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OOO ~Original Objective Online~ 改訂版  作者: 1048
第一章 第五部
47/65

一人旅 1

『主よ、いつもと変わらず、ここは良い湯なのじゃ』


『そうだよな~。ここは最高だよな』

少しでも時間が有れば、毎日入っていたい露天風呂。むしろ、何か適当な理由を付けてでも時間を空けている。これに、しばらく入れなくなるのは辛いよな。


『………豪華客船』

豪華客船か………大抵の豪華客船の甲板に有るプール代わりに、新しく風呂を取り付けるのも悪く無いけど………流石に、そこまでやるとヒナタに怒られる気がする。多分、【アーツの書・潜水】を《合成》したところがヒナタが許せるライトニングの限界(リミット)だよな。


『理由は白達にも分かると思うけど、無理だろうな。だから、しばらく戻って来ないからな。白も黒も十分に楽しんでおけよ』


『主よ、ワシはホームでの留守番を所望するのじゃ』


『………黒も主の留守を守っていたい』

多分、白達は鞄をゲート代わりに使えば戻って来れると思うけど、頻繁に戻られても困るからな。覚えていないのなら、わざわざ思い出させなくても良いよな。


『今回はダメだ。初めての場所で僕自身にも何が有るか分からないからな』

この入浴終了後に船で旅立つ。王様から頼まれた最も大規模な依頼、各国への書類配達を達成する為には、既に僕の戦闘の要と言っても過言では無い白と黒が僕と一緒にいないと言うのは無理な話だろう。


まぁ、それも建前なんだけどな。実際は、久しぶりのソロ活動と白地図を埋める………いや、少し違うな。僕自身が色々な新しい物を見たり感じたりしたいだけだからな。可能で有るなら、それを相棒(パートナー)(勝手に僕が思っているだけだけど)である白と黒とも共有したいからな。


今回の旅での目的地は五ヵ所。アメリカサーバーのメインタウン【ペンタグラス】、ヨーロッパサーバーのメインタウン【サラベール】、中国サーバーのメインタウン【チメリア】、それと、【ガリンペイロ】、【アクアパレス】だ。


この五ヵ所に【シュバルツランド】を加えた六つの街が神殿と城の二つが共存する国家になるらしい。まぁ、これ以外にも国家を中心として栄えている複数の街や国家とは別に独立した街等が無数に有るはずなんだけどな。


もしかするとだけど、サーバーのメインタウンになっていない二つの国家も、いずれは新しくサーバーが置かれるのかも知れないよな。どんどんプレイヤーの人数も増えていると聞くし、色々な国で参加を望む声が有るとニュースで言ってたからな。


今や、トリプルオーは一大ムーブメントを引き起こしており、大人気(メジャー)ゲームの仲間入りを果たしているからな。まぁ、メインタウンになっている街以外でもホームを持つ事が可能だし、ダンジョンの数も増えているので、参加するプレイヤーが増えてもエリアが狭いとか言った問題は今のところ出そうも無いからな。


ちなみに、姿形は違うけど、地図上における国家の位置関係は、現実の世界の大陸の位置と酷似している。地形は全く違うので正確な事は分からないけど、【シュバルツランド】を日本の位置とするならば、【ペンタグラス】は北アメリカ、【サラベール】はヨーロッパ、【チメリア】はアジア、【ガリンペイロ】はアフリカ、【アクアパレス】は南アメリカにあたる。


まぁ、これは大体の位置の話で、【チメリア】が中国サーバーのメインタウンだが、【シュバルツランド】からの距離は、日本と中国程は近くないからな。移動するにしても、飛行機の存在しないこの世界なら、移動だけでも数日は掛かるだろう。まぁ、高速で移動できるライトニングを所持している僕達は除くのだけど………


『主よ、それで、ワシらはどこを目指すのじゃ』

地理的に一番近い国家は【チメリア】だけど、海から国家までの位置が離れ過ぎている。近隣の港街も分からないので、後回しにした方が良いだろうな。僕の持っている地図は、海岸線のみの白地図なので地形までは分からないのだから。


どっちにしても全部を回る予定なら、効率も重視したいところだけど、サーバータウン以外の街(まぁ、僕が寄り道をするかは分からないけど)では何が起こるか分からないからな。街の周辺に出る魔物も含めて………


『そうだな………位置的に見ても、この場所【ペンタグラス】から訪れるのがベストだろうな』

白地図に指で示しながら、白達に説明する。


目的としている五つの街の中で、唯一海に面しているのが大きいよな。最初に選ぶなら、効率も重視したいけど船で行き易い事の方が大事だろう。勿論、【シュバルツランド】から二番目に近い国家って言う事も大きいんだけどな。


