天狗のトップ、剣魔
今回は剣魔と出会います、剣魔は天狗のトップ、龍治達は剣魔から紅の情報を得られるのか。
是非ご覧ください!
剣魔は天狗達のトップの存在。俺達はその剣魔の居る場所まで来ていた、青の友人、紅の情報を
聞くために。
「この場所だろ?」
「えぇ、地図によればここですね」
「こんな寂れた場所になんのようなん?」
結局あの幽霊も一緒にここまで来た。こいつの名前はキビらしい、種族は鬼火だ。
「こ、ここに来た理由はですね」ぷるぷる
空は青の後ろに隠れてキビに説明を始めた。声も震えており、相当おびえている。でもそんな状況でも
説明をするのはなんか、すごいな。
「わ、分かりました?」
「分かったでぇー!」「きゃーー!!」
キビの奴は分かったと言うと同時に一気に空に近づいた、そして、空もそのタイミングに大声を出した。
「あっはっは!やっぱおもろいわ!」
「ちょ!キビさん!空が気を失ったらどうすんの!?」
「あっはっは!ええやん、別に減るもんや無いし」
「減るって!空の寿命が減っちゃうから!」
頭を抱えてガクガク震えている空を青は庇っていた。本当に姉妹なんだなと分かった。
「お腹すいた!食べさせて!」
「きゃー!こ、来ないでぇ-!」
今度はミアが小雪を追いかけ回していた。小雪は泣きながら走り回っている、一応こいつの食事ってのを見た筈なんだが、最初のあれが酷いトラウマになったようで未だに怖いらしい。
「う、うぅ、お化け怖い」
「ええやん、もっと怖がらせてーな」
「駄目!絶対駄目!」
「食わせろ~!」
「来ないでください-!」
・・・大丈夫か?なんだか今更ながら不安に思い始めた。このまま剣魔にあったら怒られそうな気が
今来ないことを祈るか。ただ、こういうときに何故か良く来ちゃうんだよな。
「・・・おぬしら、随分と楽しそうにしておるの」
やっぱり来ちまった。剣魔は男の様でで剣を2本携えている。見た目は髪の毛は黒く、短い
そして、相手を威圧するような鋭い眼光、服は真っ黒いコートの様な物を羽織っていて
身長も高く、胸も少々ある・・・ん?胸?なんであるんだ?
「やれやれ、こんな緩い空気なら、いちいち男装なんてする理由も無かったじゃないか」バサ
剣魔は上着を脱いだ、すると剣魔の本当の姿が現れた。髪色と髪型は一緒だがあの鋭い眼光は
少し緩くなり、服装も天狗装束が真っ黒くなっている様な服装。胸は変わっていない。
「えっと、どうして男装をしていたんだ?」
「儂は仮にも天狗のトップだ、初対面の相手に舐められては示しがつかないと思ってな、だが、
おぬしらのばかばかしい戯れを見ておったら気が変わった、だから男装を解いたのだ」
まさか、こいつらのあれがプラスに転じるとは思わなかったな。まぁ、天魔が寛大だったからだろうが。
「それじゃ、まずは挨拶を」
「いただきます!」はむ!
俺が挨拶をしようと思ったらミアがいきなり噛みついてきた。タイミングが悪い奴だ。
俺はついイラッときてしまった。
「・・・ミア」
「うまうま」はむはむ
「あぁ!龍治様、殺気、殺気を抑えてください!」
青の言葉で我に返った。危なかった、あのままだと怒鳴り散らす所だった。青に感謝しないとな。
「は、初めて見たわ、あの兄さん、とんでもない殺気出しおるなぁ」
「うむ、この男、出来るな」
なんだか知らないが剣魔に褒められてしまった。そんなに殺気立ってただろうか。
「まぁ、よい、儂の屋敷に案内しよう。」
俺達は剣魔の屋敷に案内された、その屋敷は出雲の屋敷と同等、あるいはそれ以上の大きな屋敷だった。
俺達はその屋敷の客間に案内された。出雲の屋敷と同じような広い和室だ。
「そこに座ってくれ」
「わ、分かりました」
小雪はかなり周りが気になるようで。キョロキョロしている。確かに広い和室なんてあっちの世界じゃ
かなり珍しい、おそらくそれが理由だろう。
「す、すごいですね龍治さん!こんな大きなお部屋、初めてです!」
「そうなのか?」
「はい!それに、この床に敷いてある物はなんですか?」
「え?お前、畳知らないのか?」
「畳?聞いたことはあります!」
驚いた、まさか畳を知らないなんてな。俺は一応畳について軽く説明した。小雪はメモを取りながら
その説明を聞いていたが、普通小学校とかで習わないか?
