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退屈な世界とのお別れを~妖怪達の楽園~  作者: オリオン
第2章、より確実に、より安全に
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化け猫達の頭領

化け猫の里に情報収集をしに来た俺達。

敵対している化け猫に襲われたりしたが、まぁ、問題なく今に至る。

化け猫の物知りさんという猫のいる場所に今はいる。


「ここか?」

「うん、ここに化け猫の里の物知りさんが居るって言ってた」

「ふーん、あと、青と空とミアと小雪は何処だ?」

「あの狐達には話してない」

「ミアちゃんは小雪ちゃんを追っかけ回しとったわぁ」


ミアに追いかけ回されてる小雪が思い浮かんだ、あいつも大変だな。

しかし、ミミの奴はまだ青に敵対心を持ってるのかよ。


「ミミ、青と仲良くしろよ」

「やだ!ご主人をご主人様なんて言うなんて許せない!ご主人は私のご主人だから!

 そ、それに、もう1匹はご主人の事を、お、お兄様なんて・・・羨ま・・・許せない!」


これは、中々難しそうだ。

そういえば、あの時俺に道を教えてくれた化け猫2匹はどうしたんだろうな。



「・・・ここ何処だ?」

「ジュイ君~、速く里に戻ろうよぉ~」

「その、化け猫の里って何処だっけ?」

「馬鹿だなぁ~、こっちだよこっち~」

「そっち、森なんだけど?」

「大丈夫だよ~、信じて?」

「・・・わ、分かったよ、なんか、ここに来たときも同じ事言われた気がするが・・・まぁ、良いか」



もしかして、俺を探してたりするのかもな、間違った道を教えたのに気が付いて・・・

それで、何処かで迷ってたりな、いや、まさか・・・あり得ないよな。


「どうしたん?はよ入ろうや」

「あ、あぁ、そうだな」


俺はキビに言われて、その物知りの化け猫の家に入った。

化け猫の里の猫は基本的に家に入るときはノックは要らないらしい。


「おや?お客さんかね」

「あの、マイ様」

「おや、最近来た新入りの、確か、ミミちゃんだったかね」

「はい!ミミです!」

「その後ろの人は?」

「私のご主人と、その友人です」

「どうも」

「どうも、初めまして、キビと申します」

「鬼火が友人の人間とは、結構なレアだね」


そのマイと言われた化け猫からは、妙な威圧感を感じた。

見た目は幼めで、目も黄色、髪の毛は黒、服は白と普通なんだが、何故か存在感があった。


「・・・そこのあんた、結構な実力だね」

「そうでも無いぞ?」

「隠さないでも良い、その身に若干残ってる神の気配、戦ってきたんでしょ?」

「・・・一応な、相手はかなり手加減してくれたみたいだが」

「神が戦うのは気に入った相手で実力を認めた存在だけだ」


そうなのか、と言うことは剣魔は俺の事を気に入ってくれてたって事か?

よく分からないが、相手の気配に敏感のようだ。


「まぁ、良いか、じゃあ、何故あんたらがここに来たか、それを教えてくれないかい?」

「分かった、ここに来たのは知りたいことがあるからだ」

「知りたいこと?」

「あぁ、復讐心に呑み込まれた、力の強い妖狐族、禍津狐の紅と言う妖怪の場所を知りたい」

「禍津狐・・・ふむ、知らないな、でも、探すことは出来ると思うよ」

「本当か!?」

「あぁ、時間は掛かるだろうけどね」

「頼む!」

「分かったよ、じゃあ、しばらくの間滞在してくれ」

「分かった」


話が纏まって良かった、しかし、なんであの化け猫は俺達に協力してくれたんだ?

ていうか、こんな大事な話をしている間、青達は何処に居るんだか。


「はぁ、はぁ、なんでこんな化け物が?」

「すみません、お姉様、私がこんな物に興味を持ったせいで」

「まぁ、私も興味はあったけど、ぐ!、でも龍治様無しでこの化け物を倒すのは厳しいかも?」


私と空は山奥にあった変な象が気になって、そこに来ていた。

その象に近付くと、そこから大きな妖怪が姿を現した。

確か、入道だったかな、それも、弱点が無いタイプの。

入道は基本的に言葉に弱く、特定の言葉で姿を消す場合が多い。

でも、この入道はそんな弱点は無い、妖怪の世界独特の入道だった。

倒すには、直接戦って倒すしか無い。


「久々の戦い、我は楽しみだ」

「私達は楽しみでも何でも無いんですけど?」

「冗談を、妖怪の楽しみは闘争であろう?おぬし達もそうであるはずだ」

「私達、妖狐族は戦いよりも主に忠を尽くすことが楽しみなんですよ!」

「ふむ、ではこうしよう、お主がもし、我に敗れたら、我はお主の主を殺す」

「な!!」

「これで戦う気になったか?」

「・・・良いでしょう、主の為に命を賭けるのは、式として当然のこと!

 私に戦いを挑んだこと!後悔させてやりますよ!」

「それで良い!それでこそ妖怪だ!」


私は構えを取った、今は普段通り、豪の型だ、これなら、まだ勝算はある!


「我が生涯は闘争と共にあり!」

「戦いしか無いなんて、かわいそうな生涯ですね」

「ふん、お主もな」

「え?」

「式など、生涯、主に使われ、生涯を終える、自由なき、哀しき存在よ!」

「それは違いますね、私は龍治様に生涯を預けました、それは強制されたからでは無く

 私がそうしたかったからです、私は自分の自由を最大限利用し、それを選んだんですよ

 少なくとも、戦いしか見られなかったあなたよりは、幸せな生涯だと思いますよ?」


私が初めて龍治様の式になった理由は、力が欲しかったから、ただ、それだけだった。

でも、今はあの人の式になれて良かったと思ってる、あの人の生き方と優しさが好きだから。


「そうか、なら、我は戦いのみの生涯を正しい物と証明しよう、お主を倒してな」

「舐めないでくださいよ?私だって妖怪です!あなたには負けませんよ!」ダ!

「ほざけ!戦いに生きる我が、戦いを好かぬお主如きに敗れるはずが無い!」



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