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OOO ~Original Objective Online~ 改訂版  作者: 1048
第一章 第六部
59/65

サラベール山脈(街)

『ブレッド君、そこを五秒程抑えていて下さい。サラちゃんは、下がりながらブレッド君の回復を。アキラは、〈緋火扇〉で援護をお願いします』


『ぐっ、五秒………了解です』


『お任せください。〈ウォータヒール〉』


『了解。〈緋火扇〉、もう一つオマケで〈緋炎扇(ひえんせん)〉』

ブレッドを壁越しにしてアキラが〈緋火扇〉と〈緋炎扇〉を連続で放ちブレッドに近付く魔物を蹴散らしていく。サラの回復とアキラの援護を受けた事でブレッドも魔物を後ろへと通さない強固な壁役として再び戦場の前線に君臨している。


アキラの放った〈緋炎扇〉は初めて見るアーツだよな。名前や見た目からすると〈緋火扇〉の上位系か、派生系だと思うけど………威力の方は段違いだよな。なにしろ、あの一瞬だけで最後尾から近付いてきた一匹の魔物が消し炭へと変化しているからな。


『皆さん、少し離れて下さい。範囲魔法行きます。〈ボルト〉』

うん。ここはヒナタに任せていても大丈夫そうだな。全く頼りになる後輩達だよ。


『続けて行きます。サラちゃん………』

ヒナタの指示に従い、皆が間合いを気にしながら仲間達が次の連繋を取りやすいように動いていく。


今僕達が戦っているのは、何回目かのスノーラビットの群れ。街に近いフィールドエリアで、こんなに大量の魔物が湧くのは珍しいんじゃないのか?と言うくらい魔物が湧いている。まぁ、【ポルト】に向かう洞窟ダンジョンの最奥で出会った魔物の群れや森の奥にいるビー達程では無いのだけど………やっぱり、一度でも大量の魔物の群れとの戦闘を経験していると気持ちが楽になるな。


ちなみに、このスノーラビットは真っ白で羊のように暖かそうな(羨ましい)モコモコを身に纏っているにも関わらず、動きが早い。多分、雪面に特化した構造()になっているから出るスピードなんだろうけど、数を相手にした時には少し面倒だと思う。


〔『主よ、そんな事よりも、主だけが単独行動で良いのかの?』〕


〔『おいおい、流石に単独行動(ソロ)は失礼だろ?これでも、一番強くて面倒臭そうなのを皆の方に行かないように抑えているんだからな』〕

僕が皆と少し離れた場所で、たった一人で戦っているのは、スノーラビットの群れをまとめるリーダー的な存在(だと思う)。


何故、それが分かるのかと言うと、いつものように《見ない感じ》で確認したからでは無く、他のスノーラビットと比べて明らかにサイズが違うからだ。それも、センチ単位では無く、メートル単位で………


普通のスノーラビットは体長約一メートル。対するリーダー的存在(デカブツ)は、その約三倍。僕達プレイヤーよりも一メートル以上は大きい。それだけを聞くと《探索》していたら真っ先に見付けやすそうな魔物だけど、スノーラビットの群れとの戦闘中に、どこからともなく乱入してくるタイプの魔物のようで、真っ先に見付ける事には至ってない。まぁ、遠くから、このデカブツが見えていたなら、僕は絶対に戦闘を回避してたけどな。こんなのを相手に一人(ソロ)で笑顔を見せながら意気揚々と向かっていくのは、僕の知る限りでは我がお姉様と幼馴染みくらいのものだろう。


笑顔のヒナタに、デカブツの相手を一人でお願いしますと言われたのに加えて、誰一人として反対意見が無かったので、なんとか頑張っているけど………こう言うのは本職の前衛(ブレッド)の仕事だと思うな。こう言ってはなんだけど、ちょっと皆さんの僕に対する評価が高過ぎやしませんか?


〔『………今さら手遅れ』〕

それを言われると、元も子もないのだけど。


まぁ、スノーラビットの数が数だから、向こうの四人も大変だとは思うけどな。ちなみに、最初からスノーラビット達も今闘っている数十匹の群れだった訳では無く、数匹との戦闘中に周囲からどんどん集まってきた結果だ。


〔『主よ、そろそろ主も真面目に戦うのじゃ』〕


〔『シュン、ヒナタ(お嬢さん)のMPがピンチなのだ』〕

真面目にと言う言葉は腑に落ちないけど、黒の言う通り、このデカブツをなんとかしないとダメだよな。まぁ、その前にシヴァに忠告されたようにMPの切れそうな回復役(ヒナタ)メインアタッカー(アキラ)のMPだけは回復しておくけどな。


僕は、一瞬ヒナタ達の方を振り向くが、その隙を突いてデカブツは、身体以上に大きな耳を振り回して近付いてくる。まぁ、デカブツ唯一の遠距離攻撃である《氷魔法》は、最初から僕が念入りに《相殺》しているのでまともに使えない状態だからな。自らが近付いてくるしか攻撃方法が無い訳だけど………


