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吹部物語。〜北原中学校吹奏楽部〜  作者: 星野 美織
2013年度吹奏楽部入部員
9/12

bassoon 宮代 唄華

小学校の頃から吹奏楽をやっていた。

「なんの楽器をやっているんですか?」

そんなこと聞かれても私の楽器を知っている人は吹奏楽関係の人を除くと少ないであろう。

「ファゴットです」

そう言うと、友達でも先生でも困惑する。そりゃそーだ。ファゴットなんて、真ん中に隠れているんだから。

中学校に上がったら、吹奏楽団をこのまま続けるか、学校の吹奏楽部に入るか。

そもそも、北原中学校の吹奏楽部にファゴットはあるのだろうか。

そんな気持ちのまま、放課後、音楽室へ向かった。

「あ、吹奏楽部へようこそ!私は部長の(あずま)です!」

と、クラリネットを持った東?先輩がこっちに向かってきた。

「お名前は?」

「宮代 唄華です」

と、先輩はノートをみて、

「あぁ! 唄華ちゃんね!」

と、うなずいた。

そうだ、たしか、体験入学の時に、

《吹奏楽部に入部しようかな……?と思っているあなた! ぜひ名前を書いてこの吹部ボックスに入れてね!》

と、書かれた《吹部ボックス》に名前を書いて入れたのだ。

「初心者?」

と、首を傾げて先輩に尋ねられた。

「あ、小学校の時ファゴットやってたんですけど……」

「ファゴット!? ……ごめんね、うちでファゴット吹いてる先輩はいないの。でもね、1台だけ楽器があるから、ちょっと先生に聞いてみるわ」

と、職員室に連れて行かれた。

「失礼しまーす。小林先生いますかー?」

「おお、どうした?」

と、小林先生? がこちらに向かってきた。

「この子、宮代さんです。小学校の時にファゴットやってたらしいんですけど……」

「おお。なかなか珍しいな」

やっぱり驚くよね。

「どうする? もし入部するならファゴットできるよ」

「私、入部します! 」

「そっか。ありがとう」

と、小林先生は笑った。


2年後。

「ミーティングしまーす!」

「「はい!」」

私は、部長に選ばれた。

部長は辛い。

みんなに信頼されて、仕事もこなさなければならない。

だけど、とってもやりがいのあること。

今年の夏、部員として、部長として、全力で演奏する。

そして、関西へ絶対行く!


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