表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
OOO ~Original Objective Online~ 改訂版  作者: 1048
第一章 第二部
12/65

★複合スキル

 『フレイ、そっちは何か新しい物は出た?』


 『アカン、全くダメや。聞いてる話しと違うで、これ。銀鉱石すら出えへんやん…』


 『…だよな』

 いったいどう言う事なんだろう?生産系スキルを持っていないガイア達が僕に質は悪かったと言っても銀鉱石を採掘出来ていたのに、生産系スキルの宝庫である【noir】の僕達が全く採掘する事が出来無いなんて、普通は考えられない。


 …もしかして、バージョンアップで、その辺の仕様も変わったのだろうか?一応、ダンジョンの挑戦権はイベントの景品だったし…


 ここ数日僕とフレイの二人は鉱山に籠って採掘していた。場所は、鉱山の街【ヴェルク】の中にあるダンジョンだ。既に五日目に突入しているが…今のところは、採掘に補正のかかるスキル取得者が二人がかりでも一つも出ない。まぁ、銅鉱石、鉄鉱石は大量に出ているから、この時間が全く無駄と言う訳では無いんだけどな。


 『やっぱり、もっと奥の方に行かなアカンのかもな』


 二人しかいない僕達は、比較的に洞窟ダンジョンの入口に近い所で採掘している。ダンジョン内に出現する岩石系魔物が相性の問題もあって、僕達二人だけではつらかったからだ。


 出現する魔物に関してはガイアにも確認してみたが、バージョンアップ前よりも強力になっているらしい。それによって、いまだにガイア達も最奥は愚か以前攻略していた所まで到達出来てない。たまに、ダンジョンの入口で見かけたりもするが、あまり攻略は捗ってない様子だからな。


 はっきり言うと、マイナス方向で迷惑な微調整はいらないんだよ。


 『そうかもな。取り敢えず、僕は今掘り出した鉱石を処理する為に一回ホームに戻るってくるけど…フレイはどうする?』


 『ウチは、もう少し粘ってみるわ。最悪は、ガイア達に便乗させてもらうかもやな。新しい武器製作の依頼と引き替えにしてでも…』

 非情に悪い顔をするフレイ。この調子のフレイに会ったガイア達が、何を頼まれるのか想像したくないな。


 『くれぐれも無理はしないでね。あと、ガイア達に無理をさせるのもダメだからな』

 色々な意味で…


 僕は、ダンジョンにフレイを残して一人でホームに戻る。最近は、スキルレベル上げを兼ねて、鉱石の下処理を僕が担当させて貰っていた。フレイは今採掘したランクの鉱石の処理では、レベルが上がりにくいところまで成長しているらしく、今後のレベル上げの為にも銀鉱石クラスの鉱石が必要になるらしい。まぁ、そのかいもあって僕の《鍛冶》レベルもかなり成長しているんだけど。


 『今日こそは、失敗無し(ゼロ)を目標に…』


 鉱石を砕き魔高炉を使って不純物を取り除き塊化していく《鍛冶》の初歩的な作業で、僕はいまだにミスをする。《火魔法》を持ってない僕には、フレイみたいに上手な火力の調節が難しいと言う事も有るけど、一番はそれぞれの鉱石が持っている必要な部分を見極める力の差が大きいのだろう。


 同じ種類の鉱石でも、使える部分は一つ一つが全く違うと言う嫌がらせのような《鍛冶》の仕様。なので、《鍛冶》スキルは他の生産系のスキルとは違い、スキルレベルや実技の技術よりも素材そのもの(鉱石)の価値を見極める力が必要となってくる。この部分が僕は苦手なのだ。


 他に火力調節にも技術面以外の問題が有る。魔高炉の近くは火の威力によっては身体全体から汗が出てくるぐらい暑かったり、部分的に火傷しそうな感覚に陥ったりしている。まぁ、実際に汗が出たり、火傷をするような事は無いのだけど、感覚で感じてしまうくらい炎の暑さがリアルなのだ。迷惑なくらいに…


 『フレイが火耐性の装備を喜んでいた理由側から分かるよ』

 まぁ、僕も《鍛冶》の時はアクセサリーで補整しているのだけど、それでもつらいのだ。


 それと、成長した今ではほとんど無い事だけど、最近まではよく苦しめられた事がもう一つ。火が燃えたぎる魔高炉から取り出した金属を叩いていく塊へと精錬していく作業を僕レベルが少しでも疎かにすると、失敗まではしないが金属の固さが変わって強度が弱くなり、粗悪な品が出来上がる。


 『…でも、経験値的な面からすると、かなり美味しいんだよな』

 出来た塊は粗悪品を含めて《錬金》《鍛冶》《細工》の順で加工していき、素材を無駄なくレベル上げに使えるので無駄にはならない。自分自身気付かないうちに、こんな一人言が漏れるくらいこのローテーションは笑いが止まらないのも事実なのだ。


 その過程の一つ《細工》では、効果が微弱なアクセサリーも、かなりの量が生産出来ていて、その中でも質の良いものは店舗で安く売りに出して、粗悪なアクセサリー類は再び魔高炉に投入して塊に戻す。ただし、塊に戻す時は《細工》で加工する前よりも絶対量が減ってしまう。


 だけど、使えない(ゴミ同然の)物を在庫(ストック)するよりは遥かにマシだろう。それに、何度も言うけど経験値的には美味しいんだよ。どの工程一つとってもスキルレベルの高くない僕には全く無駄が無いのだから…


 たった五日間の作業だったが、かなりレベルが上がっており、《鍛冶》スキルの方は《鍛冶職人》スキルへの進化を済ませていた。《錬金》と《細工》の方は、もう少しだけ修練や鍛練が必要と言ったところかな。