周りの木まで真っ二つにしているところを見ると、耳の攻撃は風属性を持っているか、相当の威力が有るんだよな。まぁ、デカブツが派手に切り倒した木材達は、あとで僕が美味しく回収するとして、まずは………


僕は、作戦を考えながら、ヒナタとアキラのMPを回復させる。


〔『………主にブレなし』〕


牽制と行動制限を優先して、白の《吸収》と黒の《相殺》を上手く使って戦っているが、デカブツのHPが高いので効果が薄い。このままだと、負ける事だけは絶対に有り得ないけど、戦闘を終わらせらには時間が無駄に掛かりそうなんだよな。


普通に【ソル・ルナ】や【魔氷牙・魔氷希】を使わないのは、このデカブツが斬撃耐性と射撃耐性を持っているからだ。通常のスノーラビットが斬撃耐性しか持っていない事をみると、やっぱりコイツはリーダー的(特別な)存在なのだろう。白の《吸収》も一応射撃属性なので、普段よりも効果が格段に薄いからな。


はっきり言うけど、射撃耐性を持っている時点で、僕との相性は最悪なんだよな………と言うか、どう考えても《銃士》に優しい魔物では無いし、僕が一人で戦うのが間違いなんだよな。


まぁ、射撃耐性自体はヒナタは分からない事なんだけど。そろそろ、斬撃系が通りにくい事には気付いてそうだな。向こうも斬撃系の攻撃を控えてアキラの属性アーツやヒナタとサラの範囲魔法で攻めてるくらいだからな。


〔『ここは我を使うのだ』〕


〔『う~ん………それは、まだ大丈夫かな』〕

僕はシヴァからの魅力的な提案に戦闘中にも関わらず一瞬考え込む。シヴァに制限が無ければ、それが一番良いのは間違い無いのだけど。いや、むしろこの場合は率先して使っているのかも知れないな。この先に何が有るか分からないのだから、切り札は最後まで残しておくものだろう。


〔『では、どうするのじゃ。主よ』〕


〔『どうしようかな?白と黒は、何か良い案ない?』〕


〔『………無計画(ノープラン)』〕


『あぁ、そっちはダメダメ、通行禁止だ。《曲射》』

まぁ、実際のところは、《心話》で冗談を言い合っている場合でも無いんだよな。


〔『取り敢えず、黒は少し休憩だな。久し振りに《拳》で戦ってみる』〕


白で牽制と《吸収》しながら、振り回している耳を掻い潜り、素手で横腹にパンチを繰り出していく。掻い潜る最中に受けざるを得ない多少のダメージ(痛み)は覚悟の上だ。


『痛っ!!』

ダメージの方は竜の力で徐々に回復するけど、感覚(痛み)だけは別物だからな。デカブツの耳に軽くかすっただけで、あの痛みを味わうなら、接近戦は本当に割に合わない気がするな。


『シュンさん、長らくお待たせしました。シュンさんは皆の援護に回って下さい。私達の魔法で倒します』

その声で周りを確認してみると、あれだけいたスノーラビットの群れは他の仲間達によって殲滅されている。ヒナタは、本当に頼りになるようになったよな。今思うと、最初の洞窟ダンジョンの頃が妙に懐かしい。


『了解だ』


いくら、耐性に優れているスノーラビットのデカブツとは言え、二人の魔法攻撃と一人の属性アーツには敵わなかった。五人で戦いだしてからは一分か二分で消滅していのだから。これには、一人で闘っていた僕からすると、ちょっとだけ悲しくなるのも事実だけどな。





『やったね!毛皮系の新素材が、かなり手に入ったよ。これだけ有ったら、新しい糸も作れるかも』


『私も毛皮系です。アキラ、この素材で防具の新調お願いしても良いですか?』

その素材なら、かなり暖かそうな装備が期待できるな。もしかしたら、スノーラビットが持つ高い斬撃耐性が付けれたりするかも知れないよな。なによりも、耐性系は防御力が高い事よりも貴重になるからな。


『うん。そこは任せて。でも、新素材だからテストも含めて、しばらく時間が掛かるかもだけどね』


『それは大丈夫ですよ。お願いします』

まぁ、あれだけのスノーラビットを狩れば、僕以外の皆だけで毛皮の量は安定するよな。僕はデカブツを相手にしていただけなので、ドロップに関しては全く美味しくない結果になっている。


実際に、僕がドロップされたのも素材では無くて、食材アイテムのスノーラビットの兎肉だけ(ただし、量だけは多い)だからな。勿論、僕としては新しい食材アイテムを獲得して嬉しくない訳では無いけど、事前に期待していた結果とは大きく違うから微妙なんだよな。