『主よ、旅の行程はどれくらい掛かるのじゃ?』


『さぁ、どれくらいだろうな。連続で目指すなら一日か二日………僕のログイン出来る時間から考えると、三日か四日ってところかな』

いくら、トリプルオーの世界(【Orbit】)が現実の世界の六分の一とは言え、日本からアメリカと考えれば、ライトニングがどれだけ早くても、最低限これくらいの日数は掛かるはずだ。


『………長い』


『まぁ、少しだけな。せっかくなんだから、白と黒も海を楽しんでくれよ。それに、何か新しい発見が有るかも知れないだろ?魔物とか、魚とか』


『………(それ)は魅力』


『そうか。それなら、海上で釣りでもするか?黒用の釣竿を作るし、釣り上げた魚はその場で料理するぞ』

ここで、大きな魚(白と黒)を逃がす訳には絶対にいかないからな。僕の生死に関わる問題的にも………


『主よ、ワシも欲しいのじゃ』


『勿論OKだ。それは全て僕に任せておけ』

どうやら、勝負は始まる前にケッチャクガ着いているのかも知れないな。なぜなら、僕は釣りを始める前に最高の大物を二匹釣り上げたみたいだからな。


これで、二匹の興味と同時に新鮮な海鮮系食材までゲットが確定した。同時に、船上の見張りまで………これは、かなりお徳だな。


釣竿は三本も有れば十分だろう。せっかく、広い海に出るのだ。僕も白達と一緒に釣りしたい。こう言う時の仲間外れだけは絶対に嫌だからな。





『主よ、そろそろ雑魚(小魚)の一匹くらいは釣れたのじゃろう?』


『くっうぅぅぅ~~、まだだ。白、少し静かにしてろ。魚が逃げる』


今は、【ポルト】から船で旅立って二日目。昨日は、ログイン時間が普段よりも多く取れた事も有り、【ペンタグラス】までの行程を半分以上消化出来ている。昨日、僕が船を操縦している密かに間に行われていた白と黒の釣りが大漁だった為、今日は気分転換を兼ねて、僕を含めた一人と二匹による釣り大会を開催しているのだけど………


『………残念。また黒に釣れた。今日は入れ食い。糸を垂らすだけで白と黒(素人)にも釣れる。多分、これが爆釣(ばくちょう)と言うやつ』


『うっ………』

くそっ!!何故だ?何故、僕の竿には一匹もかからない。それどころか、僕の竿から延びる糸の餌は少しも食べられた形跡が無いのは、流石におかし過ぎるだろ。それも、釣りを始めて少なくとも一時間が経過しているのにも関わらずだ。


ちなみに、船の方は持ち運べる動力器に魔力を注ぎ込み、この場所から遠隔自動操縦をしているので、移動時間の無駄にはなっていない。僕達が時間を有効に利用した(遊び倒していた)としても、確実に目的地に近付いているはずだからな。


白と黒の竿は、釣り始めた時から上げ下げを繰り返している。釣り上げた魚も既に軽く二桁を越え、魚の種類も多い。同じ場所で、同じエサで、同じ性能の竿を使っているのに………一体、僕と何が違うんだよ。


『………才能』


『………』

見も蓋も無い一言で片付けられてしまった僕は、そのあまりの衝撃に何一つ返す事が出来なかった。


『黒よ、流石にそれは言い過ぎじゃ。下手は下手なりに頑張っているのじゃ。時にはフォローも必要なのじゃ。主よ、気にする必要は無いのじゃ。多分、今日()(ツキ)が無いだけじゃ。だから、いつも通りなのじゃ』

白よ、それも十分に言い過ぎだと思うぞ。そりゃあ、普段から運が無い事は自覚している僕だけど、改めて人に言われると色々と考えさせられて凹むんだよな。不運に慣れている僕でも………


『み、見てろよ。絶対に逆転するからな』

今日の釣り大会は数釣り勝負では無く、各自が釣った一番大きな魚のサイズ勝負の為、今からでも逆転可能では有る。まぁ、数釣り勝負だったら、確実に完敗だったけどな。


………と言う事はだ。最初にサイズ勝負を選んだ僕には、ギリギリのところでだけど、まだ運が残っているはずだ。それに、罰ゲームはともかく、この入れ食い状態の状況で|一匹も釣れない|《坊主》だけは、流石の僕も御遠慮願いたい。



………一時間後。(釣り開始より二時間)

白と黒の勢いは、止まらない。



………さらに一時間後。(釣り開始より三時間)

ここで、白と黒の勢いも完全に止まってしまった。まぁ、僕と違って、白と黒の二匹は魚が釣れ過ぎて飽きてしまったからだけど………僕としては、逆転のチャンスだ。



………さらに約一時間後。(釣り開始より約四時間)