 『ギルマス、ただいま。この鞄は使い易かったぞ。ありがとな』


 『ただいま戻りました』

 カゲロウの粗雑ながらも気持ちのこもった言葉とカゲロウとは違い礼儀正しいヒナタの言葉。


 すでに、鞄は各々のリクエスト通り作ってプレゼントしている。当然、僕が作った鞄は初期の物より遥かに高性能で使い易い代物だ。だけど、改めて身内に言葉として言われると嬉しいものだよな。


 カゲロウ達に鞄を渡した時の驚いたリアクションは今さら感が強いのでここでは割愛させて頂く。リアクション的にはリツに弓を渡した時と大差が無いのだから。


 通称前衛壁職の《防衛士》カゲロウは、ダークエルフ種族特有の褐色な肌に銀色の短髪で身長は僕よりも低いが筋肉質だ。筋肉質と言ってもゴリゴリのマッチョ系ではなく細マッチョに近いものがある。勿論、エルフ種特有の長い耳は健在だ。


 ヒナタは、エルフの高い魔力を充分に活かした《魔術師》で真っ白な肌に金色の腰の辺りまで伸びた長いロングヘアーが特徴的だ。そのロングヘアーから少しだけ顔を見せる長耳が可愛い。身長はカゲロウよりも少し低いくらい。身長が低い面を除けばスタイルはアキラに似て抜群に良い。惜しまれるのは胸部装甲的にも(色々な面で)アキラに似たところだな。


 ちなみに、瞳の色はカゲロウが金でヒナタが銀になっている。


 それと、これは面接後に分かった事だけど、カゲロウとヒナタは姉弟(きょうだい)で、二人共が中学三年生(・・・・・)と同じ年齢だが、僕とジュネみたいな双子ではなく、四月生まれと二月生まれの姉弟らしい。まぁ、珍しい事だが、十月十日(時間)的には有り得る話なんだろう。どっちにしても、その環境は年齢的にも色々と複雑では有るだろうから、突っ込んで聞いたりはしないけどな。


 『ただいまです』


 今の声の主がケイト。ケイトは《月兎族》と言う濃いい赤色の瞳とエルフ種とは違った縦に長い兎耳を頭部に持つのが特徴の獣人種だ。身体能力の高い獣人種のなかでもさらに脚力が強い。その脚力の強さを活かした速度は僕とフレイの《天狐族》にも優るとも劣らない。身体的には平均的な可愛い女の子と言った感じだが、《月兎族》特有の長くて柔らかな(うす)ピンクの毛並みと彼女自身の穏やかな雰囲気のせいで少しポッチャリして見える。それも装備を次第では細くも見えるのだから、ギャップ感は凄いのかも知れない。


 ちなみに、海外からの留学生で僕達と同じ高一(流石に今回は学校は別だったけどな)らしい。簡単な文字の読み書きに困らないくらいは日本語を扱える事も分かっている。まだ難しい漢字等は無理らしいけど、薔薇(ばら)向日葵(ひまわり)が読めて書けるなら、十分過ぎると思うんだよな。僕も向日葵は大丈夫だけど、薔薇は読めても書く事は出来ないからな。まぁ、薔薇を漢字で書く事自体が減ってるんだけど。だから、バラはカタカナで十分なんです。


 『皆、おかえり。それと…カゲロウ、ギルマスと呼ぶのは止めろと言ったはずだよな』

 僕の問いかけに吹けない口笛を吹く動作をして誤魔化し始める。はっきり言うけど、誤魔化せてないからな。


 『まぁ、良い…それよりも狩りの方はどうだったんだ?』


 『はい。今日は三人で連繋を確認しながら、川の辺りで狩りと採掘をしました。明日はゲート登録も兼ねて【ソルジェンテ】まで行ってみる予定です』


 『そっか、湖に近付き過ぎなければ、比較的湖の北側は安全だと思うから、頑張れよ。それで今日は終わりか?』

 きっと湖に近付き過ぎると例のアイツが登場してくるだろう。新たなトラウマ(トラブル)の種は摘むに越した事はない。


 ちなみに、彼女達は一昨日【ベェール】には到達している。


 『…はい。残念ながら、私とカゲロウはこれでログアウトです』


 『私は、今から《錬金》をするです』

 ケイトは《家事》以外に新しく《錬金》と《細工》の二つの生産系スキルを取得した。


 僕が見せた《錬金》でのアイテム変換や《細工》を用いたアクセサリー製作をお気に召したらしく。ここ三日間は一緒に工房に籠る事が多い。だからと言うか、新人達三人の中では一番仲が良くなっているかも知れないな。まぁ、同学年と分かって変に身構えなくて済んでいる部分も少なからず有ると思うけどな。


 『それなら、さっきまた鉄と銅を塊にしたから、そこに有る分も使ってくれて良いからな』


 『分かりましたです。せっかくなので使わせて貰いますです。今日は《細工》で今日採掘した宝石も使って作ってみますです』


 宝石を使えば、その宝石にあった属性を付ける事も出来るし、何よりも基本的な性能が上がる。さらに、生産系のレベル上げ的にも美味しいと言う、生産系の職人にとっては三拍子揃った至れり尽くせりな素材なのだけど、宝石を使って製作して失敗した場合は塊に戻せないと言う大きなデメリットも有るので、彼女はまだ一度も試していない。