まぁ、その代わりと言ってはなんだけど、デカブツが戦闘中に切り倒した樹氷の木材や切り出した樹氷の木片は、さりげなく美味しく頂戴していたりもする。これらは水晶系の素材に合いそうだし、新しい武器の素材になる可能性が高い。その点だけが救いで本当に良かったと思えるからな。


『僕も、新しい食材アイテムが手に入ったから、今度ジビエ料理にでもチャレンジしてみるよ』


『主よ、それは魅力的なのじゃ』


『………楽しみ』

来月にはクリスマスも控えている。その時に、ジビエを料理を披露するなら、ちょっとした研究も必要になるだろうな。料理によっては時間を見付けて食材追加の為に狩りも必要になるかもな。まぁ、それは追々考えれば良い事か………


『あの~、皆さん、すみません。誠に言い難いのですが、こう言う事は、あの~………街の中でやった方が良いのでは?』


『………正論』


僕達が、ドロップを確認しながら一喜一憂しているのは、【サラベール】の街が目と鼻の先に見えている場所なので、サラに突っ込みを入れられても仕方が無いだろう。それを一緒に楽しんでいた黒に肯定されたのは意外だったけどな。


まぁ、僕達の行動に突っ込みを入れようとするだけ、さっきからずっ~と辺りを見渡してキョロキョロしているだけのブレッドよりもマシなんだけどな。二人共【noir】に、馴染んでは来ているみたいで喜ばしいけど、この辺に関してはまだまだみたいだな。


ちなみに、この辺りまで下山してくると体感的な寒さにも慣れてきているので、ドロップの確認をする前にいつもの装備に戻していたりもする。


『それもそうだよね………やっぱり、いつまでもここに居る訳にもいかないよね。うん、そろそろ色々な覚悟を決めて街に入ろうか』

まぁ、こんな目と鼻の先に街が有る場所で現実逃避気味に、僕達がゆっくりとドロップを確認していたのにも当然理由がある訳で………


ここから見る【サラベール】の街は、何故かは分からないけど、不自然なくらい活気が無いと言うか、雰囲気が悪い。他のどの街と比べても遥かに………それは、アキラとヒナタにも自然と伝わっている。二人共が現実逃避気味に自然な流れでドロップアイテムの確認を始めるくらいにはな。


それに、僕としては街の周りを囲っている外壁が所々破損しているところも気になるんだよな。まぁ、街そのものの仕様なのかも知れないのだけど、僕の見た感じ的には最近何かに(・・・)壊されたようにも感じるんだよな。あまり考えたくない事だけどな。


まぁ、アキラの言う通り、いつまでもこの場所に留まっている訳にもいかないのも事実なのだけど、気が全く進まないと言うのが正直な感想かも知れないな。


【サラベール】の街の見た目は、【シュバルツランド】の街と同じで中世ヨーロッパの建物や雰囲気を基調としているが、街の背景に雪が舞っている分【シュバルツランド】よりも幻想的で美しく、なによりも寒い。今の季節が冬だと言う事も差し引いても十分にお釣りが来るくらいだからな。ただ、現実の雪道とは違って、いくら歩いてもビチャビチャにならずに、綺麗な足跡が残るのは素敵なポイントだと思う。この足跡は数歩進む事で古いものから順に消えて行くので、街中が足跡だらけにならないのも魅力だな。


【サラベール】の街としての一番大きな機能(特長)としては、街の中にヨーロッパの各国毎にシェルターと言う名の小さな町が集まっていて、一つの【サラベール】の街になっているところだ。【サラベール()】の各入口には、大きな地図が掲示されておりイギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、スイスの各シェルターが、どこに有るのかが一目瞭然で分かるようになっている。それに、トリプルオーがプレイ可能な国が増えているからか、新規シェルターは現在も絶賛建設中らしい。


まぁ、言葉が通じる同士で冒険した方が一段と楽しいからな。この小さな配慮は素敵な仕様だと思うよな。


街の大きさ的にも、ヨーロッパのサーバータウンと言うだけ有って、【シュバルツランド】の街が軽く三つは入るサイズをしている。これくらいのサイズが有れば、【シュバルツランド】みたいに人数超過の影響で、ホームを持つ事にも苦労したりはしないんだろうな。


『やっぱり、想像通りと言いますか………見た目通りと言いますか………どこか、ギスギスしてますね』


〔『主よ、ヒナタ嬢の言う通りで、普通の街の雰囲気では無いのじゃ』〕


〔『………何かのイベント中?』〕

まぁ、その可能性は高いよな。でも、どちらかと言うと楽しくない系のイベント前の準備期間と言う感じだよな………例えるなら、僕のハーフマラソンの前の雰囲気やアクア(蒼真)が現実で受ける追試前の雰囲気に似ている気がするからな。


