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吹部物語。〜北原中学校吹奏楽部〜  作者: 星野 美織
2013年度吹奏楽部入部員
8/12

baritone sax 浅野 友梨

あーあ。

パーカッションになれなかった。

私、あいつに負けたんだ────。

あたし、浅野 友梨は、小学校から仲の悪かった"あいつ"と、なぜかおなじ吹奏楽部に入った。


さかのぼること3日前……

「ねぇ、友梨、第一希望なににした?」

「あたし? あたしはねぇ、」

と、指差したのはキラキラと光るドラムだった。

「「パーカッション」」

は? 誰かおなじこと言った?

と、あたしとおなじ方向を指差していたのは、大っ嫌いな"あいつ"だった。

「はぁぁぁあ!? なんであんたがいるんだよ!」

「それはこっちのセリフよ!」

今年の打楽器の募集人数は1名。

仮に第一希望があたしとあいつだけだったとしても、こいつかあたし、どちらかしかなれない。

もー!っぜーったい負けないんだから!


2年後。

「───ってなわけで、いまにいたるのよ」

「へぇー! そうなんですか!」

と、後輩である亜利沙ちゃんが目をキラキラさせる。

あたしは自分の首からぶら下がっている楽器を撫でた。

バリサク。それがあたしの相棒。

バリサクって決まった時、重いし、音もでないから、正直向いてないのかなって思った。

だけど、音が出た時、すっごく嬉しかった。

そして、ずっと隣にいた"あいつ"は、もういない。

あのとき、ものすごく後悔した。

あいつは、空気に耐えられなくなってやめちやった。

本当は続けたかったはずなのに。

あたしは、あいつの分までコンクールで悔いのない演奏をする。

そして、あいつとあたしで関西へ行くんだ。

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