 『そられなら、一緒に作ってみるか?僕も今日の残り時間は《細工》に使っても良かったし、僕でも少しならアドバイスも出来ると思うから』


 『おぉ、良いのですか?です。是非お願いしますです』

 ケイトは、嬉しそうに頭を下げてくる。


 『じゃあ、私達はログアウトしますね。また明日』

 カゲロウと違い、ヒナタの方は少し寂しそう?に感じるけど、家での門限ならぬOOO限(ルール)なので仕方が無いだろう。


 まぁ、ギルドメンバー全員が夏休みに入っているので、いつでも会えるのだ。今日敢えて無理する必要もないよな。


 『また明日。ギ・ル・マ・ス』


 『おう、また明日な。お休み』

 カゲロウとヒナタは二人揃ってログアウトしていった。


 カゲロウは何度注意してもギルマス呼びを止めてくれない。カゲロウからすれば、多分スキンシップの一種なのだろうけど、言われる側からすると溜め息が出そうになるんだよな。実際に、気付かない内に出ているのかも知れないだけに…余計にな。


 『マスターは、お疲れ様なのですか?です。無理はいけませんよです。私は一人でも頑張れますです』

 ケイトが僕の表情から体調を気にしてくれる。外国人だが、気遣いは日本人並みだ…いや、それ以上かもしれないよな。少なくとも僕よりは優れているだろう。


 ケイトは、何故か僕の事をマスターと呼び、同じギルドマスターのアキラやフレイの事は普通に呼び捨てで呼んでいる。同じ年齢の女の子同士で打ち解けるのが早かった事も関係していると思うけど、僕の呼び方に関しては、カゲロウの影響が大きい気がするんだよな。


 カゲロウと違い頭にギルドと付けていないので注意せずに許容しているところも有るけど、僕としては器が足りていない事もあって、何かむず痒いんだよな。


 『少し精神的に…な。その辺りは別に気にしなくても大丈夫だから。じゃあ、始めは普通にアクセサリーから作ってみようか』


 『はいです』

 ケイトは僕の目の前でアクセサリーを作を作り始めた。


 いま、作っているアクセサリーが宝石を組み込む為のベース部分になる。当然、宝石を組み込む為には、ベースにもある程度の品質(クオリティ)が必要になるのだけど、ケイトはまだ始めたばかりなので成功の頻度は低い。まぁ、本人が楽しめて頑張っているなら、それだけでも充分良い事だけど。


 『…うん。そろそろ良いんじゃないかな。それじゃあ、宝石も加工してみるか。始めは、このアクアマリンを使ってみようか』


 アクアマリンは倉庫の在庫として一番残っている宝石だ。ケイトが採掘してきた宝石を使う前に練習用として使って貰いたい。こう言う時に使わないと在庫が減らないし、露店で売ったり、倉庫で埋もれさすには少々勿体無い素材だろう。


 『これ…今日、川でいくつか採掘出来ましたです。今日、川を目指した理由の一つは私の採掘に有りますです』

 マジか!?この機会を使って在庫一掃消費キャンペーンが…こうなると、作った鞄にランダム…ちょっとしたくじ引きの当たり要素として適当に付けて売るしかないかもな。


 『ケイトは普通に採掘もしてたんだな。それなら、SPに余裕出来たら《鍛冶》スキルも取得した方が採掘の効率が良いかもな。採掘は《鍛冶》と《細工》の二つのスキルに影響が有って、採掘する時にも補正とボーナスも付くからな。今よりも簡単に良い素材が出やすくなるぞ』

 生産系の職人なら、普通は自分の手で採掘や採取をするものだ。


 勿論、最後をするだけなら生産系スキルを持っていないプレイヤーでも可能である。だから、逆に素材は依頼罷めて露店からの買い取りに任せて、自分は製作に集中する製作専門の職人がいたりもするだよな。まぁ、稀だとは思うけど…確実に存在する。


 ちなみに、【noir】では自分で使いたい素材は自力調達が基本にしているのだが、現状は倉庫で余りまくっているランクの低い素材を使って欲しいが為に新人達には伝えていない。ここでシュンが驚いた理由は、そのせいだったりもする。


 『Oh~!それは、素敵ですねです』


 『まぁ、SPや生産活動に余裕が出来てからでも良いけどな。そうそう、その調子だ。宝石は、ゆっくり丁寧に少しずつ削るんだ。時間は有るから焦る必要は無いんだ。最初は時間が掛かるのも失敗するのも仕方が無い事だから。あっ、そうだ。《細工》で製作したアイテムは形を上手く整える事でも完成した時の性能が若干上がるぞ』

 僕が見本用として丁寧に加工した宝石と適当に加工した宝石を見せる。この二つだけでも属性の補正が約2%も違うからな。


 『Oh~!ワンダフルでビューティフルなのです』

 ケイトが加工の続きを始めたので、僕は二人分のアイスティーを淹れて、ケイトの加工を見守りながら自分の加工を続けた。


 僕の方も、ケイトを見守っていただけでなく《錬金》と《細工》を組み合わせて【宝石弾(ジュエルス)】と言うオリジナル弾の製作に成功していたが、威力の高さに比例してコストが非常に悪く量産にまでは至らなかった。いくら、宝石類の在庫過多でタブついていると言っても、通常弾の在庫みたいに大量にキープするほどは製作出来ない。まぁ、護身用に数マガジン分を持っているくらいだな。


 『そう言えば、ケイトは日本に慣れたのか?かなり話すのは上手いよな』


 『ありがとうございますです。もう日本も四年目になりますので慣れましたねです。私の身の回りには良くしてくれる人も多くて、ますます大好きになりましたです』

 日本を気に入ってくれたなら。同じ日本人として嬉しい事だよな。


 でも、四年目という事は中一の頃から日本にいるんだよな。留学にしては結構長くいるんだな。もしかして、中高一貫教育の学校か?