〔『そうだな。取り敢えずは、周りのプレイヤーに聞かれて不味い話は………今のところは特に無いと思うけど、パーティーチャットで話そうか。あっ、あと、可能ならドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語の主要五カ国の言語を《バイリンガル》で取得しとこうか』〕

【サラベール】はヨーロッパのサーバータウンだから、色々な言葉が飛び交ってそうだからな。ここでは、僕達が話す日本語が理解されるとも思っていないけど、世の中には日本語と同じ発音で違う意味を持つ外国語も多く有るので、用心しておいた方が良いだろうな。こんな事で誤解されて後々問題になるのも嫌だからな。


〔『了解。それくらいの準備は有った方が良いかもね』〕


〔『私も分かりました。私も取得します。それで、このあとはどうしますか?』〕


〔『まずは、いつものようにゲート登録と本来の目的である書類配達からだな。そのあとは、自由行動でも良いけど………』〕


〔『それは、情報を集めてからの方が良いかもね。シュンは、王様の方をお願い出来る?私達は、少し街の中で情報を集めておくよ』〕


〔『了解だ。僕の方も終わったらコールする』〕





『多分、ここが【サラベール】の城だよな。それにしても………』

今まで見て来た城からすると、若干インパクトに欠ける(おとなしい)気はするけど、質素とか規模が小さいと言うよりも、趣が有ると言う感じだよな。普通なら、いなくてはいけない場所に門番がいないし………


〔『………黒は好き』〕

まぁ、そうだろうな。この妙に落ち着いた雰囲気が黒に似合っているから、黒が好きになるのも納得出来るよな。


〔『取り敢えず、今から城に入るから、くれぐれも静かにしておいてくれよ』〕


reception(受付所)


『レセプションか………と言う事は、受付はここで良いんだよな?』

《バイリンガル》で英語を取得していなかったら、レセプションをメジャーな意味の歓迎会や招待会等と勘違いをして、この場所の存在すら気付かなかった気がする。


まぁ、僕もヨーロッパのサーバータウンで普通に英語と遭遇するとは思わなかったけど………多分、多様な民族に対する平等の観点から、ヨーロッパ圏外の世界的にもメジャーな英語が選ばれたんだろう。ヨーロッパのどの国の言語を選んでも、選ばれた以外の国から何かしらの不平不満が出そうだからな。


………と言うか、この能力を現実にも持ち込めたら、確実に英語のテスト(リスニング)では100点が取れると思うけど。この点は、どうにか出来ないものかな?


〔『主よ、現実はそんなに甘いものでは無いのじゃ』〕


〔『………夢のまた夢』〕

トリプルオーの世界では無い現実の事に対してまで突っ込まれるとは思わなかったよ。本当に、このゲームのAi性能はどうなっているんだろうな。白と黒にもプレイヤーがいるとか、実際は生きてますと言われる方が納得出来そうなんだよな。機会が有れば、その辺りを運営にじっくり聞いてみたいよな。


〔『シュン、さっさと用事を済ますのだ。()を待たせるのはダメなのだ』〕

シヴァに言われるのだけは、何かと腑に落ちないんだよな。確かに言われている事は正論なんだけど………


僕が、いくら辺りを見渡しても他のプレイヤーはおろか、門番や受付嬢的なNPCは見付からない。見付けたのは、アンケート用紙みたいな受付用紙が一枚。ここに、名前と用件を書けば良いのだろうか?


どのみち、それ以外の方法が思い付かないからな。まぁ、ダメ元でも試してみれば良い事なんだけど………


僕が、受付用紙に名前と用件を書き終えた瞬間に、辺りの景色が一瞬で変わる。


『えっ!?』


〔『主よ、落ち着くのじゃ。どうやら、ここは既に城の中じゃ』〕


〔『ここが城の中?えっ、と言う事は………あの一瞬で転送(ワープ)したのか?ゲートも無しでか?』〕

これは何かしらのトラップなのか?もしかして、僕はかなりヤバイ状況じゃないのだろうか?


〔『シュンよ、白の言う通りなのだ。まずは落ち着く事が大事なのだ。多分、目の前におるのが【サラベール】の王様なのだ』〕

全く落ち着ける状況ではない僕に、シヴァが止めを刺してくる。こう言う時は、白達みたいに少し空気を読んで欲しいんだよな。


この状況で目の前に王様がいると言われても対処に困る………と言うか、今シヴァは王様って言ったよな?目の前を確認すると、そこには………いかにも私が王様ですと言う人物が玉座らしき物に鎮座していた。うん!?僕の遠近感が狂っているのか?やけに椅子や周りの物が小さく見えるのだけど………


〔『主よ、大丈夫なのじゃ。主は、おかしくないのじゃ。あの王様の見た目と比率の差が想像以上に大きいだけなのじゃ』〕

それは、本当に大丈夫なのだろうか?僕の命的な意味でも………と言うか、アレだけ身体が大きいなら、座っている玉座も身体に合わせて大きく作れば良いだけだと思うんだけどな。


