46話 討伐祭2日目・・突然の裏切り
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リュートとガイアスの第2ラウンドが始まる直前に・・・・。
「リュート様!」
ルカの声がリュートの名前を叫びながら、隣りに並び立ち二対一の構図となりガイアスは攻撃の動作を止める。
「続けるか?」
リュートの問い掛けにガイアスは、両手剣を構えたまま視線をリュートの後ろへと向けて連れていた女冒険者達が全員地面に倒れているのを見て決断する。
「・・・・いや、やめておこう」
ガイアスは構えていた両手剣の切っ先をリュートから地面へと下げて継続の意思を取り下げる。
「・・わかった」
リュートも片手剣を下げて広めに間合いを取る。
「殺したのか?」
ガイアスの問いにルカが答えた。
「意識を奪っただけです」
「・・・・」
ルカの答えにガイアスは無言のまま倒れている女冒険者達のところへと歩き出す。
「ガイアス・・」
目の前を視線を合わせることなく歩くガイアスにミーシャは彼の名を呼んだ。
「・・この洞窟に戦果を得る魔物は、もういない」
「・・・・」
目を合わせることもなく告げたガイアスは足を止めることなく歩き続け、その背中をミーシャはただ見送る。
散り散りに倒れている女冒険者達を並ばせて、1人で介抱するガイアスを見ているミーシャは、彼の元へと行こうとするもルカに呼び止められ足を止めた。
「ミーシャさん?」
「なに?」
「彼の元へ行くのであれば、リュート様とのパーティーを解消になることを進言します」
「どうして、そうなるの?」
「彼の方は、敵・・いえ、貴方のライバルです。その方に寄り添うということは、仲間になると同じ行為です」
「でも、ガイアスが目の前で困っているのよ?」
「はい、承知の上です」
ルカの言葉にミーシャは迷い、助けを求めるかのようにリュートを見つめる。
「ここは、パーティーメンバーのミーシャに任せるよ」
ミーシャは、リュートにも突き放されたような感情となり俯き考え顔を上げて、一言だけの答えを出した。
「わかった・・」
そう言葉にしたミーシャは、リュート達に背を向けてガイアスの元へと駆け出す。
「リュート様、あれが彼女の答えのようですね」
「だな・・俺達も行こう」
「はい、リュート様」
リュートとルカは、ガイアスの元へと向かって行ったミーシャの背中を見送り踵を返して森へと歩き出す。
「リュートさん、いいんですか?」
「いいんだよ、ミウ。あれが、ミーシャが出した答えだ。所詮、貴族の考えは平民の俺達を平気で裏切るんだよ・・」
「そうですね。貴族様とは、やはり相容れないですね・・でも、ポーション代はいいんですか?」
「全然問題無いよ・・結局のところ、俺が持っているから。また街で売ればいいんだ」
「そうでしたね」
リュート達3人は、振り向くことなく森へと入り洞窟の出口へと向かう。
幼馴染で、自らが認めていない許婚であるガイアスを手伝うミーシャは、ふと我に返りリュート達を探すも既にその姿が無いことに気づいた。
「・・リュート??」
背後で呟いたミーシャに、ガイアスが反応する。
「ミーシャ、切り捨てた商人の名前なんぞ口にするな」
「切り捨てた?・・どういうこと?」
「お前、本気で言っているのか?」
「ガイアス、質問を質問で返さないで」
ミーシャを見るガイアスは、彼女の理解し難い言動に違和感を感じていた。
「ミーシャが、自らあの3人とのパーティーを解消した。だから、3人はここから姿を消したんだよ」
「どうして、パーティーを解消したことになるのよ?」
「・・・・お前、あの緑色の髪の女の話しを理解してなかったのか?」
「ルカの話しは聞いたわよ・・」
「もういい・・これからは、俺とミーシャで合同パーティーだからな」
「・・嫌よ!・・私は、自分のパーティーで上を目指すの!」
「だから、ミーシャのパーティーは解散したんだよ!お前の判断でな!」
「・・・・・・」
ガイアスの言葉をやっと理解したのか、ミーシャの瞳は潤んで涙が彼女の頬を伝わり地面へとこぼれ落ちていく。
「泣いたって手遅れさ。アイツらは、もうここにいない。ミーシャにパーティー解散を宣言されて去って行ったんだから。これからは、俺と共に行動するしかないんだよ」
「でも・・だって・・」
「俺のパーティーに編入すれば、点数が共有されるからどのみち将来は保証されるから安心しろ」
ガイアスの言葉に頷くことは無いミーシャであったが、姿が見えないリュートを追いかけることもなかった・・・・。




