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退屈な世界とのお別れを~妖怪達の楽園~  作者: オリオン
プロローグ、次なる目標
2/14

妖怪の国、騒がしい始まり

今回から妖怪の国へ突入!人間に拒絶された妖怪、もしも、その妖怪達にも拒絶される妖怪が居たら

食べ物の無い妖怪が居たら、果たしてこの妖怪達にとってこの世界は楽園なのでしょうか?


是非ご覧ください!

「出て行け!この厄災の種め!」


なんで、私、何もしてないのに!?私はただ普通に生きてるだけなのに!


「だまれ!この禍津狐が!」


なに?何のこと?・・・もう嫌だ、なんでこんな目に遭わないといけないの?私はいらないの?


「ああ、そうだ!お前は消えるべきだ!」


・・・私は、いらない子、ならもういいや、こんな目に遭うくらいなら、死んだ方がまし


「どこに行くの?そっちは危ないよ?」


だれ?いや、誰でもいい、どうせ私の目を見たらこの人だって私を否定する


「ねぇ、どうしたの?」


どうでもいい、でも、最後に誰かの顔を見るのも良いかも、何ヶ月もの間見てなかったし


「あぁ、やっとこっちを向いてくれた、どうしたの?」


あれ?おかしいな、全然怖がってない、私を否定しない、なんで?


「とにかく駄目だよ、そっちは危ないってみんな言ってるし」

「・・・いいの、どうせ私の居場所は無いんだ、だから」

「?よく分からないけど、居場所が欲しいなら私がなってあげる」

「え?でも私は禍津狐、災いの種だよ?」

「あはは、良いよ、災いなんて、正直私は誰かを見捨てるのは嫌だから」


・・・初めて、私の正体を知っても一緒に居るって言ってくれた人、嬉しい、こんな人が居るなら

もう少し生きてみたい、この世界を知ってみたい


「あなた、名前は?」

「名前は無い、でもみんなは私をこうって呼んでた」

「あはは、奇遇だね、私もこうって言うんだ・・・」


「は!・・・黄が居なくなって、ずっと同じ夢・・・まぁ、良いか、さて、復讐を再開しないとね

災いを振りまく禍津狐として」





アルスに連れられ、妖怪の世界にやってきた俺と青、場所は全く分からなかった


「ここはどこだ?」

「えっと、確か家の近くの森の奥だった気がします」

「ほう、じゃあ、道も分かるのか?」

「はい、こっちですよ」


青は迷わず森を進んだ、一切の迷いも無く、だが


「あれ?ここはどこでしたっけ?」


迷った、迷い無く迷った、頼りないな、だが、本当にここどこだ?木しか無いぞ


「青、迷うってどういうことだよ・・・」

「いや、そのですね、言い訳になりますけど景色が変わってたと言いますか」

「じゃあ、せめて悩めよ」

「今は悩んでます!」

「さっき悩めよ!」


異世界に飛んでから間もないのにもうピンチだ


「あ!見てくださいよ、あれ!人食い妖怪ですよ、懐かしいなぁ」

「ふぅん、そんなのが居るんだな」


そこには真っ黒い髪の毛で髪が短く、和服の女の子みたいな妖怪が居た


「・・・腹減った」

「なんか腹減ってるみたいだし、近寄らない方が良いんじゃないか?」

「大丈夫ですよ、妖怪には無害ですから」

「・・・良い匂い」


なんか人食い妖怪がこっち見てる、ものすごくこっち見てる、なんかよだれも出てる


「・・・あ!そういえば龍治様って、人間でしたよね?」

「うまそう!食わせろ!」ダダ!

「うお!あっぶねー!」


人食い妖怪は飛びかかってきた、危うく頭からおいしくいただかれる所だった


「きしゃー!!」ダダ!

「とにかく逃げろ!」

「ごめんなさい!私が龍治様が人間だって忘れてたばっかりに!!」

「なんで忘れてたんだよ!!」

「だって、強すぎて人間とは思えなかったから・・・」

「ひどいな!」

「でも大丈夫、だって人食い妖怪は・・・って逃げないでくださいよ!」


とにかく逃げ回るしか無い、必死に逃げていたら小さな村に着いた、人食い妖怪はまだ追いかけてくる


「ここなら大丈夫なはずです!」

「うおーー!!食べさせろーー!!」

「どこら辺が大丈夫なんだよ!」

「きしゃーー!!あ」ポフ

「あれ?」


人食い妖怪は急に勢いが無くなったと思うと俺に軽くぶつかってきた、でも牙は立ててこない


「どうしたんだ?」

「あぁ、お腹がすいて、もう力が入らない・・・」

「あぁ、あれが最後の力だったんですね」

「最後の力怖すぎだろ」


まぁ、何がともあれ無事で良かった、しかし、この妖怪どうすっかな、このまま村の外に放置じゃ

死ぬだろうし、でも、回復されて喰われるのもごめんだし、うーん


「誰か居るんですか?」ガチャ

「ん?あぁ、すまん」

「え!?人食い妖怪!全滅したのかと思ってましたが」

「どういうことだ?」


この女の人が言うには人食い妖怪はちょっと前に全滅したそうだ、死因は当然餓死、食す人間がおらず

全滅したって言うことらしい


「とにかくどうぞ、人間さんなんて珍しいですしね」

「良かったですね、龍治様」

「え?お、お姉様?」

「え?あれ?くう?」

「あ、あぁ、お姉様、お姉様ぁーー!!」だき!