「待たせたの」
丁度説明が終わった頃に剣魔が帰ってきた。俺達はまず、自己紹介をして、本題に入った。
「おぬしらがある禍津狐を探しているというのは大式の神から聞いた」
「大式の神?」
「む?知らんのか?」
「えっと、私達はミキ様と出雲様にここに来たら良いと言われたんですが・・・」
「ふはは!まさかあいつの本名を知っているとはな!」
剣魔は大笑いを始めた、つまりだ、大式の神というのはミキの神様としての名前で、ミキと言うのが
あいつの本名だと言うことだ。
「ふぅ、よし、そこの男」
「なんだ?」
「儂と戦え」
「「「「はぁー!?」」」」
いきなりの申し出だった、なんでいきなり戦うなんて事を言い出したのかは全く分からん。
「ちょ、なんでいきなりそんな!?」
「儂は面白いと思った相手と戦うのが趣味なんでね」
「どこら辺に面白い要素があったんだよ!」
「おぬしの力に興味がわいたんだ、なに、おぬしが勝とうが負けようが情報は教えよう、ただ、
もし儂に勝つことが出来たのなら。儂の名をおぬしらに伝えよう、どうだ?」
本名を知ろうが知るまいが俺としてはどっちでも良いんだが、これは勝負しないと紅の事も
話してくれそうに無いな、仕方ない、戦ってやるか。
「分かったよ、戦ってやる」
「ようし、じゃあ、庭に出ようか」
「その、大丈夫ですか?」
「勝っても負けても問題ないなら大丈夫だろう」
さて、天狗のトップの実力は一体どれ程の物か。
「それでは、おぬしの力を見せて貰おうか」
剣魔は、二刀の内、刀を1本だけ抜き、構えた。
「今回は小手調べだ、今回は1本だけで戦おう」
「1本だけで大丈夫なのか?」
「大丈夫だ、儂は剣魔、これでも神だ、本気で戦ったらおぬしが勝てるわけ無かろう」
「お?言うじゃ無いか」
俺は武器を作り出した。剣魔は一瞬驚いたが、隙は出来なかった。
「ほう、武器を作り出すとはのう、全く面白い奴だ」
「・・・そうかい」
下手に動けないな。相手が接近戦の場合の戦いはこれで2回目か、仕方ない、一気に勝負に出るか
「行くぞ!」ダダ!
「フン!」ブン!
あの時と同じ手が通じるかは分からんが、試してみるか。
「そら!」カン!
「ほう、だが甘い!」ブン!
「危ね!」カン!ザァ
やっぱり駄目だったか。流石は神だ、一筋縄ではいかないと思ったが、保険をかけといて良かった。
「な!」シュシュン!
俺は剣魔の足下から槍を出した。その攻撃で剣魔は追撃を諦めたようだ。
「あんな攻撃もあったとはね、どうやったんだい?」
「手品さ、種は無いけどな」
「面白い手品だ」
剣魔はにやりと笑った。その笑みは相手を威圧する様な何かも感じた。
「龍治様、すごいなぁ、もうあの力を使い慣れてる」
「・・・私、龍治さんに恩返しできる自信がなくなってきたんですが」
「まぁ、あんな強い人に恩を返すんは難しいやろうな」
さて、次はどう動こうか。しかし、こいつの隙を作るのは難しいだろうな。
仕方ない、ここは愚策かもしれんが、俺は剣を展開した。
「一気に行くぞ!」シュババ!
「ほう、こんな攻撃手段も、でも、愚策であろう」かんかん!
剣魔は俺の攻撃を弾きながら接近してきた。流石としか言えないな。
「取った!」タ!
「接近は失敗だったな」カチ!
「!!」ズドン!
剣魔の足下が爆発した。理由は簡単だ、俺の能力は意図した物を作り出す力だ。
イメージが出来れば地雷だって作れる。
「くく、こんな手もあるとはな、儂の負けじゃ」
「まだ動けそうじゃ無いか」
「おぬしの奇策に負けたのだ」
よく分からないが俺の勝ちのようだ。しかし、これで加減か本気だったらどれだけやばいのか、
逆に気になるな。
剣魔との戦いに勝利し、名を知る権利を得た龍治達、果たして剣魔の本名とは。
次回お楽しみに!