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エニグム 人類VS旧人類  作者: もりぞう
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2話 異変

彩月 慎之介

本作の主人公 人気オカルト雑誌「エニグム」の編集長を父にもつ。大学のサバイバルゲーム同好会に所属している。そのため、銃などに詳しい。



矢岳 蒼

慎之介の幼なじみ。都内の有名大学に通う天才。身長180センチ、柔道をやっていてので体格もよい。周りにファンが沢山いるが、本人は自覚がない。



耶麻 香子

慎之介と同じくサバイバルゲームサークルに所属している大学の先輩。慎之介に好意をよせている。



會田 颯介

サバイバルゲーム部の部長。ミリタリーオタク。



田仲 淕道

日本国総理大臣


ライアン K ブライアン Jr.

合衆国大統領。自国の利益のみを考えている。







ピリリリリリリ





「おっーし、今日はここまで。前回のレポート提出してないやつは、来週までにもってこいよ」


チャイムが鳴り終わると同時に、多くの生徒が席をたつ。


「今日の講義終わったし、サークルいくかぁ」


そんな独り言を言いつつ、俺は人が少なくなったタイミングを、見計らい席をたつ。教室を出ると知り合いに遭遇した。


「香子先輩!お疲れさまです」


「あれ、慎之介君じゃん。授業終わり?」


香子は、俺が所属するサバイバルゲーム部に所属している一つ上の、先輩だ。


「そうですね、一服してサークル行こうかと」


「そっかあ、私ゼミの教授に用事あるからそれが済んだら、サークル行くよー」


「了解です。先ゲームしてますね」


「うん、じゃまたね」


香子が短めのスカートを気にすることなく階段をかけ上がっていった。


(先輩、パンツ見えてるし・・・笑)


俺は、苦笑いとともに校舎裏の喫煙所に向かった。



カチッ

シュッ ボッ


(ふぅー )


ガチャ


喫煙所のドアが空くと同時に、数人の生徒が入ってくる。彼らは灰皿を囲うように席につくと、俺を気にせず喋り出した。


「なぁ、今朝のニュース見たか?月の異常現象ってやつ」


「ああ、見た見た。なんかさネットで見たんだけど世界が滅亡するかも、知れないんだって?」


「はあ?お前都市伝説とか信じてんのかよ。くだらねえよ」


「じゃあ、お前はなんだと思ってんだよ」


「わかんねえけど、どうせたいしたことねえよ」


「だよな笑そんなことより今日ボーリングいかね?」


「お、いいね」


彼らは、そんな話をしながら喫煙所を出ていく。

俺は、二本目のタバコに火をつけ彼らの話を思い出していた。


(まぁ、父さんが調べてるしなんかあったらすぐ分かるだろ)


(さてと、サークル行くか)


