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第1柿 はじめに







有名な昔話がある。




カニがおにぎりを持って歩いていると、

ずる賢い(さる)道端(みちばた)で拾った柿の種と、

そのおにぎりを交換しようと言ってきた。


カニは最初、嫌がったが


「種を植えれば成長して柿がたくさんなり、ずっと得する」


と猿が言うので結局おにぎりと柿の種

を交換してしまった。


これでは猿にだまされたようなものである。


ところがどっこい、カニは意外な才覚を見せて

見事に柿の培養(ばいよう)を成功させるのであった。


種が成長して木に柿がたくさん(みの)ると、

そこへ再び現れた猿。


木に登れないカニの代わりに自分が柿を()ってやる

と言って、猿は木に登ったまま自分ばかり柿の実を食べ始めた。


カニが催促(さいそく)すると、猿はまだ熟していない

青く(かた)い柿の実をカニに投げつけた。


硬い柿に当たったカニは当たり所が悪く、

そのショックで子供を産むと死んでしまい、

その子供がずる賢い猿に復讐(ふくしゅう)(ちか)うという

有名な復讐劇。



最終的には、最初に会ったカニも猿も死んでしまう殺伐としたストーリー。






(ぞく)にいう、「さるカニ合戦」である。




だが果たして、本当に彼らが分かりあうことは


できなかったのだろうか。


猿がカニを殺してしまったのは


事故だった可能性は考えられないだろうか。


ちょっとしたすれ違いをなくして


猿もカニも予想だにしなかった状況に追い込まれたら


なにかが変わったのではないだろうか。


真相は闇の中。







これは、そんな復讐劇だった


「さるカニ合戦」のスピンオフで


「もしもカニが猿の投げた柿に当たらなくて


死なずにすんでいたら」


というところから物語は始まり


なんやかんやで、でこぼこコンビの猿とカニが


地方の弱小高校野球部と力を合わせて


高校球児の殿堂(でんどう)である甲子園を目指すという





熱血ロマンティックサクセスコメディである。



【新・さるカニ合戦 ~運命の柿キャッチ~】




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