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44話 討伐祭2日目・・ミーシャパーティーの初陣

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 ミーシャを先頭に歩くリュート達は、洞窟内に広がる地上と同じような広がる景色を眺めながら草原を歩き森へと踏み入れて行く。


「ミーシャさん、右奥に魔物がいる気配がします」


 突然声を上げたミウの声に反応したミーシャは、立ち止まり警戒していると草木を踏んで近付いてくる音が聞こえ草木が不自然に揺れた後に茂みから魔物が巨体な姿を見せた。


「フォレストベア!・・Bランクよ!」


 ミーシャ達を嗅ぎつけ、姿を見せたフィレストベアは大きく口を開きヨダレを垂らしながら唸っている。


「ミウ、風魔法で牽制して!」


「はいです!」


 ミーシャとリュートに挟まれた位置にいたミウは、射線が重なっていたミーシャの右へと移動しながら風魔法ウインド・ショットを詠唱し素早く放つ。


「風魔法ウインド・ショット!」


 ミウの持つ魔法杖から放たれたウインド・ショットは、フォレストベアの腹部に向かい直線的に軌跡を描き襲いかかる。


 ガァー!!


 フォレストベアは襲ってくるウインド・ショットを吠えながら右前足で払い飛ばすも、無傷とは言えず切り傷から赤い血飛沫を飛ばし致命傷を回避した。


「そんな・・ウインド・ショットが弾かれるなんて・・」


 今まで一撃で倒せていた風魔法ウインド・ショットをわずかに傷を負わせるだけで、弾き飛ばされたことにミウは戸惑いを隠せないでいる。


「Bランクで、あんなに強いなんて・・」


 ミウが放ったウインドショットの後に追撃を狙い駆け出していたミーシャは、急停止して元の場所へと戻る。その光景を離れて見ていたルカはリュートにソッと近づく。


「リュート様・・」


「あぁ、強いね・・でも、ミーシャがリーダーだからこのまま様子見で」


「はい、リュート様」


 脅威を前足で弾き飛ばしたフォレストベアは、目の前の獲物か攻撃がないため自ら足を動かし近くにいるミーシャへと迫る。


 狙いを定められたことに気付いたミーシャは、ゆっくりと後退りながらも冷静にミウに指示を出す。


「・・ミウ、火魔法に適性は?」


「ありますけど、森が・・」


「大丈夫よ、ここは洞窟だから」


「そうでしたね、準備します!」


「リュート!・・私と連携し・・て?」


 ミーシャが言い終える前に、隣で足音が聞こえ顔を向けるとリュートの横顔が目に入った。


「わかったよ、どうすればいい?」


「・・ミウが火魔法を放ってから、2人でフォレストベアを切り倒すわ。あなたは、胸を深く突き刺して。私はアイツの首を斬り落とすから」


「わかった」


 リュートは片手剣を抜刀し構えた時に、ミウが火魔法フャイヤーショットを放つ。


「いきます。火魔法ファイヤー・ショット!」


 ボボッ!


 オレンジ色と赤色の混ざった炎の塊が2つ、高めの弧を描きながらフォレストベアへと飛んでいく。それを見送っていたミーシャとは違って、リュートは1人時間差で駆け出す。


「ちょっ・・リュート!?」


 不意に飛び出したリュートに慌てたミーシャも駆け出し彼の背中を追いかける。


 空中と地上から狙って来ている脅威にフォレストベアは攻撃対象を決めれず反応が遅れてしまった。


 地上から僅かに遅れて迫り来る弱者よりも、僅かに早く空中から熱を帯びて迫る脅威に対処する動きを見せたフォレストベアの反応を見極めたリュートはさらに加速して、ファイヤーショットの着弾するタイミングの一呼吸あけた時間差で片手剣を全力で突き出し心臓を狙った。


 グガァー!!


 フォレストベアは、反応が遅れ中途半端に動いてしまったことにより両前足にファイヤーショットを受けて燃やしながらリュートが突き出した片手剣を左胸で受け止め絶命する運命だった・・。



 はずだった・・・・。


「あれ?」


 リュートの口から気が抜けた声が漏れ、フォレストベアの背中から片手剣の切っ先が突き出しているはずなのに、サクッと軽い感触だけが右手に伝わっている。


「リュート!」


 背後から聞こえるミーシャの声で反射的に屈みながらスルッと片手剣を抜くリュートの頭上を、遅れて来たミーシャの片手剣がフォレストベアの首をスパンッ!と斬り、身体から首がゴロリと地面へと落ちて傷口から大量の血飛沫をあげながら巨体が力無く倒れた。


 屈んでいたリュートは、フォレストベアの倒れた音をを聞いて顔を上げ持っていた片手剣の刀身を見ると、フォレストベアの体毛が付着しているだけで、一滴も血は付いていなかった。


「ん?・・たしかに突き刺したよな、俺は・・」


「お疲れさま、リュート。怪我はない?」


 屈んでいるリュートの左肩に触れたミーシャは、無事を確認する。


「あぁ・・平気だよ」


「どうしたの?」


 初戦からBランクのフォレストベアを倒した直後なのに、浮かない顔をしているリュートにミーシャは不思議に思い聞いた。


「いや、なんでもない。それよりも、討伐部位はどこ?」


「心臓近くにある魔石よ」


「へぇ、そうなんだ」


 リュートは解体用ナイフをアイテムボックスから取り出し、絶命したフォレストベアの亡骸へと歩み寄るとルカの近くにいたミウが小走りにやって来る。


「リュートさん、魔石の回収は私に任せてください」


「いいの?なら、よろしくミウ」


「はいです」


 リュートから解体用ナイフを受け取ったミウは、慣れた手付きでフォレストベアの胸部を切り開き手早く魔石を取り出して、水筒の水で血糊を落としリュートに手渡す。


「お待たせしました、リュートさん」


「ありがとう、ミウ。魔石回収をやったことあるの?」


「はい、アンジュ達とパーティーを組んでいた時は、解体役がわたしでしたから」


「そっか・・ミウが居てくれて助かったよ」


「えへへ・・」


 照れるミウから魔石を受け取ったリュートは、少し考えた後にパーティーリーダーであるミーシャに渡すことにしたようだ。


「・・・・魔石は、パーティーリーダーのミーシャが持っていて」


「・・そうするわ」


 リュートから魔石を受け取ったミーシャは、討伐祭出発の日に両親からもらったマジックポーチに魔石を収納する。


「ミーシャ、これからどうする?」


「そうね・・ひと休みしたいところだけど、時間が無いからこのまま魔物を探すわよ」


 気配探知スキルを持たないミーシャは、見通しの悪い森を見渡しから歩き出し、その背中を追うようにリュート達が歩き出したのだった・・。

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