3話 昔の冒険者仲間
暇つぶしにもならないくらい短いです。
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「そーいえば、アイツ初めて見る顔だったな・・」
夜明けまで続いた店の片付けが終わりそのままソファで寝てしまったリュートは、いつもの時間で目が覚めてしまいコップに入れたハーブティーを飲みながらくつろいでいる。
商人となったリュートだが、たまに冒険者ギルドへ商品を届けに行くため今でも顔見知りの冒険者はい多い。同時期になった親しい冒険者はBランクやAランクまで昇格し一線で活躍している。
昨夜の銀髪少女のことを思い返しているリュートの店のドアが乱暴に開き、冒険者達が入ってくる。
「リュート!いるかー?」
「・・・・・・」
店に入りリュートの名を呼ぶのは、幼馴染で一緒に冒険者登録をし活動をしていた赤髪のバーナスだ。だが、リュートは無視する。
バーナスは、リュートの居場所を知っているかのように店の奥までズカズカと入ってリュートを見つける。
「リュート!いるなら返事しろよ!」
「・・ちっ」
「こいつ・・堂々と舌打ちしやがった!」
寝不足のリュートは、バーナスのテンションに苛立ちを覚え舌打ちをして溜息をついた後、仕方ない感じで視線を外に向けたまま口を開く。
「なんだ・・バーナスか。俺は、大事な目の保養中で忙しいんだ」
「そんなニヤついた顔で言われても、気持ち悪いだけだぜ・・」
そんなやりとりをしていると、バーナスの後ろに立っていた青髪の魔法士の格好をした少女がバーナスを止めて本題へ戻させた。
「なぁ、リュート。今からでも遅くないから、冒険者に戻らないか?お前の実力なら・・」
「戻らないさ・・」
バーナスの言葉を遮りリュートは拒否を示す。
「俺は親から受け継いだ、この店の店主として生きて行くと決めたから」
リュートは、バーナスと目を合わせることなく思いを告げる。
「そうか・・何度も聞いて悪かったな。あと、ポーション売ってくれ」
「あぁ、好きなの必要なだけ持って行ってくれ」
「サンキューな」
バーナスは慣れた手つきで、HP回復ポーションとMP回復ポーション入りの瓶をマジックポーチに収納していく。
「ちょっと、バーナスさん勝手に商品を収納したら犯罪ですよ!」
青髪の魔法士少女がバーナスを注意するが、バーナスの言葉に驚く。
「いいんだよ、アンナ。リュートの店は後払いが基本なんだ。未使用なら返却できるんだぜ」
「そ・・そんな商店聞いたことがありません!ありえません!」
アンナと他のパーティーは、バーナスの言葉が信用できないかのようにリュートの方を見る。
「ん?俺の店は、そういうシステムだぞ〜取った商品は全て管理できてるしな」
「「「「え〜〜〜〜!!!!」」」」
アンナ達は、目を見開き同時に叫んでいたのだった。
「よし、今回はこれで足りるだろう。じゃあなリュート!また帰りに寄るから」
「あぁ、バーナスならいつでも良いからな」
そして、バーナス達はリュートの店を出て郊外にある地下ダンジョン探索へ出掛けて行った。
バーナスを見送ったリュートはソファから立ち上がり、棚に陳列された商品の数を確認しているとかなり減っていることに気付き呟きながら店の奥へと消えて行く。
「バーナスの野郎、持って行きすぎだバカヤロウ・・」
昨夜の被害から運よく30本ずつ残っていたHPとMPポーションが残り5本ずつしかないためだったからだ。
1話を1000〜1500文字辺りで掲載していきます。