まもなく終了時間。あれ?良く考えてみると、僕はこの数時間何をしていたんだろう。それを思うと少しだけ涙が出て来そうだよ。


『うん!?』

あれ?良く見ると、竿先が動いてないか………来た。来た。来た~~~


『ヒッ~~ト。白、黒、悪いな。この引きは絶対に大物だ。これで大逆転だな』

野球で例えるなら、九回の裏逆転サヨナラ満塁ホームラン。やっぱり、運は最後に僕の味方をしたみたいだな。制限時間ギリギリいっぱい。最後の最後で当りが来るとは、なかなかドラマチックな展開だ。


今日のトリプルオーの運営は、物語と言うもの(話の流れ)を良く分かってらっしゃる。たまには、白と黒の二匹では無くて、僕が主役の日が有っても良いはずだからな。


『主よ、つ、釣りは釣り上げるまでが勝負(釣り)なのじゃ』

珍しく、白が動揺している。その様子だと、やっぱりこれは大物なんだな。ヤバイな。心の中で笑みが止まらない。


『………大丈夫。黒の負けは無い』

現在の一位は五十センチオーバーの鯛?らしき魚を釣り上げた黒、二位は僅差で四十八センチの白、坊主の僕は三位と言う名の最下位。一応、三位ではあるので、この場に表彰台が有るのなら登れる順位だ。まぁ、仮にそうなった場合は、かなり不名誉な事だけどな。


確かに黒の言う通りで、僕がどんな大物()を釣り上げたとしても黒の最下位(負け)だけは無い。白よりも若干余裕が有るように感じるのはその為か?


僕としては、この前の飛行勝負で負けてるからな。ここは主人としての威厳を見せ付けるチャンスなので、是が非でも勝ちたいところだな。


『ふっふふっ、もう少しだ。そろそろ覚悟しておけよ、白』

海面まで、あと3メートル、これは五十センチを遥かに越える大物だ。


2メートル、勝ったな。


1メートル、僕の完全勝利、初優勝だ。


0………


『こ、れ、で、どうだ~………ぎゃ~~~』


『………はい残念。時間切れ(タイムリミット)。主の一人負け』


『こ、この状況で、れ、冷静にそんな事言ってる場合か』

釣り上げた体長は二メートルを超す大物。それだけでも、かなり衝撃的な光景だ。


ここで僕が釣り上げたのが魚だったならば、僕の逆転優勝は確定だったろう。でも、実際に釣り上がったのは………良く言えば人魚。いや、魚人?いや、それも違うかな。


これは、なんと呼べば言いのかが微妙だよな。まぁ、これがトリプルオー世界の人魚だとするならば、人の夢や憧れを返せと言いたくはなるけどな。ほぼ全てのプレイヤー達から………


僕が釣り上げたこいつの見た目を簡単に言えば、人類(ひと)のもののように見えるマッチョな足が付いただけの大きな魚なんだけど、どう見ても分類としては魔物なんだよな。


『今回はサイズ勝負だったよな?』


『うむ。主の言った通り、釣り上げた()のサイズ勝負じゃ』


『なぁ、白、黒、これって、ギリギリ魚類(・・)じゃないか?』

釣り竿をその場に手放し、両手に二丁の剣銃を持つ。最悪、人間みたいな足を切り落として、誤魔化せたりは出来ないかな?


『………ギリギリ(にん)………ううん、ギリギリ魔物』

今、黒が言い掛けた、『ギリギリ人………』のあとに続く言葉が非常に気になるところでは有るけど。


それにしても、ギリギリ魔物と言う事は僕の負けなのか?これが、釣り大会二位の白が言い訳の如く言うのなら断固否定し、鋼鉄(はがね)の意思で断固拒否するところだけど、現在一位(中立)の立場に有る黒に言われると否定の方法が見付からないよな。


『主よ、そんな事はどうでも良いのじゃ。今はこの魔物(ま・も・の)を倒すのが先決なのじゃ』

それには賛成だな。心なしか、魔物(ま・も・の)と言う言葉を強調された気もするけど………まぁ、まずは新種との戦闘恒例の《見ない感じ》によるステータスチェックからだな。名前は………


『はぁ~~~ウォージャムか………』

溜め息の一つも出したいところだけど、魔物の名前にまで、(うお)じゃ無いと否定されている。こうなると、もう本当に諦めるしかないみたいだな。


魔物の名前でショックを受けたが、ステータスの方はさらに衝撃的だった。このウォージャムには性別が存在しており、目の前にいるのはこれでもメスらしい。こいつがメスと言う事は、当然オスもいると言う事だよな。あまり想像したくないところだけど、それの子供達も………


それに、どの能力(ステータス)も非常に高いみたいだし、クラーゴンと同じ遠距離技も使用可能なのだけど、その中でも一際(ひときわ)目立っていて、僕が一番驚いたのは地上での生息不可と言う項目だよな。


どうやら、戦闘をするまでも無く、僕が釣り上げた時点で勝負は付いていたらしい。黒に余裕が有ったのは、この辺りが関係しているのかも知れないよな。


僕の完全勝利(不戦勝)と言う方向で(現に船上に打ち上げられたウォージャムは、エラでの呼吸が全く出来ずに、もがき苦しんでいる)獲得したドロップの中には、ウォージャムの三枚おろし(・・・・・)魚卵(・・)と言う素材が有る。やっぱり、性質的にもギリギリ魚では無いのだろうか?