タバコの火を消した俺は、喫煙所を出ると早歩きで部室のある建物に向かった。


ガチャ


「ちわーす」


「お、慎之介かおつかれ」


「會田さん、お疲れさまです」


會田さんというのは、我がサバイバルゲーム部の部長である。初心者だった俺に、サバイバルゲームのいろはを一から教えてくれた人だ。


「今日、まだみんな来てないんですか?」


「そうだなぁ もう少ししたら、来るんじゃねーの?」


「了解っす。エアガンの掃除でもしてます」


「OK、今日どれ使うんだ?」


我がサバゲーサークルには、部長が資金を出して買い集めたエアガンが何十種類とある。

部員は、その中からお気に入りのエアガンを選んでゲームを行うのだ。


「今日は、P90とM&P使います」


「ははは、どっかの国の警察みたいだな笑」


俺は苦笑いを返しつつエアガンの掃除を始めた。



ガチャ


「お疲れさまでーす」


俺が掃除に夢中になっていると、数人の生徒が部員に入ってきた。一時間近く掃除を、していたらしい。講義を終えた香子の、姿もあった。


「おう、みんな来たな。今日は時間も少ないし1ゲームだけやろう」


「「はーい」」


香子先輩と話ながら部室を出る。


「そうそう、私が外に出たときさ・・・」


「ん?どうしたんですか?」


「いやね、まだ16時過ぎだったのに月が出てたのよ」


「いや、そのくらいの時間でも月見えることありますよ?」


「もう!慎之介君ってばー最後まで聞いてよ」


「すいません笑笑月がどうしたんですか?」


「なんかさ、大きさが普通じゃなくてね。後、いつもよりはっきり見えてるっていうか・・・」


「ふーん、なんなんですかね?」


そんな会話をしながら、建物をでると俺は空を見上げてみた。


「・・・・・」


「どうしたの?慎之介君」


香子が顔を覗きこんでくる。


「月が綺麗すぎる・・・」


「ちょっと 慎之介君その言い方古いんじゃない笑?」


そう言うと、俺と同じく顔をあげ空を見上げた先輩も声を失った。


「えっ・・・・・何あれ」


二人が見上げた月は夕方だというのに、深夜の様に輝きを放っていた。さらに、中心には切り裂いたような黒い空間ができあがっていた。


「おーい、二人ともどうしたんだ?先にゲーム始めるぞ」


前を歩いていた會田が声をかけてくる。


「部長あれ、見えないんですか?」


俺と香子が同時に空に指を向ける。


「ん?なんだよ。」


空を目撃し、月を見た會田が絶句する。


「なんだよ・・あれ」


「もしかしたら・・くっそ」


會田は何かを思い出したのかのような顔をした。


「どうしたんですか?部長」


香子が不安げな顔をする。


「いや、今日のゲームは中止だ」


そう言うと、會田は入り口に部員を集める。


「みんな、せっかく集まってもらったのに申し訳ない。今日のサークルは中止だ。」



「「えーー」」


「どうしたんですか?部長」


會田は顔をしかめたまま、話を始めた。


「俺が昔聞いた話なんだがな、月の力によって潮の満ち引きが、起きているのは知っているよな?

それに関係して、地震や津波も月が関係していると思われているんだ。

月があんな状態なのは、絶対おかしい。何が起こる前に皆を家に、帰した方がいいと思ってな」


「よっし、みんなとりあえず部室に戻ろう

いいな?」



「「はい」」


皆で部室に戻りながら、俺はあることを考えていた。


(父さんなら、何か知っているかもしれない

連絡してみよう)



部室に着くと會田は携帯を取り出して、テレビを画面に写し出した。


「えー臨時ニュースをお伝えします。

本日16時頃から発生している月に関する現象につきまして、田仲総理大臣が緊急会見を行う模様です。現場の洲藤さーん」


「はいこちら洲藤です。首相官邸には多くの報道陣がつめかけています。本日発生した異常現象について、田仲総理大臣から何かしらの発表がある模様です。


あ!総理が到着しました。」



サバゲー部員たちが、緊張の面持ちでスマホを見つめる。


「それでは、ただいまより田仲総理による緊張会見を行います。」



「えー、本日16時頃から発生したと思われる月の異常現象についてですが今のところ国民の皆様の生命を脅かすような、状態ではないということが判明しています。えーまた、合衆国のライアン大統領と電話会談を行いましたがNASAの調査によっても、異常は認められないとのことです。

ですが、国民の皆様には落ち着いて行動をしていただきたいと思います。 以上です」


「総理!異常は認められないとのことですが

国民の間では、大きな災害がおこるのではと不安の声も上がっています。」


記者の質問が飛ぶ。


「えーですから国民の皆様には落ち着いた行動を、とっていただきたいと思います。」


「以上で、田仲内閣総理大臣の緊張会見を終了したいと思います。」


会見の中継が切れると同時に、カメラは再びスタジオのキャスターを写し出した。


「ご覧いただきました通り、異常現象に関しては全くの無害と考えて良さそうです。」


「そうですね、それでは次のコーナーです。

今度は、あの人がまた不倫です・・・・」



部員たちは、安堵の表情をうかべる。

會田が、声をあげる。


「よし、問題なさそうだしゲーム再開するか!」


「「おー」」


「どうしたの?慎之介君浮かない顔してるけど」


香子が話しかけてくる。


「いや、なんでもないです。あーやっぱ俺今日帰ります」


「えーどうして?」


「いやー、母親に家でご飯食べるって約束しちゃったんですよ。」


「そっかー、じゃあしょうがないね

お疲れさま また明日ね」


香子が寂しそうに呟いた。


「會田部長もお疲れさまでした」


「おう、じゃあな」


「じゃあ、お先失礼しまーす」



他の部員に挨拶をすませ俺は、部室でる。

俺は、急いで大学の最寄り駅に向かうと電車に乗りこんだ。どうしても確かめたいことがあったのだ。


俺は、どうしても確かめたいことがあったのだ。

座席に座りながら携帯を開く。


タッタッタ


(父さんなら、どう考えるだろうか)



俺が、父親にメールをしようとしている後ろの窓から不気味なほど光を放っている月が見えていた。



二話




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