 その後も、ケイトと僕は他愛もない会話をしながら製作を進めた。ケイトからも色々と質問してくれるので、沈黙の苦痛は無いし、会話の内容にも困らなくて助かったのは、ここだけの話だけど。


 『こんな感じで如何ですか?です』

 始めて研磨したにしては、なかなか良い仕上がりになっているケイトの削ったアクアマリン。若干鈍いながらも輝いて見える。


 『うん。これはそこそこ良い感じだと思うな。はっきり言って、僕が一番最初に作った物よりは遥かに美しい輝きを見せているからな』

 最初がこれだとするなら、ケイトは《細工》に向いていたのだろう。


 『マスターの最初作品よりもですか?です。私も見てみたいのです』


 『僕もケイトの最初の作品を見てるから、見せてあげたいけどな。あまりにも出来が悪くて、すでに魔高炉に投入して塊に戻してるんだよ』


 『それは、残念なのです』

 本当に残念そうだよな。ちょっと悪い事をしたかもな。


 『ごめんな。それと、フレイも《細工》取得してて僕よりも高レベルだから、時間が合えば色々教えて貰うと良いぞ。関西弁って言って言葉は少し強めで特徴的だけど、根は優しいからな』


 『はいです。フレイもアキラも優しいのです。勿論、マスターもですよです』


 『…あっ、そうだ!どうせなら、カゲロウとヒナタの分も含めて三人分のアクセサリーを作ってパーティー結成記念とかでプレゼントしたらどうだ?』


 ケイトの微笑みに一瞬固まりそうになったシュンはギリギリのところで耐え、気の利いた言葉を紡ぐ事に成功した。二人っきりだから余計にヤバかったのだろう。


 パーティーメンバー共通で、同属性のアクセサリーを持っていると、相手の属性に対処をしやすくて戦略的な観点からも違ってくる。


 逆に、全員が違った属性に耐性を持った場合も、一度の攻撃で全滅を防ぐと言う面では非常に優秀だったりもするけどな。


 『はいです。頑張ってみますです』

ケイトのやる気に触発されて僕も《細工》に集中できた。


 お互いに良い時間を過ごせて、良い仕上がりの宝石も加工する事が出来た。僕の場合は【ノワールバングル】に耐水の効果を新たに加える事が出来たのだから。この時間はかなり有意義だったよな。


 気が付けば、《細工》スキルも《細工職人》スキルに進化できるようになっていた。迷わず10SPを消費して進化させる。明日は、《錬金》スキルと久しぶりにソロで戦闘系スキルを上げようかな。時間的にも、今日はこの辺でログアウトするか。


 『僕は、そろそろログアウトしようと思うけど…ケイトはどうする?』

 一人だけを残すのは忍びないけど、そろそろ夜も深い時間になっているからな。


 『私は、もう少し頑張るのです』

 やる気のある時に、集中して頑張ってみるのも良い事なのだろう。誰が言ったのかを忘れたい言葉だけど、『楽しくなければゲームじゃない』からな。


 『あんまり無理するなよ、じゃあ、おやすみ』

 そう言って、僕はログアウトした。




 翌日から僕はソロで鉱山ダンジョンに入っていた。今までなら、あまり数を持ってこなかったポーション類の回復アイテムも今回に限っては大量に持ち込んでいる。今までの僕が、いかに《探索》スキルに頼りきりだったかを露呈する形になっているからだ。


 《探索》スキルに魔物探しを頼りきりだった僕は、《探索》スキルを《見破》スキルに進化した事で魔物を素早く発見出来なくなり、先制や不意打ちが難しくなって戦闘での余分なダメージが増えている。回復魔法や回復アイテムの消費が需要に追い付かない程度には…


 まぁ、戦闘になるとステータスや弱点属性等が判るので無駄撃ち自体は確実に減っており、コストの面では助かっているけど、不便さの分で大きなマイナスに感じてしまう。弱点箇所が視認出来るようになって〈急所撃ち〉の出番も、確実に減ってる分余計にな。


 それに、分岐や曲がり角では進む先を十分に確認しないと安全に進む事が出来ない現状にもイライラが溜まっていた。


 『ほら、いた。いるとは思ったんだよ、いるとは…』

 でも、魔物は一体みたいだな。やれるか…?


 『〈速度上昇〉〈回避上昇〉〈攻撃力上昇〉…〈必射〉〈跳弾〉』

 《付与魔法》を掛けてアーツで狙い撃つ。


 曲がり角を曲がらなくても撃てる〈必射〉からの〈跳弾〉または〈曲射〉のコンボは便利かつ強力だ。何と言っても、曲がり角で姿を隠してアーツを放てる為、魔物に直接視認されないので、絶対に魔物に見付からる事も無い。


 まぁ、叩き出されるダメージ相応にMPを持っていかれる訳だけど、安全に勝る物は無いだろう。僕は物陰に隠れて射撃を続ける。辺りを振り向き続ける魔物が滑稽だ。


 『そろそろ、いけるか?』

 《見破》スキルのお陰で相手の残りHPも把握出来ている。僕は、魔物に一気に接近して〈零距離射撃(強力な一撃)〉を入れた。


 この一連の流れが、ソロでダンジョンを攻略する為に考えた最先端の戦い方だ。魔物が強い為、一回一回の戦闘に短くない時間は掛かるが、その分行動回数が増えてスキルレベルも上がり易い。例え、死に戻りになっても僕は生産活動をすれば良いので、僕個人に問題が無いのも大きな強みだな。まぁ、この戦略で死に戻りは考えにくいけど。戦闘中に背後からの不意打ちと言う避けられない出来事(イベント)も有るのだから…