あのイスが、僕が他の国々で見た事の有る物と同じだとすると、【サラベール】の王様は、僕の知っている人類のサイズには納まらないだろう。巨人とまではいかないけど、世界記録的は遥かに凌駕している。しかし、ただ背だけが高い訳では無く、それ相応に顔も大きくなっている………と言うか、この部屋にはどうやって入ったんだろう?明らかに王様の方が入口よりも大きく感じるよな。


『フォッフォフォ。いつまでもそんなところにおらず、こちらに来てはどうじゃ?フォッフォフォ』

こうなったら、出たとこ勝負か。白達もいるから、どんな事になっても最悪(死ぬよう)な事には、ならないだろうからな。


『失礼致します。僕は【シュバルツランド】から来ました。【シュバルツランド】で【noir】と言うギルドのマスターをしているシュンと申します』


近付いてみると、さらにそのサイズ感は顕著に現れた。王様らしい人物は、イスに座っていても(この状態をイスに座っていると表現しても良いかは別の話で、僕の位置から見れば空気イスをしている酔うにしか見えないけど………)僕よりも高い。推定四メートル以上だな。僕も背は高い方では無いけど、流石に人生の中で座っている相手を見上げる事になるとは思ってなかったからな。


『フォッフォフォ。儂は、この【サラベール】を統べる王、サララベール・フォッフォじゃ。フォッフォフォ』

このろくでもない身長以上に、ややこしく感じる名前だな。まぁ、名前以上にフォッフォフォ、フォッフォフォと言う口癖が五月蝿く感じる原因なんだろうけど………名前がフォッフォで口癖がフォッフォフォとか、マジで勘弁して欲しいところだな。


〔『………同意』〕


〔『主よ、ワシもなのじゃ』〕


『用件は、受付用紙にも書かせて貰いましたが、これを【シュバルツランド】の王から託されて参りました』

僕は、鞄から取り出した書類一式を王様に手渡す。


王は、軽く書類と手紙に目を通すと、しばらく考え込み………


『フォッフォフォ。(しか)と頂戴したのじゃ。フォッフォフォ』

良しっ!これで、四つ目が終了だな。あとは最後の一つ【チメリア】を目指していけば終わり。えっ~と、場所は………うん!?どう言う事だ?四か国目の王様(代表者)に書類を渡したのにも関わらず、クエストの進行状況が3/5のままで変化が無いよな。


『フォッフォフォ。シュンよ、そちに頼みが有るのじゃ。フォッフォフォ』


〔『………嫌な予感。ここは断るべき』〕


〔『我も同意なのだ』〕


〔『うん。間違い無く、それは僕も同じなんだけど………』〕

多分、このを依頼を受けないと書類配達(進行中の)クエストが先へと進まない気がするんだよな。やっぱり、どこの王族も似たようなものなのか………僕が、まともな王様に会える日はくるのだろうか?【チメリア】の王様に僅かながらの期待を寄せさせて貰おうかな。


まぁ、取り敢えず、話しだけでも聞いてみてから判断しようかな。無理そうな依頼なら早々に断って書類配達のクエストをリタイアすれば良いだけだ。僕の方には特にデメリットも無いからな。


『それで、頼みと言うは何でしょうか?』


『フォッフォフォ。今、この【サラベール】では、ある大きな事件が起きておるのじゃ。それの解決をお願いしたいのじゃ。フォッフォフォ』

う~ん………事件と言うのは、街で起きていると感じた異変に関係する事か?


『その、ある大きな事件と言うのを詳しく聞いても良いですか?』


『フォッフォフォ。儂にも、詳しくは分からんのじゃ。街全体の雰囲気が悪いのじゃ。なので、全ては街で聞けば分かるはずなのじゃ。フォッフォフォ』

凄くアバウト。いくら何でも、これはアバウト過ぎないだろうか?頼みが有ると言うのに内容が詳しく分からないとか、頼まれる側からすると信じられない話だぞ。


僕が内容を間違えたら、無駄骨を折る可能性も有るこの状況。間違ったクエストを意気揚々とクリアしようものなら、疲労を倍に感んじるだろう。


〔『………絶対に確固たる信念を持って断るべき』〕


〔『主よ、断った方が良いのじゃ』〕


〔『我も、それに一票なのだ』〕

これで、三票………いや、僕を合わせると四票か。


〔『う~ん、アキラ達と合流してから判断するのは、ダメか?』一応、書類配達のクエストはギルドで請けてるから、僕の一存だけでリタイアするのもな………〕

取り敢えず、この意見には三匹共に反対は無しか。


〔『じゃあ、決定だな』〕


『良い変事が出来るか分かりませんが、僕にも少し考える時間を下さい』


『フォッフォフォ。申し訳無いが、【サラベール】の未来を宜しく頼むのじゃ。フォッフォフォ』

重い………一つの街の未来を託されるとか重いよな。明らかに僕みたいな一人のプレイヤーに委ねていい負担では無いと思う。





『………と言う感じが、お城の中での流れだ。僕の方は以上かな。それで、皆の方は、どうだったんだ?』

僕達が集まっているのは、【サラベール】の神殿付近に有る喫茶店。南門のゲートからも近く、他にもプレイヤーらしき人物が何人か利用していて、お店の味のにも信用が出来そうなので僕達も寄らせて貰っている。まぁ、結果としては正解だったみたいだな。


