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53話 討伐祭4日目・・2人目のまるちどぉーる

アクセスありがとうございます。


「ダメ!」


 ガイアスの動きに一瞬遅れ気付くミウだったが、もうリュートを守ることはできない絶望的なところまで、眼前にいる少年が持つナイフの切っ先が軌道を描いていく。


 ミウの反対側からガイアスを見ていたミーシャは、突然の行動に目を見開き声は出ず口を開けるだけだ・・。


 誰にも止められないガイアスの凶行に、ミウの脳内は覚醒されガイアスの動きがゆっくりとなり救いの手を伸ばし続けるも彼女自身の行動もゆっくりとなり時間が刻む速度がスローになっている。


 このまませっかく命だけでも救えたリュートの命の灯火が目の前で消えていく運命に、ミウは早く動けと自身の身体に右手に強い念を込めるも現実は無慈悲にも叶わず、ナイフの切っ先がリュートの喉元に届き皮膚を沈めて食い込み始める・・・・。


 

 ザシュ!・・ザンッ!!


「うげぇ〜!」


 急にガイアスが変な声を上げながら転がりリュートから離れて行くと、リュートを守るかのように白銀の刀身を煌めかせる片手剣が地面に突き刺さっていた。


 右手を左手で覆いながら泣きじゃくるガイアスは、赤い血で腕を染めていきながら蹲る姿をミウが見ていると、リュートが愛する人が戻って来たかのような穏やかな表情で地面に突き刺さっていた片手剣を簡単に抜いて切っ先をガイアスへと向ける。


「き、傷をみせなさい!ガイアス」


 ミーシャは蹲るガイアス元へと走り屈むと、ポーションを傷口に振りかけて止血させる。その光景を見たリュートは、今が好機と判断し片手剣を地面に置いて素早くアイテムボックスからMP回復ポーションを4本取り出すも指の力が抜けて瓶を地面へと落とし割ってしまう。


「しまった・・」


 パリパリンッ!!


 MP回復ポーション瓶が割れてしまい、青紫色の液体が傍に置いてあった片手剣を濡らすも刀身が吸収し、すぐに乾いたことにリュートとミウは気付いていない。


「やるしかないか・・」


 MP回復を諦めたリュートは片手剣を掴み魔力を片手剣へと流し、襲いかかるであろうガイアスを警戒していると、脳内に少女の声が聞こえた。


『・・(あるじ)様。ここは、わたしにお任せください・必ずや、ご期待に応えましょうぞ」


「だ、誰?」


「リュートさん?」


 周囲を見渡すリュートにミウは思わずリュートの頬を挟んで、強制的に顔を見合わせる。


「ミ、ミウ・・・・なんでも無い」


「もう大丈夫です。ここからは、私がリュートさんを守りますから」


「いえ、貴方の力では、あの男に勝てる要素は皆無でしょう。ここからは、この騎士である私があるじ様をお守りいたします」


 見つめ合っていた2人は、聞き慣れない少女の声がする方にゆっくりと顔を向けると、そこには青紫色の髪を肩まで伸ばし薄紅色のワンピース姿の少女が背中を見せて立っていた。


「・・き、君は?」


 リュートの問い掛けにその少女はゆっくりと振り返り素顔を見せると、吊り目で薄緑色の瞳が優しくリュートを見ていた。


「私は、(あるじ)様の剣となり盾となる、名も無き者です」


「・・・・レナ」


 薄緑色の瞳に見つめられていたリュートは、自然と名も無き者と告げる少女の名前を口にしていた。


「レナ・・・・それが私の名前なのですね?あるじ様」


 リュートは無言で頷く。


「・・気に入りました。たった今から、私はレナと名乗りましょう。(あるじ)様の命名に感謝の極みなのです」


 リュートがレナと名付けた少女は、そのままリュートへと歩みより両膝を地面について顔を近づける。


(あるじ)様、改めて忠誠の誓いを・・」


 レナはリュートと口付けを交わすと、魔力譲渡が完了し互いの記憶を共有しステータスが閲覧可能状態となるもののステータスを見ることに興味がないレナは、スッと立ち上がるとガイアスとミーシャの元へと歩き出す。


「さぁ、愚民よ・・最愛なるあるじ様を亡き者にしようとした行動を後悔するがいい・・さっきの指落としは警告だ。次は、痛くないようその首を瞬きを終わらせる前に斬り落としてあげましょう・・」


 レナはそう呟きながら歩き足を止めると、右腕を斜めしたにおろし片手剣を出現させる。


「待って!・・貴方は、いったい何者なのよ!?突然姿を見せて・・」


 レナの言葉にミーシャが反応する。


(あるじ)様の忠誠なる騎士である。私は、(あるじ)様の剣となり盾となる存在なのだから・・」


 そう呟いたレナは、片手剣をガイアスの首元へとあてがったのだった・・・・。


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