 『よし、次だ』


 ドロップを確認して次を探す。一回の戦闘で出現する魔物は一体を希望したい僕だけど、二体までならなんとか戦えるようには成長している。たまに有る横道に逸れる空洞?いや、この場合は小部屋って言う方が正しいのかな?に入らなければ、複数の魔物に同時に囲まれる事も少ないからな。


 小部屋に入れば、宝箱が待っている場合も有る…が、必ずと言って良いほど三匹以上の魔物が待機している。


 ちなみに、宝箱はダンジョンに入る毎にリセットされているし、宝箱の有る場所もランダムでダンジョンに入ったパーティー毎にしか見えない設定になっている。


 例えば、AとBの二つのパーティーが同時にダンジョンに入ったとすると、AとBとでは宝箱の見え方やそのダンジョン内に存在する宝箱の絶対数が違う。同じ場所を通ったとしてもAには見付けれるが、Bには見付けられない等が起こりうる設定だ。


 …と言う事で、この宝箱は僕専用の物になる訳だ。


 例外としてダンジョン最奥に有るボス部屋(必ずしも部屋では無いがな)と言われている場所の宝箱は、全パーティー共通で見付けられるらしい。まぁ、一つのパーティーで取れるのは最大で六個(ダンジョンに入ったパーティー人数と同じ数)らしいけど。昨日、ついにガイア達はこのダンジョンを攻略出来たみたいでこの事を教えて貰った。


 フレイもガイア達のパーティーに便乗しながら採掘していたらしく、ボス部屋の宝箱やドロップが魅力的な事とボス部屋付近では新たな鉱石や宝石も出た事をメールで伝えてくれた。それにしても、妙にフレイのテンション高かったよな。まぁ、それだけボス戦が激しかったのか、新しい鉱石の価値が高かったのだろう。


 連絡を受けたのがメールなので、文章でしか分からないが、それでもフレイのテンションが高い事は、文章の要所要所で伝わってくるものも事実だからな。


 フレイは、今日もダンジョンに籠るみたいなので、どこかで会うかも知れないな。まぁ、今日はソロと決めているので出会ったとしても一緒に行動はしないのだけど。


 『ちっ、今度は二体か…』

 でも、岩石系じゃない。名前は…ランドウサギ、ステータスは…これならいけるか?


 『〈必射〉〈跳弾〉』

《付与魔法》は継続中だ。隠れて射撃を続ければ安ぜ…


 どう言う事だ?見付かったぞ。


 慌てて距離を取り《見破》で改めて確認すると、ステータスに体温感知の特殊技能が有る事が載っている。こんな始めて尽くしの事が平然として起こるので新種の魔物には気を付けなければならない。


 『〈ウインドカッター〉〈回避減少〉』

 攻撃魔法と能力減少の《付与魔法》でランドウサギの動きを抑える。あとは、ひたすら一定の距離を保ちながら回避して射撃を繰り返すだけだ。HPが低い僕は軽い一撃が致命傷になりかねない。こう言う時はリロード不要の【魔銃】の存在が特に有り難かった。【魔銃】が無ければ殺られていたかも知れないのだから。その代わり、今の戦闘で…


 『MPは渇れたか』

 しばらくは、MP回復に専念しなければな。まぁ、《魔力回復補助》のレベル上げと思えば良いのだけど。


 『うん!?』

 ステータスを確認していたら、新しいアーツを習得している事に気付いた。あ、魔法もか…



newアーツ

〈必跳弾・短銃〉攻撃力×2 クリティカル補正+10%

必中の跳弾を射撃をする/消費MP 50

習得条件/〈必射〉と〈跳弾〉を同時20回使用する


new魔法

〈ウインドミスト〉霧を発生させて魔物の視界を奪う/消費MP 10

習得条件/《風魔法》スキルLv45



 アーツの方は、また新しくオリジナルを編み出したらしい。魔法の方はスキルのレベルアップによる習得だな。この〈ウインドミスト〉を上手く使えば、物陰に隠れなくても魔物に見付からない可能性もあるよな…


 僕自身が何度も繰り返して覚えた銃の新アーツは勿論、魔法の方も、かなり使い勝手が良いような気がする。


 さらに、《風魔法》スキルがレベル45で成長上限になり《旋風魔法》スキルに進化出来るようになっていた。


 以前、成長出来る時に成長させないのは、単なる経験値の無駄とアクアにも言われているので迷わず進化させる。こちらは10SPの消費だ。僕みたいに色々なスキルに手を出すプレイスタイルだと、いつか本当にSPが足りなくなるだろう。いつも、ギリギリなんとか…たまにちょっとアウトと言う感じなのだから。


 次の魔物と言う名の実験台(生け贄)を見つけて、早速〈ウインドミスト〉を試す。


 恐る恐る慎重に魔物に近付いているが、視覚のみ(・・・・)で認識している魔物には見付かる事はないようだ。ここで視覚のみと強調したのは、多分ランドウサギのような感知系の特殊技能を持っている魔物には効果が望めないだろうから…


 『〈零距離射撃〉〈零距離射撃〉』

 〈ウィンドミスト〉のテストが終われば、この魔物には用が無い。素早く二丁の銃によるアーツの二連射で片付ける。


 次の実験は、実験台(モルモット)に見付かってからでも効果が有るのかを試す。これは、結論から言うと効果が有った。


 僕と言う存在が同じ空間にいるのは分かるみたいだけど、どこにいて何をしているのかが分からない為、検討違いの場所を攻撃しているので、離れていれば攻撃が全く当たらない。第三者目線で見ると少し滑稽で面白かったな。魔物側からは無理でも、こちらは的確に狙えるのだから、余計に…な。


