33話 騎士の優しさ・・
アクセスありがとうございます
「おぼ・・溺れる・・息ができな・・・・ぷはぁ!」
暗闇なのに優しく温かみのある世界に包まれているリュートは、鼻と口が柔らかく巨大な何かに塞がれ呼吸ができず踠いているものの幸せな感じを与えられているというアンバランスな状態に混乱していたものの、なんとか両手で顔を覆っているものを突き上げた。
「ぃやん・・リュートさまぁ・・」
両手で鷲掴みして突き上げていた柔らかいものは、全裸でいるルカの立派な双丘だった。
「ごめん、ルカ!・・あむ」
パッと手を離したリュートだが、そのままルカの身体が落ちてくるため顔に双丘が押しつけられ口の中に片方の先っちょを受け入れてしまう。
「リュート様・・寝起きから求めてくるなんて・・」
小さな喘ぎ声を漏らし、全身をクネクネとさせているルカを強制的にリュートから離す存在が現れたおかげで、リュートはルカから解放された。
「ルカさん、朝からリュートさんに何をしているのですか?早く服を着てください」
「ミウちゃん・・これは、私とリュート様の朝の挨拶なのです・・邪魔をしないでください」
「そんな挨拶聞いたことがありません!」
ムスッとするミウを見ながらルカは立ち上がり、床に脱ぎ捨てていた服を拾い着てリュートの隣りへとベッドに腰掛けた。
「リュート様、今日はどうしますか?」
「そうだね、今日は街の門の前でポーション販売だ・・」
「わかりました、早速支度をしましょう」
ルカは立ち上がり、身支度を整え始めるとミウがリュートの前に立つ。
「どうした、ミウ?」
「私は、何をしたらいかな?」
「そうだね・・とりあえず、護衛兼客引きかな?」
「わかった・・頑張るね」
「よろしくな、ミウ」
3人は支度を終えて宿を出ると、途中の出店で朝食を購入し門前の広場へと向かう。
「リュート?・・リュートは、ポーション売りが専門なの?」
「ん〜今は、ポーション売りがメインかな?将来的には、種類を増やしたいけど店を持つまではあまり増やさないと思うよ」
「わかった・・」
そのまま歩き、リュート以外の行商人が商売をしていない門前広場に辿り着き、開店準備を素早く済ませダンジョンや魔物討伐へと向かう冒険者達に声をかけてポーション販売を始めた・・・・。
客引きをするルカとミウの2人に冒険者パーティーが足を止めて話をきくも、どうやらミウの知り合いらしく逆にパーティー加入を誘われているようだった。
何組かは足を止めてくれるものの、ミウのパーティーへ誘う冒険者ばかりで、壁際で座るリュートに視線を向けるもののポーション購入までとはいかないようだった。
「お疲れ〜」
休憩のため戻ってきた2人に声をかけるリュートは、普段通りだがミウは少し落ち込んでいる。
「ごめんなさい・・なかなかお客さんを連れて来れなくて・・」
「平気だよ、ミウ・・冒険者は必要なら絶対に買うポーションだから、もう手にしてるんだよ」
「でも、このままじゃ・・」
「路上で売れない分は、ギルドに売るから生活費に困ることはないからね・・」
「はい・・」
ルカとミウの休憩に併せて、くる途中の出店で買った黒パンと干し肉を朝食として並んで食べていると銀色の鎧を纏った騎士が5人リュートに近づいて来る。
「食事中にすまないが、カードを見せてくれるか?」
先頭を歩く金髪碧眼の騎士がリュートに告げる。
「ん・・ちょっと待っててください・・」
リュートは手に持っていた黒パンをルカに預け胸元から商人ギルドカードと行商人許可証を提示する。
「ほぅ・・正式に許可を取って商売をしているのだな」
「え?・・してない人がいるのですか?」
騎士の男は笑いながら告げる。
「そうか、君はこの街に来て日が浅いね・・この街は不定期だけど、無許可営業者を取り締まっているんだ。周りに行商人がいないことが不思議に思えなかったかい?」
「そうなんですか・・ここは販売には向いてない場所なのかなと思っていまして場所を変えようかと悩んでいたのですよ」
後ろの騎士も穏やかに笑っていることにリュートは恥ずかしさを感じるも、不快な感情はなかった。
「本当はダメなのだが、真面目な君が損をするのを見逃せないから1つ情報を教えよう」
「いいんですか?」
「あぁ、もちろん内緒だがな?」
「わかりました・・」
「ここよりも、中央広場の1つ北側の大通りの隅に小さな噴水がある。その前が穴場だよ。冒険者や商人そして貴族達も通る道だからね・・でも、美しい女性が2人いると貴族が黙っていないかもな・・まぁ、2人を守れる強さがあるならば稼げるぞ?最悪の場合は騎士の詰所に来ればいいさ・・」
「わかりました。貴重な情報をありがとうございます」
騎士達は軽く手を上げて巡回へと離れて行く・・それを見送った後にリュートはルカに預けていた黒パンを受け取り完食した。
「リュート様、あの騎士が言っていた場所へ移動しますか?」
「・・・・貴族に絡まれるのは嫌なんだよな・・」
「大丈夫ですよ、私とミウがいますから」
「リュートさん、私も大丈夫ですよ」
リュートは2人の顔を見た後に目を瞑り考え・・・・答えを出す。
「よし!このまま何もしないよりも、状況を変えて売り上げを伸ばしてみよう!」
リュートの宣言にルカとミウは立ち上がり、リュートは並べていたポーションをアイテムボックスへと収納して移動を開始する。
その3人の行動を離れて見ていた男達の視線にリュート達が気付くこともないまま・・・・。




