第25柿 素直に帰って素振り1000回しとけば良かった
カレーをみんなで食べ終えるとお待ちかね
プレゼント交換タイム。
「プレゼント交換のルールは、
くじ引きで書いてある名前の人の
プレゼントをもらうことにします。」(モールス)
みんな、くじに名前を書くと小さな箱に入れた。
「ちなみに俺のプレゼントも正直
かなり当たり。大人の財力なめんなよ。」
栗原監督は腐っても教員で、それなりの
給料はもらっているのだった。
「ボクのプレゼント、みんな欲しがるヨ〜。」
ウシノ・ウンチッチが持ってきたプレゼントは
布の袋に入っていて、明らかに
袋の中で何かが動いていた。
「くじが揃ったね。じゃあ順番に
引いていって。」(モールス)
「ウキウキ!(ハイハイ!俺から!!)」
猿が勢いよく、最初のクジを引いた。
クジに書いてあった名前は
臼田
臼田はプレゼントを持ってきてなかったので
仕方なく、唯一持ってたiPhone5sをあげた。
「お前、今どき5s使ってるのかよ…。」
栗原監督はちょっと引いていた。
「このサイズ感が1番ちょうどいいんですよ。」
猿はiPhone5sがどういう物か分からなかったし、
そもそも猿なのでスマホは必要なかった。
なので見た感じで、カップラーメンに
お湯を入れて3分待つ時に
フタの上に乗せようと思った。
「ジャア、つぎボクいきますネ!」
ウンチッチが引いたくじは、
栗原
と書いてあった。
「うわーー、自分で持って帰りたかったのに。」
栗原は渋々、大きめの箱をウンチッチに渡した。
箱を開けると、PS4本体とモンハンのソフトが
入っていた。
ウンチッチの家にはテレビがなかったので、
メルカリに出そうと思った。
栗原監督が引いたくじは猿のプレゼントだった。
プレゼントはディアゴスティーニの創刊号で
付録は戦艦大和の最初のパーツだった。
「これ、毎月買わないと揃わないじゃん…。」
その後も部員同士でプレゼント交換は進み、
カニの番になったので、子ガニが代わりに
クジを引いた。
プレゼントは蜂子が持ってきたものだった。
蜂子は大きめのプレゼントを子ガニに渡した。
「はい、どーぞ。」
子ガニがプレゼントを開けると、
中には手編みのセーターが入っていた。
意外と上手に作られていて、仙台育米と
いう文字も編み込まれていた。
これは冬を越すのにちょうどいいと
子ガニは嬉しそうに爪をカチカチ鳴らした。
そして楽しいパーティも終わり、
メリークリスマスとお互いに言って
各自家に帰っていった。
臼田はくじで当ててしまったウンチッチ
からのプレゼントが怖くて開けれないまま
脇に抱えて夜の帰り道を歩いた。
時折り、低い声を出したり動いたりするので
怖くて捨てることもできなかったのだった。
これを機に、学校の女子について調べ上げる
のは少し控えようと強く思った
臼田キャプテンなのであった。




