1話 日常
彩月 慎之介
本作の主人公 人気オカルト雑誌「エニグム」の編集長を父にもつ。大学のサバイバルゲーム同好会に所属している。そのため、銃などに詳しい。
彩月 桜花
慎之介の妹。高校に通いながら、アイドルを目指しているが母に反対されている。
彩月 大伍
慎之介と桜花の父。オカルト好き
仕事で様々な国を飛び回っている。
彩月 彩矢
慎之介と桜花の母。父を社長にもつお嬢様。それ故、大伍との結婚を反対されるが説得した。娘の将来を心配している。
矢岳 蒼
慎之介の幼なじみ。都内の有名大学に通う天才。身長180センチ、柔道をやっていてので体格もよい。周りにファンが沢山いるが、本人は自覚がない。
耶麻 香子
慎之介と同じ大学の先輩。慎之介に好意をよせている。
田仲 淕道
日本国総理大臣
ライアン K ブライアン Jr.
合衆国大統領。自国の利益のみを考えている。
ピッピッピッピッ
ブーブーブー
「んぁ、朝か・・・」
俺は朝日が、部屋に入り込むなか呟いた。
「昨日、飲み会飲みすぎた・・もうちょいねるか」
スマホのスムーズ機能をOFFにする。そうして、俺は二度寝の中に落ちていった。
ドンドンドン
「お兄ちゃんー起きてるー?もうすぐ7時半だよ??」
「げ マジか」
どうやら、寝すぎてしまったらしい。妹が起こしてくれたようだ。
ガチャ
「お兄ちゃんー入るよー?」
妹の、桜花が部屋に入ってくる。
俺が寝ているベットに、近づいてくるなり鼻をしかめる。
「お兄ちゃん、昨日お風呂はいった?すごいお酒臭いよ?」
うるさい妹だ。今年で高校を卒業する妹は、アイドルを目指しているらしい。母親に反対されているが、本人は気にしていないらしく
学校では、ダンス部に所属していたり本気らしい。
「はいはい、シャワー行くよ。朝ごはんなに?」
「ご飯と、味噌汁とお魚だよ♪」
「ういー」
俺はベットから、抜けると側のタバコに火をつける。一吸いして、煙を吐き出した。
「じゃ、私学校行ってくるね。また寝ちゃダメだからね!」
俺が起きたことに満足したのだろう。桜花は部屋を出ていく。
「おう」
さて、シャワー浴びるか・・・
「母さん、おはよう」
シャワーをでた俺は、台所にたつ母に声をかける。
「おはよ。今日は学校?」
今年で45になる母は、良家のお嬢様育ちらしい。さらによく年齢を若くみられる。本人は、喜んでいるようだが・・・
「学校の後、サークルいくから夕飯いらねえわ。みんなで食ってくよ」
その瞬間、俺はしまったと思った。
「しんちゃん、ご飯いらないの?桜花も友達とご飯食べるらしいし・・・」
母は、泣きそうになりながら呟く。母は、極度の寂しがり屋で、一人でご飯を食べるのが嫌なのだ。
「母さん、しんちゃんはやめてくれよ・・もう二十歳になるだぜ?」
さらに、母が悲しい顔をする。
「わかったよ、ごめんて 夕飯までに帰るよ」
俺はため息混じりに、母に伝えた。それよりも、朝ごはんを食べよう。 腹が減った。
「いただきます」
食卓につくと同時に、テレビをつける。いつものニュース番組「おきてる日本」にチャンネルを合わせる。
「続いての、ニュースです。19日に確認された、月の異常現象についてです。NASAの発表によりますと、月の表面に表れた黒い模様については、現在調査中とのことです。」
「不思議なニュースですよねぇ。昨日の、夜帰り道に月を見上げたんですがね。肉眼では確認できなかったなぁ・・」
「えー、こちらの現象についてですが、JAXAが昨年打ち上げた、宇宙望遠鏡によって撮影された画像を、おきてる日本が独占で入手したので、ご覧下さい
」
俺は、ニュースに目を向ける。そこには月の写真が写し出されていた。
「母さん、これ見てみ。月の真ん中に黒い・がある」
台所で洗い物をしている母は、全く興味がないようだ。
「ふーん」
「なんでか、よくわかってないらしいしってさ」
「そういえば、今日父さんは?」
「昨日から、帰ってないわよ。事務所に泊まったんじゃない?」
俺の父は、オカルト雑誌「エニグム」の編集長をやっている。この、「エニグム」は業界No.1の売れ行きを誇る雑誌で、父はネタを探して海外を飛び回っている。
「そっか。じゃ、学校いってくるわ。ごちそうさん」
部屋に戻って、支度をする。
ブーブーブー
携帯にLINEがきている。
「お、父さんからだ」
7時38分
おはよう。起きたか?
今、会社なんだが二、三日帰れそうにないんだよ
7時49分
おう、おはよう。さっき起きたわ
了解 母さんに伝えとくわ
ピロン♪
「既読速いな笑」
7時50分
すまんな。
7時50分
いいって
それより、もしかして月の表面に
起きたことで忙しいの?なんか
わかったら教えてくれ
7時51分
わかったよ、今から会議だからあとでな
俺は携帯を閉じると支度を終わらせた。
「いってきます」
「はい。いってらっしゃい、きおつけてね」
笑顔の母に見送られ、家を出る。
1話 日常 完