 〈ウインドミスト〉の効果も判り、進行速度は非常にゆっくりだが確実に先へと進んで行ける。近くに魔物がいない事を視認出来る時には採掘もしている。まだ、銀鉱石は出てないが、フレイの情報に有った新種の宝石(サファイア)は採掘出来た。





 『…宝箱一個に、魔物が三体か』

 悩むところだな…


 せっかくダンジョンに来たのだ。一つくらいは宝箱も空けてみたい気もする。ダンジョンに入って浅い階層ではあるけど、かなりの数の魔物も倒しているので、それなりに相手の出方も分かり戦えるようにもなっている。それに、〈ウインドミスト〉を使えば、ソロと言えど多少の無理はなんとか出来そうだ。僕は攻撃力こそ低いけど、戦闘経験は確実に高くなっている。


 そうなると、当然(はじ)き出された答えは…


『…よし、行ってみるか。〈ウインドミスト〉〈必跳弾〉』

 かなり悩んだ末、僕は宝箱の魅力に完敗した。言い訳臭い考えと共に射撃をしていく。


 まぁ、小部屋にいた魔物が岩石系の魔物とは違った事も宝箱を開ける選択を選んだ割合としては大きいけどな。


 〈ウインドミスト〉の効果中にアーツから射撃の連射で一体を葬り去った。


 『残り二体』

 〈速度上昇〉を掛けて走りながら、〈必跳弾〉を放ち続ける。


 魔物の位置や銃弾の行方を見なくても必ず当たる。それによって回避に専念できる事が僕にとっては非常に大きい。


 僕は回避の隙をみて【魔銃】でも射撃していく。この【魔銃】ではアーツを使わない。MPの節約の為でも有るけど、当たらなくても牽制に使えるからだ。まぁ、無駄撃ちは少ない事に限るのだけど…


 『ラストだ。〈零距離射撃〉』

 〈零距離射撃〉は、攻撃力が少しでも上がる度に驚異になっていく。最近は中距離よりも前目で戦う事が増えているし、僕の主力の威力が上がるのは嬉しいかぎりだ。


 最近は、銃を二丁持つ事によって《拳》を使う機会も減っている。少し《拳》の利用方を考え直した方が良いかも知れないな

。使えない訳ではないけど、使いどころがないのだから。


 まぁ、まぁ、まぁ、そんな事を考えるよりも、今は…


 『た・か・ら・ば・こ。いただきま~す』

 祝!初宝箱。初宝箱記念のスクリーンショットもパシャリ。僕は宝箱を開けた…


 『…えっ!これって、マジですか?』

 そのスクリーンショットに写っていたのは…至って普通のどこにでも有る普通の回復薬品(ポーション)


 いやいやいや、違うよね。あれだけ頑張って結果がこれですか?僕が撃った銃弾の消費やここに辿り着くまでに使用した十数個のポーションの事を考えると収支が全く合わないんですけど…何かの手違いですよね。


 だが、何度見直しても宝箱の中にはそれしか存在しない。でも、本当に露店で買える普通のポーション一個だけですか?どう考えても宝箱の方が豪華だったんですけど。それならせめて、宝箱をくれませんか?まぁ、宝箱はすでに消えて無くなっているけど…


 じゃあ、じゃあ、じゃあ、百歩譲りますので僕にお疲れ様の一言を頂けないですか?まぁ、このタイミングで言われたら言われたで腹が立つのかも知れないけど。


 …はい。決めました。僕は、もう二度と宝箱に淡い期待や甘い幻想は抱きません。


 うぅ…絶対に抱いてなるものか。腹いせ代わりに魔物を慎重かつ、なるべく数を狩りながらダンジョンを出る事にした。もう岩石系の魔物を除いて、このダンジョンの浅い階層に敵は無いだろう。


 新種の宝石の検証もしたいから、気分転換に戻って生産でもしようかな。





 ホームに戻ると誰もいなかった。今日も今日とて紅茶を飲みながら《錬金》で使った分の弾を補充する。市販品の銃弾では攻撃力が低くすぎて使い物にはならないので、すでに自分で使う分の銃弾は自作している。約千発、百マガジン分。これくらいは、常に持ってないと不安になる。ダンジョンに潜るなら尚更な。


 『おやっ?』

 やっと、《錬金》スキルがカンストしたらしい。これで進化させる事が出来るな。《錬金》スキルを《錬金職人》スキルに10SPを使って進化させた。


 『あれ?』

 《錬金職人》スキルに進化させるとメニュー画面に『新しく取得出来るスキルが増えました』とメッセージが入った。


 《鍛冶職人》・《錬金職人》・《細工職人》で、新しいスキル《機械製作(マシナリー)》が派生したらしい。それと同時に銃系統の武器スキルを持つ僕には《銃製作(ガンスミス)》も派生した。どちらも取得するのに20SPも消費するらしい。かなり大きい消費だよな。それに、複数のスキルを取得するのが条件と言う事は…もしかして、これが複合スキルなのだろうか?


