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51話 討伐祭3日目・・裏切り者との再会

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 茂みを抜けて馬車の元へと辿り着いたルカ達は、自分達の他にもう1台馬車が少し離れ止まっていることに気付くものの、リュートを荷台へ横にさせることを最優先事項として荷台に乗り込む。


「ミウさん、リュート様を少しの時間でいいので抱き抱えていてくれませんか?」


「はい、任せてください・・」


 ルカは、ミウに対してリュートをお姫様抱っこで抱き抱えれるよう渡す。


 ミウは、小さく軽くなってしまったリュートを抱いたことで温もりを感じて再び涙を流しながらリュートの名前を呼ぶ。


「リュートさん・・」


 リュートを預けたルカは、彼のアイテムボックスへと右手を入れて収納している毛布と寝袋を取り出し床に敷いた。


「ミウさん、リュート様をここに・・ミウさん?」


「・・あっはい。すいません、ルカさん」


 声をかけても気付かないミウの表情を見たルカは、彼女にリュート様に任せても問題ないと感じ、ほんの少しだけ笑顔を取り戻すも、リュートのことで頭がいっぱいだった2人は、近寄っていた気配に気付くのが遅れてしまった。


「おい!・・なんで、お前らがここにいるんだ?」


 突然声をかけられたルカとミウが振り向いた先には、あの少年少女が並び立ち荷台を覗き込んでいる姿があった。


「あ、あなた方は!」


 そこには、洞窟で別れた学園生のガイアスとミーシャの2人だ。


「もう街へと帰っていると思っていたわ」


「その、お金を稼ぐために魔物討伐をしていたんです」


 とっさの判断でミウが言い訳を思いつき言葉にした。


「冒険者活動家・・・・討伐祭の期間は、関係ない冒険者は立ち入り禁止なんだけどな〜」


 そう呟いたガイアスは、隣りにいるミーシャに顔を向ける。


「な、何よガイアス・・私は、急いでたから伝え忘れていただけなの・・」


「なら、仕方ないな・・部外者が知るわけないし」


 そうミーシャに言ったガイアスは、顔を再びルカ達に向ける。


「聞いただろ?もう、これ以上の討伐活動は、違反行為だ。さっさと街へ帰れ」


「・・魔物討伐は、もうしません。けど、今夜はここで野営して明日の朝になってから街に帰ります」


 ミウがそう伝えると、ガイアスは舌打ちをしてから荷台から少し離れ周りを見渡す。


「・・そういえば、アイツは何処にいるんだ?」


「そういえば、リュートの姿が見えないわね」


 ガイアスとミーシャは、いまだに姿を見せないリュートの姿を探し馬車の周囲を歩き、近くいないことがわかると再び荷台の後ろへと戻って来た。


「お前らは、馬車で警戒してアイツ1人で魔物討伐か?」


 そのガイアスの言葉をミーシャが否定する。


「でも、それは変よガイアス。馬の周りには魔物避けグッズが複数置いてあったわ」


「たしかに、そうだな・・それなら馬を守る必要なんかないな」


「「 ・・・・・・ 」」


 ガイアスとミーシャの会話にルカとミウは黙ったままでいると、ガイアス達と同行している女冒険者の1人が近づいて来た。


「ガイアス、今日はここで野営するの?」


「アミン、今夜はここで野営するぞ・・準備頼むわ」


「わかった・・準備する」


 女冒険者アミンは、ガイアスの指示を聞いて馬車へと戻り仲間達と野営の準備を始める。


 空はもう暗くなり始めたことで、リュートが幌に吊り下げていたランタンが自動的に作動し灯がついて荷台の中が明るくなっていく。


「ん?・・いるじゃねーか!」


 荷台にランタンの灯が行き届いて、ルカ達の足元で寝袋が膨らんでいることに気が付いたガイアスは、その存在がリュートだと決めつける。


「リュートは、もう寝てるの?」


 その2人の言葉にルカとミウは睨みつける。


「・・突然、なんでキレてるんだよ・・おい!起きろよ!お前の仲間がケンカ売ってるぞ!」


 ガイアスは許可無く他人であるルカとミウがいる荷台へと上がり、寝ているリュートを叩き起こそうと手を伸ばし、寝袋を強引にめくった。


「うわぁぁぁ!!」


 変わり果てたリュートの姿を見て悲鳴のような声を上げて無我夢中に荷台から飛び降り、尻餅を着いた。


「ど、どうしたのよ?」


「ば、化物だ!・・今すぐ棄てろ!!」


「リュート様は、化物ではありません!」


「そうです!リュートさんは、リュートさんです!!」


 ガイアスの言葉にルカとミウは激昂し、荷台を飛び降りガイアスを囲む。


「ちょっ・・落ち着きなさいよ、3人とも!」


 ミーシャは、捲られた寝袋から見えるリュートの横顔を見て、ただ寝ていると思い込んだまま荷台へと上がりリュートの顔を上から覗き込む。


「リュート、いつまで寝たふりをしているのよ、おきなさ・・・・」


 ミーシャの視線の先は、眠るリュートの顔から体へと移動し左腕がないことに気が付いて、そのまま無意識に下半身へと視線を動かすと、両足を失っている姿を目にした。


 その変わり果てた姿を見たミーシャは、切り捨てた相手とはいえ目の前の痛々しい光景に胸が痛くなる。


「ねぇ、いったいリュートに何があったのよ・・」


 そう呟いたミーシャの声は、言い争う3人に届くはずもなく無視される。



「ねぇってば!・・リュートが、どうしてこうなったのよ!?・・教えなさい!」


 ミーシャの憤慨する様子に3人は言葉を止めて、ミーシャを見上げルカが口を開く。


「・・リュート様を裏切った貴方にお教えする義務はありません・・このままお引き取りください」


 冷淡なルカの口調に一瞬怯んだミーシャは、その感情が悔しく思いそのままルカに食らいついた。


「いいから教えなさい!・・それまで私は、ここを動かないわよ!」


 ルカとミーシャの睨み合いは続き、落ち着きを取り戻したガイアスは自分の馬車へと戻るもののミーシャは粘り、リュートの治療を再開したいルカは、仕方なく教えることにした。


「・・簡潔に教えます」


「それでもいいわよ」


「この先で、3人の学園生が率いる合同冒険者パーティーがいました。そのパーティーがアースドラゴンを討伐した後に漆黒のドラゴンが姿を見せたのです」


「ド、ドラゴン!?」


「はい・・そのドラゴンと対峙した合同パーティーは逃げましたが、ドラゴンブレスにより学園生3人と冒険者が数人ほど犠牲となりました。そして次の獲物を私達に決めた後、1人で戦うリュート様の反撃もおよばず・・・・」


「そう、そんなことが・・」


「はい・・貴方は、もうリュート様とは関係のない方です。このような身体になったリュート様の原因をお話ししたので、お帰りください」


「・・・・」


 ミーシャは、ルカの言葉に返事をすることなくリュートの顔を見つめ、2度キスされた頬に触れながらそのままガイアス達がいる馬車へと戻って行ったのだった・・・・。


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