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第26柿 ここまでの事とそれぞれの年越しと天国へのカウントダウン





お正月も明けて、新年。

今年は戌年。




去年は芸能スキャンダルから

政治家の汚職まで文春にすっぱ抜かれた

一年であった。




仙台育米高校も理事長のワガママで

女子生徒の制服をうる星やつらに

出て来るラムちゃんの服装にしたことで

入学生徒が大幅に減少して、



これ以上、生徒が増えなければ

廃校となる限界まで達していた。


理事長はPTAに何度怒鳴られても

頑なに制服の変更を良しとしない

筋金入りの変態である。



そして、かつては甲子園常連だったが

弱小になってしまった仙台育米の野球部に

最後の望みを無理やり託した。



今年の甲子園に優勝して、もう一度

学校の名前を全国へ轟かせて

学生を増やす作戦である。



もし、野球部がもしも試合に負け

甲子園の夢が絶たれることがあれば


野球部員は全員退学、

監督は教師は懲戒免職、

助っ人として入学した猿とカニは

殺処分という。


まさに背水の陣で試合に臨まさせていた。


そんな野球部もお正月三ヶ日だけは

休みをもらえていた。




猿は毎年、年始は近所の家までこっそり行って

その家の人たちが年末録画した紅白歌合戦を

こたつに入りながら見ているのを

こっそり庭から一緒に見て、


和田アキ子が出ているのを確認することで

独特な年末年始の気分を味わっていた。




カニは子ガニと一緒に門松を住んでる

小屋の玄関に飾って、甲子園に行けるよう

近所の寂れた神社に初詣をした。



栗原監督は冬に入ったボーナスを

全て競馬に突っ込み、ボーナスを18倍にしていた。



臼田キャプテンは仙台育米高校の女子生徒

のプロフィールを4冊のノートにまとめて

あと6人の生理周期が分かってないことに

イライラしていた。



蜂子は毎年同じように理事長含む家族と

ハワイの海が見える最高級ホテルで年越しを過ごし

栗原監督の月収1ヶ月分くらいするステーキを

2回おかわりして食べていた。



ウシノ・ウンチッチは祖国のプロクリケットチーム

に臨時コーチとして呼ばれて、四六時中

選手をしごいていた。




野球部員Aも何かしていたらしいが、

誰も聞かなかったので誰も知らないのであった。






かくして、泣いても笑っても最後の

夏の甲子園へのカウントダウンが

始まっていた。




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