『………往生際が悪い。もう諦めて』

ぐっ、黒に心を読まれた上に事実上のトドメを刺されたな。まぁ、はっきりと自分の目で見ないようにしていただけで、ドロップにはウォージャムのもも肉(・・・)すね肉(・・・)等の魚っぽくない肉類も有ったんだけどな。


それにしても、一匹しか釣り上げていないのに、このドロップの品揃えは何だ?ちょっとしたボス並だよな。まぁ、この場合は匹と言う単位が正しいのかは分からないけどな。


それよりも、地上で生息不可と言う事は、水中戦闘オンリーの魔物と言う事なるんだよな………と言う事は、水中または海中の世界も存在すると言う事になるのか?以前のイベントに存在した池の底に近いような………なるほど。だから、潜る事の出来る《潜水》系のアーツやスキルが存在するんだな。ちょっと納得出来たよ。


海中の世界等の存在を聞くだけなら、楽しそうでは有るのだけど、ウォージャムクラスの魔物がウヨウヨしているのならソロでは難しいよな。まぁ、ウォージャムクラスの魔物が複数いたらパーティーでも怪しいけど………それくらいのステータス差が僕達プレイヤーとウォージャムには有る。


どっちにしろ、海中散策を楽しんだり海中戦闘を楽しむなら、海中を自由に動くスキルかアーツを持ってないと無理な話かな。


『………捌く?』


『いや、三枚おろしや肉類は得たけど、アレを食べる気には僕はなれないんだけど………黒が食べたかったら捌くけどな。僕としては、そのまま廃棄するか、アクアかカゲロウのお土産にするとかの方が良いと思うんだけど………どうだろう?』

ドロップ素材として得たウォージャムの三枚おろしは、名前通り、見た目は足が無くなったウォージャムの三枚おろし風。知らない人から見れば大きな魚を三枚おろしにしてあるだけにしか見えないんだろうけど、さっきまでの姿を確認している僕からすると、ただの恐怖(ホラー)でしかない。


そして、この素材でウォージャムの本体部分(・・・・)の八割以上が使われていると言う事は………多くの肉類素材が、ウォージャムのどこの部分にあたるのかを想像したくはない。


アレを食べる事を回避できるなら、悪魔に魂を売る覚悟が僕には有る。まぁ、この場合は売るのは魂では無くて、幼馴染みと友達の事だけど………


『主よ、ここで皆がお待ちかねの楽しい楽しい罰ゲームの時間じゃ』

ちょっと待て、今のタイミングで罰ゲームか?このタイミングで罰ゲームが発生する場合、僕には一つしか内容が思い浮かばないんだけど、気のせいかな?


無意識の内に少し後退(あとずさ)る僕に、じわじわと寄ってくる白と黒。


『………オーダー。お刺身の魚卵乗せ、もも肉のタタキを添えて』

追い討ちともとれる非常な生食(なましょく)宣言&肉食(にくしょく)宣言。ここで、ウォージャムの刺身や肉類を食べると、現実の世界で二度と刺身や肉類を食べられなくなる気がする………はっきり言って、ゲームを超越してトラウマを植え付けられる自信が有るからな。


いや、百歩譲ってウォージャムの刺身は食べたとしても、魚卵と肉類だけは完全にアウトだよな。肉類は適当に捌いて畑の肥料へと生まれ変わって貰おう。いくら、罰ゲームであったとしても肉類を食べるのは人として絶対に無理だろう。ここは、適材適所と言う事にしておきたい。


『主よ、頑張るのじゃ。食べて見ると意外と美味かも知れないのじゃ』


『はっ、はははっは』

一つだけ分かった事が有る。まぁ、分かった事と言うよりは僕の心の中で決めた事になるのだけど、もう二度と絶対に、僕は何かを賭けて白と黒と勝負はしない。


僕は、カゲロウがヒナタに怒られながらも甲板に設置した簡易キッン(まぁ、簡易キッチンと言っても、【noir】のホームやライトニングの船内に設置している物と比べると簡易(・・)の範囲に納まるだけで、簡単な調理をするくらいなら全く問題のない代物なんたけどな)で、手早くウォージャムの三枚おろしを短冊状に捌く。意外に捌くと美味しそうな白身の刺身にしか見えないんだな。程好い脂も乗っているし………これが、普通に魚の魔物だったのなら、躊躇せずに食べられると思うのだけど、あの人間っぽい足のイメージが頭の片隅に残っているからな。