 僕には現在24SPしか残っていないので、今すぐに両方取得するは無理だ。まぁ、これに限って言えば、選択に迷うと言う事は欠片も存在しない。


 『ほい。《銃製作》と』

 一切躊躇する事無く、《銃製作》を取得する。これで、自分の為の武器()を自作出来るようになった。ここに辿り着くまでが果てしなく長かった。本当に長かったな…


 『おぉ~!なるほど』


 取得してみて分かった事だけど、《銃製作》は他の生産スキルと違って、必要な素材を集めてメニューから選んで製作する仕様らしい。確かに、銃を一から作るのは色々と問題が有る…と言うか、問題しか無いよな。普通は作り方が分かる人がいたらダメだと思うし、他の生産スキルみたいに、製作方法をゲーム用に簡略化していたとしても教えるのもどうかと思うからな。


 それと、他の生産系スキルと大きく違うところがもう一つ。それは、専用の工房がいらない事だ。まぁ、メニューから作れるところに依存しているのだろうけど…スキルさえ取得していれば、どこの工房でも製作出来ると言うのは《銃製作》スキルだけの利点だな。まぁ、その事に利点を感じるのも銃使いだけなんだけど。


 《銃製作》の短銃製作リストの中には【ハンドガン】のみ表示されている。これを選択すると必要素材も分かる。【ハンドガン】は在庫ですぐに作れるな。早速、カラーリングやグリップの幅等数項目を選択して製作する。


 そして、一瞬で完成する…その光景は、まさにファンタジーだった。


 一瞬ピカッと光って気付けば製作台の上には【ハンドガン】が現れている。同時に製作リストにも【アルファシーク】、【ベータシーク】、【ガンマシーク】、【デルタシーク】の四つのメニューが表示されて選択出来るようになった。


 素材自体は、今まで集めた物が有るので順番に製作していった。どうやら、製作リストの銃を製作する事で次が表示される仕組みらしい。


 だが、メニューからしか製作する方法が無いので、デザインに自分の個性(オリジナル性)を追加したり、品質を上げたりする工夫が出来ない。そうなると当然、製作ボーナスの恩恵を得る事も出来なかった。


 続いて、リストに【疾風(しっぷう)】と【雷鳴(らいめい)】が表示される。必要素材の一部は、さっきダンジョンで採掘したばかりの宝石、オパールとエメラルド。僕にしては運が良い結果な。早速、製作してみるかな。



【疾風】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に風属性が追加〉


【雷鳴】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に雷属性が追加〉



 やっと【デルタシーク】の攻撃力を越える銃をてに入れる事が出来た。しかも、初の属性付き銃とか嬉しさが倍増だな。この気持ちは属性アーツの無い銃を使うプレイヤーにしか分からないだろう。


 さらに、新たに作れる銃が製作リストに増えている。【烈火(れっか)】・【雲水(うんすい)】・【皇土(おうど)】・【霧氷(むひょう)】だ。



【烈火】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に火属性が追加〉


【雲水】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に水属性が追加〉


【霧氷】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に氷属性が追加〉



 順番に作っていくが…【皇土】に必要な推定地属性の宝石(珊瑚)だけは持っていなかった。


 『珊瑚が採掘できるのは、やっぱり海の近くか…あまり考えたくは無い事だけど、海の中なんだろうな』

 海か…ますます、港湾の街【ポルト】に行く理由が増えたな。


 でも、今製作した他の五種類の銃と素材として使った宝石の関係から考えると…珊瑚は、あくまで推定地属性(・・・・・)なんだよな。珊瑚礁と違って、海とは違う場所で採掘出来る可能性も有るんだよな。そこが、少しばかり不安だ。


 今作った五種類の銃は基本的な形状は同じだが、色と銃自体に刻まれている模様とそのデザインが異なっている。取り敢えずは、属性的によく使いそうな【烈火】【霧氷】【雷鳴】を装備する事にした。本当は全種類を装備したかったが、今装備しているホルスターは四丁しか収納出来ないので断念している。当然、残りの一丁は【魔銃】用だからな。まぁ、そこは必要に応じて装備を変えれば済む話だけど。それに、色と模様が各々の属性を表現しているので、慌てていても間違う事は無いだろう。


 製作リストの方は、【皇土(未製作の銃)】が残っている為、更新されていない。その間にもスキルレベルは15まで上がっていた。《銃製作》は、必要な素材を集める力が高かったらレベルは上がりやすいのかも知れないな。一緒に派生元の三つのスキル、《鍛冶職人》《錬金職人》《細工職人》のレベルが少しずつだけど上がっているのも嬉しすぎる配慮だよな。


 『他の生産系でも、こう言う複合スキルが有るのかもな…』

ログインしているギルドメンバーにメールを送っておく。内容は…



 今からホームに来れるメンバーだけで集まれないか?生産系の新しい複合スキルが少し判明したので検証したい。



 …だ。送信後、すぐにフレイとケイトから返事がきた。二人一緒に街で買い物中らしく、買い物後にホームに寄るそうだ。


 『ギルマス、ただいま』


 『ただいま戻りました』

 ヒナタ達はメールの返事をする前に帰ってきたみたいだな。


 『今日は、三人で【ソルジェンテ】じゃなかったのか?』

 昨日、そんな話を聞いたような気もするけど…


 『シュンさんに教わった通り、湖の近くには近付きませんでしたし、魔物の集団にも注意したので安全でした。【ソルジェンテ】に早めに着いたので、今は、ポーション類の補充の為に街で別れて買い物してたんです』


