18話 新スキルと亡き母親の愛
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商店リューノスの地下には、リュート専用の工房が存在している。陳列されているポーションは、全てリュートが1人で作製し販売している。
「やっぱ、1人が落ち着くな」
地下工房で体力回復ポーション作製に没頭しているリュートは、かなりの時間が経過していることに気付いていないほど集中していた。
「ふぅ〜・・とりあえず、これで満足だ」
額から落ちる汗を拭い椅子の背もたれにグッともたれかかった瞬間に、脳内に聞き覚えのない声が響きわたる。
『新たなスキルを覚えましたとです』
「うわぁ!」
リュートは勢いよく立ち上がり工房を見渡すも誰もいない・・気配探知スキルを発動するも近くにいるのは、戻ってきて店番をするリーナの反応だけだった。
「リーナの声じゃなかったな・・」
しばらく警戒するも普段と何も変わらない状態が続き、あの声が聞こえることもなかった。
「・・・・なんだったんだよ。マジでムリだ・・」
再び椅子に座り作業台に置けないほど並んだポーション瓶をアイテムボックスに全て収納したところで、錬金術がスキルアップしたかを確かめるためステータスを表示させた。
「ステータス、よろ」
リュートの適当な詠唱で自身のステータスが表示されていく。
ステータス
名 リュート(男)18才
職業 商人(元F冒険者)
HP 800/800
MP ?50/??50
スキル まほーなどLv10 /(10↑) 錬金術Lv8/10 剣術Lv6/10 まるちどぉーるLv10 /100
加護 ???
「相変わらず、意味がわからんステータスだよな・・」
リュートのステータスは、一般的な駆け出しFランク冒険者より3割近く低い水準のステータスだった。そのおかげで同期で幼馴染のバーナスやアンナそして年下の後輩達にランク差を2以上も突き放され、念願の昇任試験も棄権し冒険者を引退して商人に転職したのだ。
なぜリュートのステータスが弱いと評価を受けた理由は、ギルド専用の魔法具が対応できず計測結果が、魔力が50と表示されスキル欄の魔法がまほーなどと表示されたため対応できず非表示となり、唯一錬金術だけが正常に表示されたのだった。
冒険者ギルド職員からは、冒険者を諦め錬金術師を目指すよう助言されたが自分の意思を貫いて冒険者となり経験を積み重ねスキル欄に剣術を習得することが出来たのだ。
現在表示されている自身のステータスのスキル欄に新たに表示されているのは、まるちどぉーるLv10という不可解なスキルだったのだ。
「・・なんだよ、まるちどぉーるLv10 って・・意味がわんねーよ神様・・」
『まるちどぉーるは、ボッチのためのスキルだよ!』
「ボッチじゃねーよ!俺は!!」
『・・・・』
「シカトかよ!?」
『・・・・・・』
何も返事がしないためリュートは作業台に泣き崩れ、屈辱にも認めてしまう。
「ちくしょー!俺は、どうせボッチですよ!」
『・・おめでとー!これでキミは、ボッチ野郎だね!」
「クソがー!」
『まぁまぁ・・そんな涙を流すほど喜ばないでよ。それじゃ、これを読んで頑張ってね』
頭の中で何かと繋がっていた感覚が切れた後に、リュートの頭上からヒラヒラと1枚の紙が落ちてきて作業台に乗る。
「なんだよ・・この紙は?」
リュートは作業台にある紙を手に取り、書いてある文字に目を通した。
新しいスキル、まるちどぉーるの使い方だよ。
1つ・・作りたい友達の容姿を完璧に想像する。
1つ・・材料は、なんでもオーケーさ。
1つ・・女の子しかできません。
1つ・・必ず命名すること。
1つ・・可愛い服を着せて、専用武器も忘れずに。
1つ・・ステータスは、キミの想いと愛の大きさで決まるから。
1つ・・??????だから、楽しみだね。
リュートは紙に書かれた項目を全部読んだ後に、下の余白に小さく書かれている文字に視線が止まる。
・・最後に必ずキミに役立つスキルだから、何があっても諦めず頑張ってね・・・・ルルカ。
「・・か、母さん?・・母さんなの?」
リュートは、亡き母親の名前を口にした瞬間に全身が優しく暖かい温もりに包まれたような感覚になり、母親からの手紙を握り締め泣き崩れた。
『・・・・リュートさん?どこにいますか?』
不意にリーナから念話が届いたことに、流した涙を拭いて立ち上がるリュートは返事をする。
『・・わりぃ、リーナ。少し留守にしてた・・』
『良かった、無事なんですね。もう、閉店時間を過ぎてしまいました』
『もうそんな時間か・・すぐに戻りから閉店準備を先に始めておいてくれ』
『わかりました・・』
リーナからの念話が途切れ、リュートは地下工房から1階に上がり裏口から出た後に表通りに出てから店のドアから帰ったのだった・・・・。