『主よ、アーンなのじゃ』

もう覚悟を決めるしかないみたいだな。サヨナラ、僕の倫理観。


『………』

目を瞑って、白の箸が運んでくるウォージャムの刺身にウォージャムの魚卵を乗せを咀嚼する。


『………美味?』


『白、黒、すまない………残念ながら、予想に反して相当美味い。今までに食べた魚の中で、ぶっちぎりで一番かも知れないぐらい。本当に残念ながらだけどな………』

いや、確かに深海魚とか不細工な魚の方が意外と美味しいと言うのは知ってたけど、ウォージャムに関しては何か釈然としないものが有るよな。


『どうだ?白達も食べてみるか?』

残っている刺身を白と黒にも食べさせてやる。二匹共に最初は恐る恐ると言った感じだったが、一口目以降は手が止まらなかった。まぁ、結果としては僕が食べた刺身が一口で済んで良かったんだけどな。


まぁ、僕もウォージャムの姿を知らなかったら、箸を止めるのは無理だったろうな。それくらい美味しい。だけど、姿を知っていたからこそ、僕の持つトラウマ称号も成長したんだろうな………



称号成長

〈トラウマニア〉

与えられるトラウマだけでは飽きたらず、様々なトラウマを自ら集めだした者への称号/成長称号☆



まだ気持ちの整理が出来ないぐらい動揺しているので、トラウマ称号が成長するのも仕方が無い事だと思うけど、この説明文を何とかして欲しいな。決して、僕は自ら集めだしてはいない。


そこだけは、確実に否定させて貰いたいよな………と言うか、トラウマ称号の存在を知っている人に対して、今現在の僕の称号を見せたら、どんなリアクションを見せるんだろう?そこだけは、少し気になるところでも有るよな。


『主よ、今日は、あの小島に停泊させてはどうじゃ?』


『そうだな。念の為に地図上の確認(マーキング)もしたいし、時間的にも丁度良いかもな』

船にもゲートを搭載しているので、いつでもログアウトは可能だが、ログアウト時には錨を降ろして動かないように固定しておかないと、ログアウト中に船が勝手に流されて漂流してしまう。その為、海には停泊用?だと思われる地図には表示されていない無数の小島が散らばって存在している。小さい島だと直径五メートル、大きい島でも直径五十メートルに満たない島の数々。日本で例えるなら、数年前に完全に消えてしまった沖ノ鳥島みたいなものだな。


漂流と言うのは、その名の通り船が流される事で、【カーペントリトウリョウさんのところ】のメンバーが既にやらかしてしまっている。情報系のサイトでも最重要特記事項として扱われており、サイトのトップページに載せている有名な出来事だ。気軽にログアウトして、次にログインした時には見た事の無い場所にいたらしい。その時は何とか【シュバルツランド】に戻って来れたが、かなりの時間を費やしたらしい。


ちなみに、この小島は周囲十メートルも無い、本当に小さな島で、停泊もしくは上陸すると地図上に新しく表示される。この事を便宜上マーキングと【カーペントリ】が命名している。まぁ、次に同じ場所に来る為の目印にもなるから、使ってみると便利なんだけどな。


再びこの場所に来る必要が有るかどうかは別としてだけど、ウォージャムの生息環境は気になるからな。海の中の世界が有るなら、ウォージャムが釣れたこの辺りは有力候補の一つになると思うので、絶対にマーキングは必要だろう。まぁ、僕としてはウォージャムには二度と会いたくないけどな。


どちらにしろ、今日はログアウトだ。このペースなら、明日中か明後日の早い内には【ペンタグラス】に着きそうだ。いよいよアメリカサーバーか、今はそっちの方が楽しみなのだから。





『主よ、あそこじゃ。あそこに街が見えるのじゃ』

白が指す方向には高い城壁に囲まれた街が見える。【シュバルツランド】の中世ヨーロッパ風の街並みとは違い、かなり無骨に感じられる。


『本当だな。僕にも見えたぞ』

多分、あそこが地図の位置的にも【ペンタグラス】だろうな。一日平均八時間以上の三日間連続でログイン、ここまで長かったよな。この間、戦闘系のスキルはほとんど成長していないからな。


『………その前にお客さん』


『えっ!?』


『主よ、二時の方向に魔物じゃ。数は四匹、お馴染みのシーリザードじゃ』


『OKだ。僕にも確認出来た』

さっきので変なフラグでもたったか?まぁ、ここまで戦闘と言える戦闘が無かったからな。有ったのは、思い出したくもないウォージャムとの出会い(邂逅)くらいだ。上陸の為の準備運動には、丁度良さそうだな。


まぁ、スキルを成長させる面でも、少しはレベルも上げておきたいし、【ペンタグラス】に着くまでに、暇な時間で新しく思い付いた戦闘方法のテストもしたかったから、本当に丁度良いタイミングだったかもな。魔物も【ポルト】周辺海域にも出るシーリザード。弱くも、強くも無いのだけど、僕の通常攻撃一発では到底倒せない。今回のテストとしては手頃なところだろう。


