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26話 受付嬢セリア

アクセスありがとうございます


 ダンガが店の奥へと消えてから少しして、鞘のような物を手にゆっくりと戻ってきてカウンターに置く。


「待たせたな・・その片手剣には、コレを使うといい」


「鞘・・ですね」


 カウンターに置かれた鞘を見て、ルカは呟くとダンガは何か企んだ顔を見せる。


「この鞘は、少しばかり特殊でな・・・・まぁ、その剣を収めてみなさい」


 リュートは少しばかり、ダンガの瞳を見つめたあとにカウンターに置かれた鞘を左手で掴みゆっくりと収める。



「「「 ・・・・・・ 」」」



 無言で片手剣を見つめる3人は、何かが起きるのだろうと待つものの何も起きる気配は無い・・。


「・・・・ありがとうダンガ、良いものを見せてもらったよ」


 リュートはそのままルカの手を握り武器屋を出た。


「またな、リュートよ・・」


 リュートの背にそう呟いたダンガの表情は、どこかしら満足げだった・・。


 通りに出てしばらく手を引っ張られリュートの後ろ姿を見ていたルカは、自分の足で横に並びながら彼の突然の行動に混乱していた頭を落ち着かせるため、静かに聞いた。


「リュート様、急に店を出てどうなされたのですか?」


「あぁ、この剣はな・・ダンガ本人が完成させた剣なんだよ。この白銀の鞘に収めた瞬間にいろんな情報を剣が俺に教えてくれたんだ」


「そうだったのですね」


「まぁね・・とりあえずこのまま商人ギルドに行こう」


「はい、リュート様」


 リュートはアイテムボックスに片手剣を収納し商人ギルドへと向かって行き、躊躇いなく中へと入るとそのまま受付窓口へと足を運んだ。


「あの、すいません」


「こんにちは、本日のご用は?」


「この街で露天商を・・えっと、路上で商売を始めたいのですが・・」


「はい、行商人許可証の新規発行ですね・・失礼ですが、商人ギルドカードをお持ちですか?」


「はい・・」


 リュートが商人ギルドカードをカウンターに置くと、笑顔で受付嬢は手に取り魔法具の上に置きカード情報を確認する。



商人情報


 名・・・リュート(18才)男

 等級・・小中規模

 店舗・・一般商店(都市スコーデント)




「あの、スコーデントでお店をお持ちですよね?」


「あっ・・すいません。カード情報を更新してくれますか?」


「わかりました、手数料として銀貨1枚をお願いします」


 リュートは受付嬢に銀貨1枚を手渡す。


「更新しますので、このままお待ちくださいね・・・・あっ」


 カード情報が更新され、受付嬢はその情報を見れる特権がありその結果に驚き声を漏らしてしまった。



商人情報


 名・・・リュート(18)才

 等級・・小中規模

 店舗・・抹消(営業許可証返納済)



「リュートさん、情報を更新しました。新たに行商人を始めるということでよろしいですか?」


「はい、お願いします」


「それでは、取り扱う商品はなんでしょうか?」


「えっと・・ポーション販売のみです」


「ポーション販売ですね・・当ギルドに卸す予定はありますか?」


「無いですね・・取り扱う量が少ないので」


 受付嬢は、登録書類に必要事項をなぜか代筆している。本来であれば、申請するリュートが書類を受け取り記入して受付嬢に手渡すのだ。


 リュートの対応を偶然した受付嬢は、カード情報の店舗欄に抹消という文字に心を痛め何も言わず自ら代筆をしているのだ。


「わかりました・・最後に何か質問はありませんか?」


「簡単でいいから、行商人のルールを教えてほしい」


 リュートの質問に受付嬢は、チラッと他の商人が並んでいないことを確認し了承する。


「はじめに、行商人は商店前で販売行為はできません。基本的に広場か、それぞれの門の周辺だけとなります。例外としまして街の外にある地下ダンジョン入り口周辺での商いは可能ですが、護衛を雇う必要があるのでお勧めしません。もし、他の行商人と揉め事が起きた場合は必ず私に・・ギルドに相談してくださいね?」


「わかりました、ありがとうございます」


 ギルドカードを受け取り、窓口から立ち去ろうとした時に受付嬢がリュートを呼び止める。


「リュートさん、お待ちください」


「は、はい?」


 受付嬢は窓口から手招きをしてリュートを呼び戻した後に、スッとカウンターに小さな紙切れを置いて小さな声で告げる。


「リュートさん、この街の今のポーション相場です。ご参考までにお持ち帰りください・・」


「いいの?」


 コクッと受付嬢は頷く。


「ありがとう、よかったら名前を教えてくれますか?」


「セリアです」


「セリアさん・・いい名前ですね。ありがとう」


 商人ギルド受付嬢セリアは、少し顔を赤くしリュートを見送った。


 リュートはセリアから相場が書かれた頭を手に笑顔で手を振りギルドを出る。そして、受付嬢セリアはリュートの対応をしたことで未来の人生が大きく変わることを知る由はなかった。


 




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