来店しているプレイヤー達の会話からして、ここもプレイヤーのホームになっているらしく、喫茶店の調理を担当しているのも当然と言うかプレイヤーらしい。たまたま、今日はマスター(オーナー)が不在の為、雇われたNPCが店番をしているらしいけど、出てくる物はプレイヤー産の料理だ。確かに、プレイヤーが運営しているだけ有り、紅茶が上手い。僕としては、お土産に茶葉を買って帰りたいぐらいだからな。


………と言うか、僕も【シュバルツランド】で喫茶店を開きたくなってきたよな。紅茶の普及の為にも………


既に、僕の方は王様とのやり取りを説明している。まぁ、話を聞いた瞬間の四人が一瞬だけ嫌な顔をしたのは見逃さなかったけど。


『私達の方は、私とブレッド君で西側を、ヒナタとサラちゃんで東側を回って情報を集めたよ。まずは、私達から説明するね。私達が集めた情報は………多分、シュンの言っていた話と関係有る話だと思うんだけど、今【サラベール】では、とあるイベント?と言うか、大掛かりなクエストが進行中みたいなんだよね』

確かに、王様の言う大きな事件(・・・・・)と関係の有りそうな話だな。


『それで、その大掛かりなクエストって?』


『うん。元々は二週間前に開催された公式イベントが発端になるみたいなんだけど、その時に誰が引いたかは分からないけど、誰かがキークエストのトリガーを引いちゃったみたいなんだ』

聞き覚えの無い言葉が出てきたな。キークエスト………鍵のクエスト………いや、クエストの鍵か?


『私とサラちゃんが集めた情報も、それ系がほとんどですよ』


『話の腰を折ってすまないが、そのキークエストって何なんだ?』


『あぁ、そうか。シュン、キークエストと言うのは、連続して発生するクエストの鍵となる一番最初のクエストの事です。ちなみに、連続して発生するクエストはチェーンクエストと言います』

連続して発生するクエストの鍵となる一番最初か、そう言うのも有るんだな。まぁ、個人でそれに遭遇する確率は、かなり低そうだけど………


『悪いな。ブレッド、助かった。僕は、トリプルオー以外のゲームをほとんどやった事が無いからな。ゲーム用語には疎いんだよ』


『そうだったね。シュン、ゴメンね。私も忘れてたよ』

まぁ、このゲームだけは、それなりにやり込んでいるから、アキラが忘れていても仕方が無いんだけどな。


『大丈夫。気にしないで、話を続けて』


『うん。そのクエストなんだけど、全部で四段階有るみたいで今は三段階目で詰んでる状態なんだって』

詰んでる………と言う事は、それ以降が先に進まないのか、それとも進めないのか………進まないのなら、首を突っ込まなくても何かの切っ掛けでも有れば、一気に進み出すと思うから良いと思うけど、進めない(・・・・)のだとしたなら、ろくでもない事に巻き込まれる可能性が高い。


今の話を踏まえて、僕一人だけならクエストの内容次第では巻き込まれても良いとも思うけど、無理やり仲間や参加したくない白達を巻き込むのは、ダメな気がするよな。


アキラ達の説明では、最初のクエスト………つまり、この場合はキークエストになるのだが、ヨーロッパサーバー第四回公式イベント「魔物の大軍から街を守れ」と言う街を防衛するイベント中に、どのプレイヤーかは分からないが、その魔物の大軍の中にいた小さな(・・・)ドラゴンを倒した事が、トリガーとなり………公式イベント終了後に連続クエスト「ドラゴンの報復」が始まったらしい。



ドラゴンの報復


1/4 ベビードラゴンの討伐

2/4 スノードラゴンの討伐

3/4 レイドバトル・マザードラゴンの討伐

4/4 ???


