17話 幼馴染のバーナス
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長く放置していました。
「リュート!昼のことは許して。だから、ポーションの納品を続けて欲しいの」
時間を置いて考えたリュートは、ギルドの都合は勝手だと思いつつ了承し粘るシェルファを帰らせることが出来た。
シェルファが冒険者ギルドへと帰りリーナと2人きりになった店内には会話もなく静かな時間が流れ、その日も客は来ることはなく閉店し夜は更けていく。
翌朝を迎えたリュートとリーナは、役割分担もはっきりしているため当初と比べて短時間で店を開けるようになっていた。
そして、リーナがリュートの従業員として働くようになってから、バーナスだけは頻繁に店に顔を出すようになり対応をするリーナも楽しそうにしている光景をリュートは優しい視線をバレ無いように向けながら窓越しに外を眺めている。
バーナスが冒険者パーティーの皆とポーションを買い討伐から帰ってきてからも、どうやらギルドで早々に解散しリュートの店に足を運んで来る日もあれば、日中にリーナが外出する日も前より増えている。
そんな日々が流れ、最近のリーナの外出時間も長くなる。長くなる日は、リュートが買い物をリーナに頼んでいる日だけだったため、リュート本人は特に気にしてはいないようだった・・。
リュートにとってのいつもの日常が過ぎて、リーナと1つ屋根の下で生活するのが3ヶ月を過ぎたある日のいつもの昼過ぎにリュートの幼馴染バーナスが店に来て、カウンターの椅子に座りリーナと楽しそうに会話をしているいつもの光景をチラッと見た後は視線を通りのお姉さま達に向けていた。
「ちょっといいか?リュート」
リュートは顔を動かさず、視線だけを声をかけてきたバーナスに向ける。
「どうした?」
「お前さ・・最近仕事しているのか?」
「ん?・・仕事なら、ちゃんとしてるだろ?ほら、あの青い服のお姉さんの仕草が可愛いよね・・」
「はぁ・・リュート、お前ずっとリーナちゃんに店番を任せっぱなしなんかじゃないのか?」
バーナスの質問にリュートは、当然の顔で答える。
「そりゃそうだろ?リーナは従業員で俺は雇い主だぞ?それに見合う報酬も毎月支払っているし、住む家がないから部屋と飯を無料で与えてる。俺は、商品の仕入れとその他事務処理が仕事だ」
「・・・・そういう問題じゃないんだよ」
「バーナス、お前は何が言いたいの?」
自分にぶつけられているバーナスの感情を理解できないリュートは、雇い主として当然の業務を全うしているからなのだ。
「・・いったい急にどうしたんだよ?討伐にでも失敗でもしたのか?」
「はぁ?・・俺達のパーティーが受理した依頼を失敗するほど軟弱なわけないだろ!?」
「おま・・」
あのワイバーンの事を口にしようと発した言葉をすぐに飲み込むリュートは、感情的な目を向けるバーナスから視線を逸らし会話を強制的に終わらせた。
そして、店内に重苦しい空気が流れ先に行動したのはバーナスだった。
「ちっ・・もういい」
ゴッ!
ソファの間にあるテーブルを蹴飛ばしたバーナスは、そのまま乱暴に店のドアを開けて出て行く。
「あの、バーナスさん!」
カウンターにいるリーナは、バーナスの名前を呼びながら店を出て彼を追いかけて行ったようだ。その光景を視界の隅で見ていたリュートは小さく感情的に呟いていた。
「ったく、なんなんだよバーナスの奴は・・」
リュートはバーナスに蹴飛ばされたテーブルを元の位置に戻してから立ち上がり、カウンターからいなくなったリーナを放置することに決めて乱れた感情を抑えるため、誰にも邪魔されない地下工房へと足を運んだのだった・・・・。




