定まる目標、騒がしい道中
今回は目的地に向かう道中話です、最初はちょっとだけ式神の契約について軽く出ます
是非ご覧ください!
次の目的は剣魔に出会い、紅の居場所を知ることだ、距離もあり、出会うまで時間がかかりそうだ
「よし、それじゃ行くか」
「そうだ、あんたらの名前、教えてもらえる?」
「あぁ、言ってなかったか」
俺とミアは自己紹介を始めた、青は下を向いて聞こえてないようで、空はテンパりすぎて聞こえてない。
仕方ないから俺が2人の説明をした。
「青と龍治、空とミアね、把握したわ、それじゃ、龍治、これをあげるわ」
「ん?」
出雲は俺に1枚のお札を渡してきたそのお札には何も書いては無いが、神々しさはあった
「これは?」
「式神のお札よ、あなたも持ってるでしょう?」
「あぁ、確かに型を決めたり、技を放たせる時に使うな」
青の型と技は式のお札という物を使う、このお札は最初は枚数が少ないんだが、時間が経つと
増えたりする、このお札に技を書き込むと使える。型の札は意識したら出てくる、ついでに
型を変えた状態だとその型に対応した技の札が出てくる。便利なもんだ。
「その札は特殊でね、可能性がある奴らに私が渡すんだ」
「ほぅ、期待されてるって事か?」
「まぁ、そうなるね、ついでにあんたらは式神の契約について詳しく知らないようだし、教えとくよ」
出雲の話によれば式神の契約は主にも影響を与えるそうで、身体能力の向上もその中にあるらしい
この身体能力の向上の度合いは式との相性にもよるそうだ。
「なるほどな、だから妙に速く動けるのか」
俺もそれなりに身体能力が高いが、流石にここまでは高くは無かったはず、まぁ、これで合点がいった。だから俺はあそこまで身体能力が高くなってたのか。
「さて、伝えたかった事はこれくらいだ、気を付けなよ、人間を嫌ってる妖怪も多いからね」
「分かった、それじゃ、行ってくる、3人とも行くぞ」
「あわわ・・・」
「さっさと来い!」
俺は混乱している空と深く考えてる青を引っ張って出雲の屋敷から出て行った。その状況を見ていた
出雲は笑っていた。
「おい、お前ら、そろそろ目を覚ませよ」
「うぅ、あ、あれ?出雲様は!?」
「もう屋敷から出たんだよ、気付かなかった?」
「ま、全く気が付きませんでした」
空は全く気が付かなかった様だ。焦りすぎて意識が飛んでたりしたんだろうか、
青は気付いてすらいないしな。
「うーん、どうすれば良いんだろう・・・」
「青、いい加減にしろ!」コツ
「痛い!何するんですか!?」
「ずっと悩んでたからな、流石に一発殴ったら元に戻るのか」
「うぅ、酷いです・・・あれ?外に出てるんですけど!?」
やっぱり気が付いてなかったのか、ミアは全く動じてなかったのにこいつらは本当・・・まぁ、いいか
さっさと指示された場所に向かうか。
「確か地図によればこっちだったよな」
「ねぇ、龍治、私、お腹すいた!」
ミアが腹減ったと言い出した、そういえばミアは何も食ってなかったな、俺らは食ったけど。
「じゃあ、どこかで食うのか?」
「大丈夫!龍治を食べるから!」ニコッ
「マジかよ・・・」
「いただきます!」はむ!
・・・こいつがいると食事とかで面倒だな、なんで俺が食われないといけないんだよ。
「やっぱり美味しいなぁ」はむはむ
「動けん」
「大変ですね」
この状態だと動けないな、いや、動けるのか?
「むぐーう」はむはむ
「動けそうですね」
ミアは俺に引っ付いている、ちょっとだけ重いな。
「大丈夫そうですね」
「さっさと行くか、のんびりしてられないしな」
しばらく経ち、ミアの食事も終わったようだが肩が重いな、なんかあんのか?
「うーん、肩が重いな」
「あぁ、やっぱり?だって肩に幽霊付いてるからね」
「は?」チラ
確かに、なんか見えるな、手か?流石は妖怪の世界だな。
「ひやぁ!!幽霊怖いです!お兄様!お祓い!お祓いしてください!!」
空は頭を押えて震えている、妖怪も幽霊が怖いのがいるんだな。
「あぁ、そういえば空って幽霊嫌いだったっけ」
「なんで嫌いなんだ?」
「えっと、昔、空は幽霊にビックリさせられたのがトラウマなんです」
「そんな事があったのか」
「でも、謝ってくれてたんですけどね」
幽霊もそんな感じなんだな、本当にイメージが変わるな。しかし、幽霊が取り憑いてるってのも
妙な気分だ、お祓いに行った方が良いのか?