魔物は、まだこっちに気付いてないみたいだな。それなら………


『白、黒、今回は手出し無用だ』

二匹をその場に残し(竜の力を無効化)………と言うか、まだ魚を食べてるんだな。まぁ、今回は使わないから良いんだけど………少しくらいは協力する体勢を見せて欲しいものだ。


『いくぞ!!〈リング・イン〉×2』

また、二丁の剣銃を手に取り〈リング・イン〉を同時に放つ。


ここまでなら今までと変わらない。テストしたかったのは、ここからだ。二丁の剣銃が手から離れたと同時に【雷光風】を手に取る。


『〈奥義セブンスター〉』

〈リング・イン〉と〈奥義セブンスター〉を喰らった各々の魔物は光となって消えていく。不意打ちと先制攻撃のボーナスか?アーツを使っても一撃では倒せないと思っていたんだけどな。


それにしても、出来たな………思っていた通りだ。これで戦略の幅が大きく広がるぞ。


今までは出来なかった事だけど、浮遊装置の効果で〈リング・イン〉を解除しなくても、他の銃を持ちアーツや攻撃する事が出来る。さらに〈リング・イン〉後に戻って来た二丁の剣銃は、僕の手に戻る事無く所定の位置に収まってくれた。


浮遊装置は、やっぱり最高みたいだな。


『………残りが来る』

数匹の魔物を一気に倒した事で、残っていた一匹のシーリザードが、こっちに向かって海面を走って来る。 


海の魔物の多くが所持している《海面歩行》や《海面移動》等の海移動系スキル。船が無くても自由に動けるのは羨ましいな。


なるべくなら、船の上で争いたくない僕は、二丁の【空気銃】に持ち変えて、こっちに向かってくるシーリザード目掛けて一気に飛ぶ。加速や減速に慣れていないので距離感が狂い、一瞬でシーリザードを追い越す形になってしまったけど、逆に背後を取る事に成功したな。


『主よ、今日はポジティブなのじゃ』

今日は………って、壱と比べているのだろうか?ウォージャムの時(先日)と比べるのは筋違いだと思うんだけどな。


右手の【空気銃】を【火縄銃】に持ち変えて………ズドン。


『うわぁ………』

〈零距離射撃〉が発動していないにも関わらず、初期の頃【ハンドガン】で放った〈零距離射撃〉並みの威力を叩き出している。


まぁ、アーツを使っていないし距離も有ったので、今回は一撃で倒すには至らなかったみたいだな。残念なような、そうでないな………


まぁ、良い。次だ。


次は【空気銃】を戦闘で使った場合のテスト。対魔物や対プレイヤーに効果が有るのか知っておきたい。あっ!!結果としては、さっきの【火縄銃】で倒しきれなくて良かったのかもな。


空中でバランスを取り、再び僕を目指して移動してくるシーリザードを左手の【空気銃】で狙い撃つ。


『………うぉっと』

撃たれたシーリザードに何の変化も無く、畑事件での再現のように僕だけが飛ばされていく。


まぁ、今回はローブマントとブーツに浮遊装置を付けているお陰で空中でバランスを保つ事だけは成功しているけどな。


『それなら………うっ、これもダメか』

もう一度【空気銃】二丁に持ち変えて右手を前方、左手を後方に構えて、バランスを取りながら両方を同時に射撃してみたが、さっきと全く変化は無い。デシャブか?


僕自身が飛ばされないように背後を固定すると、もしかしたら………と思ったけど、全く効果が無いみたいだな。


何度も試してみるが、出来たのは威力を弱めた方向に弱めた分の速度で移動するくらいだ。


残念だけど、魔物には効果が無いみたいだな。威力は無くても、ぶっ飛ばすくらいは出来ると思っていたんだけど、本当に残念だ。


ある程度、必要なテストも出来たので船に戻り【雷光風】の射撃でトドメを刺す。


HPは無傷だがMPの残りは0に近い、魔物を四匹倒すのにこれではコストが悪すぎるな。今回の戦闘での一番の収穫は戦闘法のテスト結果では無く、空中戦は白と黒(竜の力)が無いと僕一人では満足に戦えそうもない事が分かった事だよな。アーツの消費よりも【空気銃】二丁の連続使用のMP消費が思っていたよりも、大き過ぎるから………


『うん!?』

………と言う事は【空気銃】は分類的には魔銃になるのか?それにしては、製作に必要な素材が簡単に集まる物ばかりだよな。まぁ、僕的には嬉しい限りだけどな。





『主よ、何処に船を着けるのじゃ?』


『うん?普通は港じゃないのか?』


『主よ、この船が普通に港に入るのは目立つと思うのじゃが、本当に良いのかのう』

なるほどな。そう言う事か………確かに、目立つのは頂けないな。いや、待てよ。アメリカと日本じゃ時差が有るからな。日本の夜中はアメリカの朝だよな………と言う事は、あまりプレイヤー自体がいないんじゃないのか?