クリア報酬

ドラゴン系の素材等

フィールドに下級ドラゴン解禁



3/4のレイドバトル・マザードラゴンの討伐が条件を達成出来ずに詰んでいるみたいだな。どうやら、街の外壁が所々破損していた理由は、この辺にも関係していそうだな。


このクエストは、ゲーム内時間で一日一回一時間限定で【サラベール】をマザードラゴンが襲いにくるらしい。一時間の制限時間付きに加えて、発生する時間が毎日ランダムに変わる(二日前は北門で一時間のイベント終了後に西門で次の一時間が始まったらしい)ので、タイミング良く強者を集められないらしい。それに、その出現時間を過ぎれば、マザードラゴンはどこかに逃げて次の日には全快した状態で再び現れるらしい。


仮に強者を含めて、それなりの人数を集める事が出来たとしても、現状では倒すのは難しい。その一番大きな理由が、マザードラゴンの攻撃力が高過ぎて一撃か二撃で倒されるプレイヤーが多いところにあるらしい。


一撃で倒される為、回復系のプレイヤーの出番が少ない。むしろ、真っ先に殺られてしまうのが、前衛を優先して回復しなければならない回復系のプレイヤーなのだから、本末転倒なのだろう。


あと、街の中で見掛けた限りでは、ヨーロッパのプレイヤーの主流(はやり)が前衛ソロ寄りに片寄っているのも大きな理由の一つだろう。レイドバトルには、出来る後衛(魔法職)の存在が欠かせないからな………と言うか、出来る後衛の代表格であるジュネが居れば、一人でもどうにかして倒してしまいそうな案件でも有る。まぁ、その事を思い付いた時点で僕は若干以上に恐怖しているんだけど。


そして、この状態が繰り返して二週間(ゲーム内時間で六週間)近くも続いているらしい。まぁ、二週間近くもクリア出来ない状況が続いたら、街の雰囲気が悪くなるのも納得出来るな。


4/4が???なのは、まだ3/4をクリアしてないからなんだろうけど………と言うか、この場合はマザードラゴン以上の存在が、後続に控えていると考えた方が良いのか?それは、ちょっと考えるのも怖いのだけど。誰がこのキー引いたかは知らないけど少し恨むぞ。


このクエストのキーを誰が引いたか分からないのは、|ベビードラゴンを倒した《キーを引いた》プレイヤーが名乗り出ないのは、皆から吊し上げを喰らうのを避けているからか?それとも、気付いていないのか?範囲魔法等で一気に殲滅させていたら、倒した本人自身も気付いていない可能性も高いよな。仮に、僕が引いた場合もこの状況なら名乗り出る事は無いだろう。まぁ、僕の場合はこんな状況にならなくても名乗り出る可能性は低いけどな。


実際問題としては、こう言う結果になるとあらかじめ分かっていたとしても、魔物の大軍の中に標的となるベビードラゴンが紛れていたのだとしたら、クエストを回避するのは難しかった事だろう。まぁ、新しいクエストが発生すると知っていたなら、例え結果を知っていたとしてもゲーム好き達が回避すると言う選択肢は無いとは思うけどな。特にアクアやレジーア等は喜び勤しんで、自らが率先して引きに行く事だろう。


それにしても、ドラゴン系の討伐クエストか………


〔『主よ、ワシと黒の事なら気にする必要は無いのじゃ。ワシらは上位の竜種(・・)。下位の龍種でも亜龍種でも無いのじゃ。ワシらとの格の違いを見せ付るのじゃ』〕

ドラゴンって、そんな多くの分類が有ったんだな………初めて知ったよ。


〔『………黒も、殺る(・・)気満々』〕

標的がドラゴン系と知り、さっきまで反対していた白と黒が賛成派に変わっているが、僕としては白達で同士討ちをするのは嫌だからな。さっきとは反対に気分が乗ってこないんだよな。報酬は凄く魅力的なんだけど………


〔『白達を使わなければ良い話なのだ。代わりに我を存分に使えば良いだけなのだ。シュンの欲しい素材もいっぱい手に入るのだ』〕

まぁ、この場合はそれも有りかも知れないけど、シヴァを目立つ場所で堂々と使うのは最初から却下だ。仮に使うとしても絶体絶命のピンチか最後の最後に切り札としてだけだな。だが、確かにドラゴンを攻撃するのに【白竜】と【黒竜】を使わなかったら良いだけと言うシヴァの意見は一理有るか。


使うとしても、サポートするポジションで回復等に使うのなら問題無いよな。このクエストに参加しないと書類配達のクエストが進まないみたいだし、何よりも報酬(竜の素材)には魅力的を感じるのは事実だからな。


余談だが、白達の言う上位の竜種とは名前の事では無く、二足歩行も出来るドラゴンの種族らしい。その下位に相当する、龍種は脚を持っていない蛇のような種族のドラゴンで、亜龍種は四足歩行しか出来無い下等な種族らしい。共通して言えるのは、空を自由に飛べたり言葉を理解出来る個体は、各種族の中でも位が高くなるようだ。それを踏まえると、白と黒はかなりの上位種になるんだよな。


