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吹部物語。〜北原中学校吹奏楽部〜  作者: 星野 美織
2013年度吹奏楽部入部員
7/12

tenor sax 狩絵 聖香

あ。

サックス。あれ、誰だろう。

めっちゃ上手。小学校の頃からやってたのかな?

あたしは小学校の頃から吹奏楽団に入ってて、テナーサックスをやっていた。

正直、練習と勉強が両立できなくて、やめようと思っていた。

それに、1つ下の茉莉花ちゃんもいないし。

よく一緒に練習したなぁ……。

あ、考えるのはやめよう。

帰ろ帰ろ。


-----------

よし、勉強しよう。

カリカリ……。

なんでこんなに進まないんだろ。

あ、いつも音楽かけながらやってたっけ。

あたしはイヤホンを取り出し、

気付いたら小6の時にやってたあの曲が流れていた。

無意識に指を動かしていた。

やっぱり、サックスやりたいんだ。

あたしはカバンから入部届けを取り出し、

『女子テニス部』という文字を消して、

『吹奏楽部』と書き直した。



2年後。

あたしは、パートリーダーになった。

勉強と部活も両立できてる。

こんなに楽器が楽しいと思ったのは、吹奏楽団に入った時以来だ。

でも、サックス希望の人があたしだけなんてびっくり。

意外と少なかったな。

「そこ! もっと倍音きいて」

「「はい!」」

今年は1年生が3人もいる。

マリアちゃんもフランスでテナーをやっていたらしい。

だから、時々言われるんだよね。

「テナーうるさい!」

ほら、また言われた。

はいはい。すみません。

今年、最後のコンクールは、関西大会。

そして、笑顔で引退すること、そして、

先輩の背中をしっかり後輩にみせる。

あの時、吹奏楽をやめていなくてよかった。

もしやめていたら、今頃後悔しているから。

あたしは、過去の自分に向かって微笑んだ。

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