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吹部物語。〜北原中学校吹奏楽部〜  作者: 星野 美織
2013年度吹奏楽部入部員
2/12

flute&piccolo 派野 椎奈

「はぁ……」

不安だ。不安と言う2文字しか脳裏にない。

今年琥珀市から葉月市に引っ越してきた私。

知り合いも、顔ぶれもいない。

そんなゼロからスタートの私は、何をしたらいいのだろう───。


1週間後。

私は、全部単独行動だ。

【吹奏楽部! Let's enjoy! 部員募集中♪】

ピッと1枚のチラシを渡された。

「吹奏楽部、ぜひ体験きてくださーい! いま、音楽室で楽器体験会やってまーす」

小学校の頃、フルートをやっていた。

独奏より、合奏の方が楽しいかもしれない。

そう思って、とりあえず音楽室へ来てみた。

「あ! きたきた! 吹奏楽部へようこそ〜!」

と、クラリネット? ってゆー楽器を持った先輩がこっちに来た。

「お名前は?」

「あ、派野 椎奈です」

「んー、聞いたことないなー……、小学校どこだった?」

「あ、真綾小学校です。琥珀市の……」

「あー! 琥珀の方から来たの!へぇー」

と、私を見つめてる。緊張するな……。

「あなた、見た目的にフルートっぽいよね!」

「あ、私、フルートやってました! 」

「え!? マジか!」

もう1人の先輩?が来た。

あ、フルート持ってる。

「じゃあ、椎奈ちゃん?はフルートで決定だね!フルート今人数足らないし、こばTにゆっとく!」

と、手を引っ張られてフルートのところへ連れて行かれた。

「自分の楽器持ってる?」

「あ、はい。いま家にあります」

「じゃあ今日はこの中から好きなのを選んで!」

「はい」

あれ? なんかもう入部決定みたいになってるよーな……。ま、楽しそうだしいいや。



2年後。

私は今、フルートではなくピッコロを手にしている。

「椎奈ー!」

隣には、必ず仲間がいる。

「んー?」

「午後から外で練習だってー! タオル忘れんなよー!」

「もー、わかってるって!」

去年の3年生が引退してから、私がピッコロをすることになった。

生まれて初めてのピッコロ。

最初はすごくむずいなって思ったし、私なんかでいいのかなと思った。だけど、遥がすごく応援してくれた。

もちろん、今年のコンクールは初めてピッコロとして出場する。

だけど、それだけじゃない。今年で最後なんだ。

中学校生活最後のコンクール。

金賞、いや、関西に絶対に行く。

私の脳裏には今、全力疾走と言う4文字しかなかった。

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