/16 14:38 勇者まさよし
[良い点] ガイアスをちゃんと殺したこと。 作者のこれまでの作風的に舐めプして逃げられると思っていた。
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