妖狐の戦い
今回は青VS紅の戦闘が始まります、その戦いには2つの意思が存在する、彼女は戦えるのか?
勝つのは一体どっちか
是非ご覧ください!
青には今は4つの戦闘スタイルがある、攻撃特化の豪の型、守りに特化した護の型、
速さに特化した閃の型、技術に特化した技の型、この4つだ。しかしこの4つのスタイルを青が自主的に変化
させる事は出来ず、俺の指示が無いと不可能だ。
「俺も手を貸そうか?」
「いいえ、紅とは私1人で戦います」
青は本気だ、この勝負に下手に手出しはしない方が良さそうだな、どっちが勝つかは分からないが。
しかし、青は俺の助けが無いとスタイルの変化も出来ないし、大技を決めることも出来な。
その技はスタイルごとにあり、豪の型では、強力な炎を放つ下弦焔、強烈な斬撃を放つ時空斬
閃の型で一瞬で間合いを詰め、瞬間的にスタイルを変えられる瞬光、現状はこの3つだ。
「さぁ!行くよ!」ダ!
「ここで負けはしない」スゥ、たん!
紅は一瞬で青に近付いた、その動きは見えないほど速く、青も避けきれないようだ。
「うわ!」ザ!
「そこ!」ブン!ガン!
その攻撃に対し、青はギリギリで守りの体勢を取った。しかし、今の青の型は豪の型だ、守りは弱い
その為、この防御は意味をなさず、青は吹き飛ばされた。
「うわぁ!」ズザァーー!!
「青!」「お姉様!」ダ!
俺と空は同時に青に駆け寄った、ミアは紅をじっと見ている、そのお陰か紅は動かない。
「大丈夫か!?」
「う、ぐぅ、だ、大丈夫です、まだ動けます!」
青はこう言うが、このままだと青は紅には勝てないだろう、確実に紅の方が実力は上だ。
「・・・それじゃあね、黄、空、またこの世界を壊したら会いに来る」
「待って!紅ちゃん!」
「・・・またね」スゥ
紅は姿を消し、その場には俺達だけが残された、俺の予想ではあいつが今回の歪みの元凶。
ただ、何かが違う、そんな気がしている。
「・・・紅ちゃん、どうしたってのさ・・・」
「お姉様、大丈夫ですか?立てます?」
「うん、大丈夫」
青は傷心しているようだ。しかし、青が勝てないとはな、とにかく今は回復を優先するか。
「お姉様が勝てないなんて思いませんでした」
「・・・うーん、私思うんだけどさ、青ちゃんもさっきの紅って子も手加減してたよね?」
「うん、どうも本気で戦えなくって」
やっぱり加減してたのか、さっきの紅の一撃、あれも本気だったら青は動けなかっただろうな。
しかし、青は大丈夫か?あいつが元凶だとしたら青には酷な戦いを強いることになるだろう。
聞いてみた方が良いか。
「で、どうするんだ?お前はあいつを倒せるのか?」
「・・・私は・・・紅ちゃんを・・・」
「難しそうなら良いんだぞ?もし駄目そうなら俺達が倒すぞ?」
青は目を瞑り、しばらくの経過し、ゆっくりと目を開けた。
「やります!私にやらせてください!」
青のその言葉は力強く、確かな覚悟を読み取れた。
「そうか、それなら安心だ」
「龍治様、ご心配をかけてすみません」
青はまだ少し迷いがあるようだが、今は大丈夫そうだ。
「それじゃあ、紅さんを探さないといけませんね」
「そうだね、じゃあ、空、ご飯を作って?」
「はい!任せてください!」
切り替えが早いのか、食いしん坊なのか分からないな。食事が終わり1日が経過した。今日はどうするか
とにかく情報収集だ、紅の場所が分からないと倒すどころか接触すら出来ないからな。
「それで?どこで情報を集めるんだ?」
「えっと、どうしましょう」
「出雲様はどうですか?お会いしてくれると良いんですけど」
出雲、確か安倍清明の式神だっけ?そんなに力があるのか。
「確かに出雲様なら知ってるかもしれないね」
「・・・出雲様って誰?」
ミアは出雲の事は知らないようだ。まぁ、人食い妖怪だしな式神の上位なんて知らないか。
「えっと、出雲様は昔、この世界に人間がいたときに陰陽師の晴明様の式神をしていた方です」
「陰陽師?式神?ねぇ、式神って何?」
こいつに式神について説明した事無かったっけ?