「仕方ない、お祓いにでも行くか」
その言葉を聞いた幽霊はいきなり焦りだした、やっぱりお祓いは嫌なんだな。
「あわわ!やめてぇ!お祓いしないでぇ!うち消えとうない!」
「じゃあ、離れてくんね?」
「わかり申した、うぅ、折角の人間だったのに・・・」
あっさり引き下がってくれたな、幽霊も軽いんだな
「なんで俺に憑いたんだ?」
「人間に憑いた方が楽なんよ、妖怪たちは驚いてくれまへんし」
「なんで驚かせたいんだ?」
「誰かに憑かないとしんどいの」
妖怪は驚かないのか・・・あれ?じゃあ、空は妖怪じゃ無いのか?
「・・・じゃあ、空に憑けば良いじゃん」
「ふぇ!わ、わわ、私でふか!」
ミアが軽くそういった、空は驚愕して大声を出した、その上思いっきりかんだ、焦りすぎだろ。
「おぉ!確かにこの子なら内でも憑けそうや」
「ひぁーー!!来ないで!来ないでくださいーー!!」ピューー!!
「待てーい!うちに憑かせてやーー!!」
「うわーー!!」
空はすごい勢いで逃げ出した、幽霊も全力で追いかけた。なんか、空がかわいそうだな。
「あぁ!空!待って!!」
「あはは、追いかけっこだね!」
「いや、そんな微笑ましい風景じゃ無いだろ、あれは」
空を追ってようやく追いついた、空は息が上がってる、幽霊も追い詰めたみたいな感じでゆっくりと
近付いている。
「はぁ、はぁ、こ、来ないでくださいぃーー!!」ガクガク
「ふっふっふ、楽しいわぁ、こんなに驚かれたのは久しぶりや」
幽霊は心底楽しそうにしている、それに対して空はすごい勢いで震えている。
「さぁ、憑いちゃうでぇ」
「あ、あぁ」ガク
「あれ?ちょ、き、気絶って!驚きすぎや!!」
幽霊も焦っている、それ位空の気絶は予想外だったんだろうな、臆病すぎだろ。
「えっと、どうしましょう」
「運ぶしかないだろうな」
「あっはっは!妖怪が気絶って!あはは!初めて見た!」
ミアは笑い転げていた、流石に笑いすぎだろうとは思うが・・・まぁ、そんな事よりもだ・・・
「おい、ここ、何処だ?」
「え?・・・何処でしょう?」
ここは山の中だって言うのはなんとなく分かるが、帰り道が分からない、どうやったら戻れるんだ?
「・・・」ぴら
地図を取り出し、ここがどこかを軽く見てみたが全く分からない。
「どうする?」
「どうしましょう・・・」
「お、おぉ、なんか大変そう!」
やばい、ここに来て二回も迷うなんてよ、もしかしたら空なら知ってるかもしれない、
起きるまで待つか。
「まさか気を失うなんておもわへんかったわ、この子、ここまで臆病だったんやな」
もしかしてこの幽霊なら分かるかもしれない、一応聞いてみるか。
「なぁ、お前はこの場所知ってるか?」
「この場所やて?・・・しらへんなぁ」
「マジかよ、こうなったら空に賭けてみるしかないか」
しばらく経ち、空の目が覚めた。
「は!わ、私は何を!」
しかし、空が目覚め直後、上から声が聞こえた。
「きゃーー!!」ドン!
「うわーー!!」ガク
その声の主は空の近くに降ってた、そのせいで空はまた気絶、まぁ、目が覚めた直後にいきなり何かが
降ってきたらそりゃあ、驚くよな、気を失うほどじゃ無いと思うがな。
「うぅ、痛たぁ、何もあんな高いところから落とさなくても良いのに」
そこには俺の世界で遭遇した少女がいた、確か小雪だったか。
「あ、龍治さん!ようやく会えました!」
小雪は楽しそうに挨拶してきた、目の前でぶっ倒れてる妖怪には気が付いてない様だが・・・。
「なんでここに来たんだ?」
「えっと、龍治さんの家に行ったら女の人がいて、その人に連れてこられたんです」
なんで家に女の人が?・・・もしかして、アルスの奴、俺達がここに来てる間は俺んちで
のんびりしてるのか?はぁ、あいつならやりそうだな。
次回は番外編です、小雪は一体どうしてこの世界にやってきたのか、いつ龍治に会ったのか?
それが明かされる
次回もお楽しみに!