『いや、時差が有るからな。多分、大丈夫だ。堂々と港に入港するぞ』

目立つと言っても、悪い事をしてる訳では無いからな。それに、街の外にライトニングを停泊させる方最終的にはが目立つ気がするぞ。どうみても、港に停泊している他の船よりも立派だからな。


『………人いっぱい』

確かに、人が多いな………この人達全員がプレイヤーなのか?


今さらながら気付いたんだけどな。当たり前だけど、皆さん英語で会話してるよな………僕は書けたり読んだりは、授業のお陰で多少出来ると思うけど、会話の方は全く自信が無いぞ。


『主よ、大丈夫なのじゃ。ここでも………』


『………《バイリンガル》』


『《バイリ………黒よ、ワシのセリフを横取りするのは止めるのじゃ』

白は色々と解説したがるが、最近は白よりも詳しい黒に解説任せている。今回は久しぶりの解説チャンスだったのに黒に横取りされたな。僕は、どっちに教えて貰っても問題が無いんだけどな。


『《バイリンガル》は魔物以外にも効果が有るのか?』


『主よ、言語リストの上の方には、ちゃんと英語も有るのじゃ』


『マジか!?』

本当だった。それにしても、かなり上に有るんだな。あの時は、リストからケンタウルスを探すのでいっぱいいっぱいだったので気付かなかったな。


まぁ、レベルも上がってるので、選択出来る言語の数も増えてるし。丁度良かったかもな。


ちなみに、《バイリンガル》スキルのレベルアップは、その言葉を使う事だ。その為、ウルちゃんと一番話をしているケイトは既にレベル10を越えていたりもしている。アメリカサーバーに来たついでに、《バイリンガル》スキルを少し鍛えても良いかもな。NPCや地元のプレイヤーと会話するだけだからな。


英語をリストから選択すると、今まで英語で聞こえていた会話が慣れ親しんだ日本語で聞こえてくる。若干、翻訳に辿々しいところも有るけど、十分な機能を果たしている。


それと、やっぱり港に集まっていた人々はプレイヤーみたいだな。こっちを見て色々と話している。そんなに、この船が珍しいのか?それとも、まだ《造船》スキルが解放されてないのか?


まぁ、いつまでも考えていても仕方が無いから、取り敢えずは上陸だな。


『ほいっ。【ペンタグラス】到着』

僕は、甲板からジャンプ一つで港へと降り立った。



〔運営よりプレイヤーの皆様へご連絡させて頂きます。只今、とあるプレイヤー様がアメリカサーバー【ペンタグラス】到着されました。これより、【ポルト】と【ペンタグラス】間の往復定期船運航が解禁となります。所要時間は現実世界での二十四時間、一日各三便就航されます。ログアウト中も時間は換算されますので、是非ご利用下さい。以上、運営からの連絡でした〕



二十四時間、しかもログアウト中に移動可能とは、めっちゃ楽だな。僕の三日間は何だったんだろう。せめて頑張った僕に何か労いの言葉とか、特典とか無いのか?運営さん。今なら、全く遠慮無しで貰えるぞ。


〔『………主、お疲れ様』〕


〔『主よ、お疲れ様なのじゃ』〕

二匹の言葉が胸に沁みるよな。これだよ、これ、気持ちだけでも嬉しいんだよ。今後はこれを参考にして欲しい。本当に頼むよ、運営さん。


〔『主よ、これからどうするのじゃ?』〕


〔『まずは、当初の目的通り書類配達だな。まぁ、定期船の運航が始まったみたいだから、僕達が【ペンタグラス】に書類を届けるのは最後になると思うけどな。それと、ゲートの登録。その後は露店や街を見て回ってからログアウトかな』〕


〔『了解じゃ』〕


あの中心部が【ペンタグラス】の城か?デカイと言うよりも高いな。簡単には近付けないようになっているのは【シュバルツランド】の城と変わらないけど、入るの為の方法が違うな。


まぁ、近付いて行けば入る方法も分かるだろう。普段は入れなくても、今は書類配達のイベント進行中だから、何かしらの方法が有るだろう。


それにしても、やけに僕の方を見る人が多くないか?港はともかく街の中なら、僕は普通のどこにでもいそうなプレイヤーだろ。白と黒も銃の姿になっているし、いつもの全身を覆うローブマント姿だ。全く目立つ箇所が無いはずだ。


〔『………多分、アレが原因』〕

黒が言う方向を見ると、全身をローブに覆われた人物のブロンズ像が、広場の噴水の前に立っている。かなり大きいので遠くから見ても目立っているよな。多分、この街のシンボルか何かだろうな。