「うわ、く、苦しい、苦しいって!」


なんだか分からんがこいつは青の妹の様だ、確かにどことなく青に似ているな、髪の毛もきつね色だし

耳も、尻尾もある、胸は・・・そっくりだな、目の色も黄色だしな、とりあえず家に入れて貰った


「えっと、紹介します、この子は私の妹の空です」

「なぁ、1つ良いか?」

「なんですか?」

「名前は無いんじゃ無いのか?」

「はい、ありませんよ?」

「じゃあ、空ってのは?」

「そうですね、この村での呼び名って所でしょうか」


つまり、この村では青の妹の名前は空って事か、なんで空なのかは分からんが


「あぁ、ちなみに私は昔は黄って呼ばれてました」

「何でだ?」

「目の色が黄色だから黄、こんな理由ですね」

「基本は目の色で名前を決めるんですよ」

「じゃあ、なんで空はその名前なんだ?」

「嫌だなぁ、姉妹そろって黄だったら分からないじゃ無いですか」


確かにそうなんだが、なんの理由でこの子は空になったんだろうか


「えっと、私が何で空って呼ばれてるのかですが、空を見るのが好きだったからです」

「ふぅん」

「分かってもらえたみたいですね、じゃあ、今度は龍治様の紹介をします」


今度は俺の紹介ね、空はどんな反応をするんだろうか、気になるな


「この人は龍治様、私のご主人様、とっても強くて頼りになるんだよ」


しれっと言われると恥ずかしいな


「つまり、私のお兄様ですね!」

「「へ?」」


正直びっくりした、いきなり私のお兄様とか言われても驚愕しかしない、何でだ?


「えっと、空、なんで龍治様がお兄様なの?」

「え?だって、この人がお姉様の契約者なんですよね?」

「そうだけど」

「じゃあ、私のお兄様です!」


知りたいのはそこじゃ無い、確かに結婚とかなら間違ってないだろうが、あくまで俺と青は主と式の契約だ、その契約で俺の事をお兄様と呼ぶ義理は無いはず


「その、何でそうなるのかの説明してくれる?」

「えっと、私はお姉様のご主人様は女の方ならお姉さん、男の方ならお兄様って呼ぶと決めてました」

「なんで?」

「だって、式神の契約って、結婚と同じなんでしょ?」

「「え!!」」


予想外、それは青も同じようだ、確かに契約をした場合、式と主はどちらかが死ぬまで有効だ

途中で失効することが無いため、ある意味では結婚よりも大きな物かもしれないが


「私にもついにお兄様が出来ました、大丈夫です!私も一生をかけ、お兄様に尽くします!」

「・・・よ、良かったですね、龍治様、式神、増えましたよ」

「契約してないし、違うんじゃ無いか?」

「大丈夫です!契約は無くとも!私はお兄様の式神のように頑張ります!」


なんか、すごい子だな、本気の炎ってのか?なんとなくだが目から炎が出ているようにも見える


「そうだ、お姉様、契約したって事はお名前も変わったんですよね?」

「え?あ、うん、今はせいって言うの」

「おぉ!青ですか!なんか私の名前と似ている気がします!」

「え?そうかなぁ?」

「はい!空の色だって青色ですし!」

「あぁ、言われてみたら確かにね」


なんか、空はすごく喜んでいる、こんなに幸せそうな生き物を見るのは初めてだ


「ようし!私!頑張ります!まずは料理をお出ししますね!」ダダ!

「・・・お前の妹だろ?大丈夫なのか?」

「大丈夫です、空の料理は村で一番です」

「お前よりも優秀なんじゃねーの?」

「うぐ!ひ、否定出来ませんね・・・でも!掃除とかは大の苦手なんですよ」

「あぁ、だからこの家こんなに散らかってるのか」


この家は今、ゴミ屋敷と言っても良いくらい散らかっている、やっぱり、弱点ってのはあるんだな


「得意なことが違ってて私は嬉しいんですよ」

「何でだ?」

「だって、そっちの方が2人で協力し合えるじゃ無いですか」

「あぁ、確かにな」

「それじゃあ、私は軽くこの部屋のお掃除をしますね」

「あぁ、分かった」


青は掃除を、空は料理を、この2人は特技が違ってるが、それもまた良いのかもな


「いただきます!」

「え?」ガブ!



人食い妖怪にかぶりつかれた龍治、残念、東河 龍治の冒険はここで終わってしまった、なんてことは

ありません、果たして龍治の運命やいかに!


次回もお楽しみに!

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