「えっと、式神って言うのは主との契約して、ともに行動する存在です」
「じゃあ、主が悪い奴だったら式神も悪い奴になるんだ」
「それは違うかなぁ、もし龍治様が悪い人になっても意地でも戻します!あ、すみません」
「気にするな、以外と頼りにしてるからよ」
最悪俺が悪い奴になったとしてもこいつがいるしな。
「それでは、説明も終わりましたし、出雲様の元に行きましょうか」
「わかった!面白そうだし!」
俺達は出雲がいるという場所に行った。その場所はやけに大きく、地主の家みたいな感じだ。
門番までいるようだしな。
「出雲様の住処に何様だ?」
「えっと、出雲様にお話を・・・」
「・・・ふむ、契約を済ませた妖狐か、久しぶりにみたねぇ」
「出雲様!?」
門から青い髪の毛で髪を後ろでとめた、背の高い女の人が出てきた、目の色も青色で、ちゃんと耳と尻尾も生えている、服装も当然和服。出雲も妖狐族だったんだな。
「来なさい、聞きたいことがあるんでしょ?」
「は、はい!」
「お、おお、お姉様!わ、私達、出雲様とかか、会話を!」
「お、おお、落ちついて!」
青達はすごく焦っている。それだけ妖狐族にとって出雲は大きな存在なんだろう。俺達は奥の部屋に案内された、その部屋は和式で、かなりの広さだ。その部屋は俺達の他にも1人、狐耳の女の子がいた。
「お?出雲、その子達はなんじゃ?」
「ミキ、なんでしれっといるの?」
その女の子は金髪で髪は長く、和服の小さい女の子がいた、耳と尻尾の色も金色だ。
「だって、妾神様じゃろ?」
「え!?」
「神様!?」
神様、すごくしれっと言ったな。神様ってこんな軽い感じなんだろうな。なんか、日本の神様って
感じだな。さて、俺は問題ないが、青と空はやばそうだな、緊張でぶっ倒れそうだ。
「あ、あわわ・・・ど、どうしよう、ま、まさかミキ様と出雲様のお二方と・・・」
「りゅ、龍治様とミアちゃんはなんでそんなに余裕そうなんですか?」
「え?神様ってあれでしょ?なんか偉そうなのでしょ?」
「あわわ!駄目!駄目だって!そんな事言ったら!」
「あはは、気にするな、軽い感じの方がこっちも楽で良いからのう」
軽いな、やっぱり日本の神様って軽いんだな、海外の神様だと堅苦しいのに、まぁ、実際は知らんがな。
「・・・そういえばおぬしら」
ミキは青と俺を見てそう呟いた、なんだか目が少しマジだ。
「ひゃい!なな、なんでございましょうか!?」
「焦りすぎじゃ、妾はただの神じゃぞ?」
ただの神ってなんだろうな。まぁ、考えてみれば日本の神様って八百万もいるからな。
「それで?なんだ?」
「あぁ、おぬしら相当の戦闘力があるの、末恐ろしい存在とはこういう物なのじゃろう」
「あ、ああ、ありがとうございましゅ!」
かんだな、思いっきり。でも青はかんだことすら気付いてないみたいだ。焦りすぎだな
その様子を見てミアは爆笑しるのを空に押えられてる、空は焦ってミアを押えている、その様子を見て
ミキは軽く笑っている、出雲も同じように笑っている。
「話を戻すけど、男、あんたは色々と恐ろしいのぅ」
「え?俺か?」
「あぁ、成長能力が恐ろしい、その上馴染むのも得意そうだ」
2つともアルスに言われた才能だな。確か俺の能力は知識、成長、調和だっけか、そんでもって
青は戦闘、成長、調和だっけか。
「それに、そこの狐もよく似ているねぇ」
「ミキ、そこまでにしときな、この子達は話を聞きたいそうだから」
「ふむ、そうかい」
「それじゃ、質問をするぞ」
この話は本来、青か空がするべきなんだろうが、こいつらはテンパりすぎてろくに話せそうに無いから
俺が質問するしかないな。
「ふむ、黒い妖狐ねぇ、多分、禍津狐の事じゃろう」
「禍津狐?」 ピク
青がピクリと反応した、どうやら心当たりがあるようだな。
「禍津狐ってなんだ?」
「禍津狐は妖狐族のイレギュラーじゃ、馬鹿な連中は全ての禍津狐が厄災の種なんて馬鹿げたことを
抜かしておるんじゃ」
「どういうことだ?」
「出雲、説明頼む」
「はいはい、説明するわ」
紅の話については出雲が話してくれるそうだ。そこはミキよりも出雲の方が詳しいのかもな。
そして、その話を青は真剣に聞いている、さっきまで焦ってたのにな。
「禍津狐は妖狐族の中で単体最強ね、主がいなくても強靱な力を発揮することが出来る、その力は他の
種族を圧倒できるほどよ、そのせいで同族にも、他の種族にも嫌われてるのよ、だから恐れた力の弱い
妖怪達がこの子達を迫害するのよ、そして迫害された子が反乱を起こす、まさに悪循環だ」
「・・・だから、こんなことを・・・」
意外だな、こんな平和そうな世界でも嫉妬をする奴も居るんだな。
しかし、完全に悪意がない相手、そんな相手は難しい、外道ならば一度折れればそこまでだ。
ただこういう悪意だけで動いてない相手はそう簡単には折れないからな、特に動機が復讐だったらな。
「まぁ、あんたらも分かってると思うが、こういうタイプは面倒だよ?なんたって賛同する相手も多い
この世界に不安を抱いている妖怪も少なくないからねぇ」
意外だな、こんな平和そうな世界なのによ、そんな世界でも嫉妬はあるんだな。
「あの、それで紅ちゃ、いや、禍津狐はどこにいるか分かりますか?」
さっきまで緊張しっぱなしだった青がはっきりと質問した。それだけ紅が気になるんだな。
「残念だけどそこまでは分からない、ただ、天狗あたりなら知ってんじゃないの?」
「天狗ですか?」
「あぁ、そのトップが剣魔って言うんだけど、そいつが中々情報通でね、ミキの知り合いなんだよ」
「そうじゃのう、でも最近会ってないんじゃが?」
「じゃぁ、久々にあってきたら?」
「それもそうじゃの」
ミキは協力的な神様で良かった、ただ剣魔はどうだろうか、まぁ、ミキの知り合いなら大丈夫そうか。
「さて、これが地図ね、この場所よ」
その場所はかなり遠くにあるようで、結構歩かないといけないな
「それじゃ、妾は先に行って話を付けておこう、おぬしらはのんびり来な」
ミキは姿を消し、その席には飲み干されたお茶と油揚げが乗っていたお皿が残っていた。
次回は剣魔の場所を目指します、その場は遠く、かなりの遠出になることだろう、しかし、目指さないといけない、紅の場所を聞かないといけないからな
次回もお楽しみに!