〔『主よ、あの像のコスプレと思われているのではないかのう?』〕

僕もそう思ったが、それならこの格好は逆に目立つよな。でもローブマントを外すと浮いている銃が目立つからな…………まぁ、街中なら銃が必要になる事も無いか。それに、どのみち城にいくなら武装解除も必要になるだろうし。


僕は路地裏に入って、ローブマントと銃を鞄に詰め込み、また大通りに戻る。ローブマントを外した事で目立たなくなったのか、人の視線を感じる事が無くなった。今後、この街に来る時は気を付ける必要が有るよな。もしかすると、港で目立っていたのもこの格好のせいかもな。


『クロノ・ショック・ニーム』

この像のモデルは、過去に街を危機から救った英雄らしい。フラッと街にやって来て街の問題を解決すると、いつの間にか消えていた旅人達の代表者らしい。今や伝説級の英雄らしいけど………僕の外見と似ているとは、全く迷惑な話だな。


何故、わざわざローブ姿で顔も分からない感じで像を作る。英雄なら英雄らしく、剣や鎧を装備したブロンズ像を作って欲しいものだ。英雄のコスプレをにした勘違い野郎に間違われる身にもなって貰いたいものだな。





城の周りを一周してみたけど、城に入る為の道が無い。まぁ、城の周りを堀が囲っている為、城に渡れないと言う方が正しいのだけど。


〔『主よ、尾行されておるのじゃ』〕


〔『みたいだな。今回は僕も気付いてる………取り敢えずは、無視だ』〕

今回の尾行は下手過ぎて、《探索》スキルの無い僕でも気付いている。僕が気付いた事はバレてないと思うけど、あの尾行は流石に杜撰(ずさん)過ぎるよな。少しはヒナタとカゲロウの尾行を見習って貰いたいものだよな。


城まで一気に飛べば、色々と片付く問題なのだけど、場所的に目立つし、尾行者に見られている。まぁ、一番の問題は泥棒みたいに無断で侵入はしたくないからな。


さて、どうしようかな?


(あん)ちゃん、困ってるのか?だったら、アタシが手伝ってやろうか?勿論、タダじゃないけどな』

注意はしていたのだけど、隙を見せた俊寛に絡まれてしまったな………さて、どうしたものかな?

装備

武器

【雷光風・魔双銃】攻撃力80〈特殊効果:風雷属性〉

【ソル・ルナ】攻撃力100/攻撃力80〈特殊効果:可変/二弾同時発射/音声認識〉〈製作ボーナス:強度上昇・中〉

【魔氷牙・魔氷希】攻撃力110/攻撃力110〈特殊効果:可変/氷属性/凍結/魔銃/音声認識〉

【空気銃】攻撃力0〈特殊効果:風属性・バースト噴射〉×2丁

【火縄銃・短銃】攻撃力400〈特殊効果:なし〉

【アルファガン】攻撃力=魔力〈特殊効果:光属性/レイザー〉

【白竜Lv60】攻撃力0/回復力220〈特殊効果:身体回復/光属性〉

【黒竜Lv60】攻撃力0/回復力220〈特殊効果:魔力回復/闇属性〉

防具

【ノワールシリーズ】防御力105/魔法防御力40

〈特殊効果+製作ボーナス:超耐火/耐水/回避上昇・大/速度上昇・極大/重量軽減・中/命中+10%/跳躍力+20%/着心地向上〉

アクセサリー

【ダテ眼鏡】防御力5〈特殊効果:なし〉

【ノワールの証】〈特殊効果:なし〉



天狐族Lv60

《双銃士》Lv79

《真魔銃》Lv3《操銃》Lv24《短剣技》Lv26《拳》Lv50《速度強化》Lv100※上限《回避強化》Lv100※上限《魔力回復補助》Lv100※上限《付与術改》Lv3《付与練銃》Lv3《目で見るんじゃない感じるんだ》Lv26


newアーツ

〈吸尾〉消費MP 100

アーツや魔法を吸収して自らの力(経験値)に変える

習得条件/天弧族Lv60


サブ

《調合工匠》Lv28《上級鍛冶工匠》Lv3《上級革工匠》Lv6《木工工匠》Lv34《上級鞄工匠》Lv8《細工工匠》Lv42《錬金工匠》Lv40《銃工匠》Lv36《裁縫工匠》Lv15《機械工匠》Lv19《調理師》Lv20《造船》Lv17《家守護神》Lv52《合成》Lv48《楽器製作》Lv5《バイリンガル》Lv3


SP 9


称号

〈もたざる者〉〈トラウマニア〉〈略奪愛?〉〈大商人〉〈大富豪〉〈摂理への反逆者〉〈初代MVP〉〈黒の職人さん〉〈創造主〉〈やや飼い主〉〈工匠〉〈呪われし者〉

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