『一応、確認しておきたいんだが、皆はどうするんだ?』


『シュンが来る前にも、話していたんだけど………私達は、時間さえ合えばクエストに参加しても良いかなって思ってるんだ。でも、白ちゃんと黒ちゃんの事を考えると………ね』

ヒナタはともかく、知り合って間もないサラちゃん、ブレッドまでが頷いているところを見ると、かなり気を使わせてるのかも知れないな。


〔『その気遣いは、かなり嬉しいよな。なぁ、白、黒』〕


〔『主よ、虎猫の姉さん達の気持ちは、ワシらにでも分かるのじゃ』〕


『本当にすまないな。それと、皆に気を使わせてるところ悪いんだけど、当の本人達………白と黒は、かなりやる気を見せてるみたいでな。正直に言うと僕が反対するだけでは止まりそうもない。それに、本人達が言うには、白達は上位の竜種で、下位にあたる龍種と亜龍種は別種族扱いらしくて、格の違いを見せたいらしい』


『『『『………』』』』

四人が四人共に、各々の形の疑惑の目で僕の銃(白と黒)を見ている。


『まぁ、僕も同じ気分だから、皆が言いたい事も分かるんだけど、素材………いや、【サラベール】の王様とヨーロッパのプレイヤー(仲間)達を助けると思って、参加してみないかな?まぁ、クエストの開始時間は分からないから、僕達が上手く参加出来るかどうかは分からないんだけどな』

まぁ、本心は一に素材、二に素材、三、四も素材で五に人助けなんだけどな。


『俺は、大丈夫』


『白ちゃん達が良いなら、私も大丈夫です』


『私もです』


『分かった。私も参加するよ。でも、こう言うのって、大概は話してたら………』


『マザーだ、マザー!!マザードラゴンが出たぞ。今回は西門だ。参加出来るヤツは急いで来てくれ!!』


『フラグが立つって言いたかったんだけど、やっぱり立ったみたいだね』

まるで、僕達の会話を全て聞いていたかのようなタイミングで、アキラが話すのを遮り地元と思わしきプレイヤーが街中を走りながら連絡を回している。喫茶店にいた他のプレイヤーには、別ルートからメールも入っているようだ。何かを一生懸命確認しているのが伺われる。


『取り敢えず、僕達も西門に急ごうか。直接マザードラゴンを見てみないと最終的な判断がつかないからな』

僕達は、地元のプレイヤーを追うように喫茶店を飛び出した。

装備

武器

【ソル・ルナ】攻撃力100/攻撃力80〈特殊効果:可変/二弾同時発射/音声認識〉〈製作ボーナス:強度上昇・中〉

【魔氷牙・魔氷希】攻撃力110/攻撃力110〈特殊効果:可変/氷属性/凍結/魔銃/音声認識〉

【空気銃】攻撃力0〈特殊効果:風属性・バースト噴射〉×2丁

【火縄銃・短銃】攻撃力400〈特殊効果:なし〉

【アルファガン】攻撃力=魔力〈特殊効果:光属性/レイザー〉

【虹鯨(魔双銃剣ver.)】攻撃力500〈特殊効果:七属性〉

【白竜Lv84】攻撃力0/回復力264〈特殊効果:身体回復/光属性〉

【黒竜Lv84】攻撃力0/回復力264〈特殊効果:魔力回復/闇属性〉

防具

【ノワールシリーズ】防御力105/魔法防御力40

〈特殊効果+製作ボーナス:超耐火/耐水/回避上昇・大/速度上昇・極大/重量軽減・中/命中+10%/跳躍力+20%/着心地向上〉

アクセサリー

【ダテ眼鏡】防御力5〈特殊効果:なし〉

【ノワールの証】〈特殊効果:なし〉



天狐族Lv72

《錬想銃士》Lv15

《真魔銃》Lv19《操銃》Lv39《短剣技》Lv41《拳技》Lv6《緩急》Lv4《魔力支援》Lv4《付与術改》Lv23《付与練銃》Lv23《目で見るんじゃない感じるんだ》Lv47《家守護神》Lv63


サブ

《調合工匠》Lv33《上級鍛冶工匠》Lv8《上級革工匠》Lv7《木工工匠》Lv42《上級鞄工匠》Lv10《細工工匠》Lv46《錬金工匠》Lv45《銃工匠》Lv36《裁縫工匠》Lv16《機械工匠》Lv24《調理師》Lv26《造船工匠》Lv2《合成》Lv53《楽器製作》Lv5《バイリンガル》Lv12


SP 12


称号

〈もたざる者〉〈トラウマニア〉〈略奪愛?〉〈大商人〉〈大富豪〉〈摂理への反逆者〉〈初代MVP〉〈黒の職人さん〉〈創造主〉〈やや飼い主〉〈工匠〉〈呪われし者〉〈主演男優賞?〉〈食物連鎖の最下層〉〈パラサイト・キャリアー〉

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