 『おっ!頑張ったんだな。お疲れ様。アイスティーでも飲むか?』

 自分の分として、作っていたアイスティーを二人に差し出した。


 『ありがとうございます』


 『サンキュ、ギルマス』


 『カゲロウ、本当にギルマスと呼ぶのだけは、止めて欲しいんだけど…』


 『シュンさん、すみません』

 ヒナタがカゲロウの代わりに頭を下げる。


 『ヒナタは、気にするな。分かった。カゲロウ、妥協点だ。ホームの中だけで呼ぶなら許す、外で言ったら僕が落ち込むからな。それと、これ以上は絶対に妥協しないぞ』

 カゲロウは、ニヤニヤ笑っている。本当に、本当に頼むからな。


 『なんや、今日も楽しそうやな』


 『マスター、ただいまです』

 フレイ達も戻ってきた。


 『フレイ、それは気のせいだ。少しも楽しくない。ケイト、おかえり。早速で悪いがスキルの話をしても大丈夫か?』

 さりげなく僕が皆の分の紅茶を出して、それを皆が受け取っているのは、すでに【noir】のデフォルトだ。


 そうだ。フレイ達の分はミルクティーにしてみるか。この前、ケイトにリクエストされていたのを思い出す。


 僕は紅茶を飲みながら《機械製作》の事を話した。


 『じゃあ、他の生産系でも複数の生産スキルの取得で複合スキルを取得出来る可能性が有るんですね?』

 やっぱり、全員が興味津々みたいだな。


 『多分な。僕なら《裁縫》取得して《裁縫職人》まで進化させると《革職人》と《鞄職人》と合わせて縫う系の複合スキルが取得出来そうだし、《木工》と《調合》の採取系を成長させても何か有りそうだな』


 『それやと…縫う系はアキラとシュンが検証するのが速そやな。ウチは《機械製作》を目指してみるわ。あとは《錬金》だけやし、いずれは取得したろう思っとったから、ついでやな』


 『では、私とカゲロウで《木工》と《調合》を育てて検証してみます。二人共に一種類は取得済みなので、頑張れば出来そうです』


 『え~っと…私は、何をすれば良いのでしょうか?です』

ケイトの生産系スキルは、僕やフレイと被っている。どうしようかな…


 『じゃあ、ケイトは、ウチと《機械製作》目指してみるか?二人の方が《機械製作》の()を検証しやすいかも知れんしな』

 確かに、《機械製作》を取得する事で、さらに進化先が出現する可能性は有る。そこで終わりと考えるのは生産系の職人としては考えが浅いだろう。全く思い付きもしなかった僕を含めて。


 『はい。私も頑張りますです。よろしくお願いしますです』

 ケイトの方向性も決まったようだな。仲間外れは、ギルドの方針に反しているし、僕が絶対に嫌だからな。


 『それと、検証が必要な事がもう一つ。取得している武器スキルによっては他にも専用の生産系スキルが現れる可能性が有る。僕が《短銃》スキル持っていたから《銃製作》スキルが現れた』

 説明と同時に、さっき作った銃も見せる。フレイは、興味深く手にとって確認している。


 『これは、職人としては見逃せへん事やな。武器スキル次第で作れる物が増える可能性があるとか魅力的や。そや、皆は知ってるか?刀は店で売ってるけど、まだ作れへんねん。今でも刀みたいな見た目の(もど)きなら作れるんやけどな。だから、シュンが言う通りの可能性は高いな。刀作るとか、ウチの憧れやちゅうねん』

 フレイは、人一倍目を輝かせていた。フレイの現在のジョブは、《格闘士》を進化させた《格闘王(モンキング)》(猿の王様みたいな名前だからといって、全く関係は無い)だけあって、取得している戦闘系スキルも《拳》《蹴脚》《棒術》と近接格闘系に偏っているのだが、この調子なら《刀》も取得しそうな勢いだな。


 『よっしゃ!《刀》スキル取得したったわ』


 『はやっ』

 相変わらずの即断即決のフレイらしい。いずれは、取得するかも?とは思ったが即行で取得するとはな…恐れ入りました。


 『ギルマス、《木工》や《調合》とかにも有るのかな?』

 カゲロウは、知りたくて堪らないって顔をしている。


 『カゲロウ、生産系の情報はスキル取得者(職人)自体が少ない事も有るけど、それ以前にそれぞれの職人自身が大切に秘匿している技術や情報が有る。だから、情報サイトにも情報があまり載ってないんだよ。僕が複合スキルを見付けたのも偶然だからな。それに、それを取得出来るって初めから分かっていたら、自分で取得した時の楽しさや嬉しさが半減するだろ。だって、それはただの作業になってるからな。トリプルオーは単なるゲームだ。単なるゲームだけど、僕達には大切なもう一つの世界でも有るんだ。僕達は少しでも多くこの世界を楽しもうよ』

 あれ、ちょっと今のセリフの後半はクサかったか?


 この場の雰囲気も静になってしまった。冷静に考えると、かなり恥ずかしいかも…でも、今のが、僕が情報系のサイトを、ほとんど見ない理由でも有るからな。否定する気は無いのだけど。


 『はいです。その方が絶対に楽しめますです』


 『そうだな。悪い、ギルマス。俺も色々と楽しむぞ。見付けてもギルマスには教えてやらない(笑)』

 皆に伝わったようで良かった。だが、フレイがニコニコ笑顔でこっちを見ているのが微妙に気になるけどな。


 『以上。解散』

 恥ずかしくて皆の前にいられない僕は工房の方に逃げ込んだ。


 『あの~、シュンさん。さっきの言葉は素敵でした。私も楽しみます』

 ヒナタが、僕の側でコソッと話して去っていく。ヒナタ、お前もか…止めを刺された気分だな。


 まぁ、取り敢えずは何を置いてもSPを稼がないと検証にも進めないし、戦闘系のスキルレベルを上げるついでに採取でもして《調合》と《木工》を上げても良いかもな。そうなると…久しぶりに森の奥にある蜂の巣を目指すか。あの辺りの素材は魅力的でよく使うからな。在庫も切れそうだったから丁度良かったかも知れないな。





 『相変わらず、ビーだらけだな…』

 まぁ、今の僕には逆にやり易いのだけど。


 〈ウインドミスト〉〈回避上昇〉を唱えてビー達の視界を奪う。このビー達には、現実の蜂と違って感知系の特殊能力が無い。それ自体はすでに《見破》スキルで確認済みだ。視界さえ奪えれば、あとは回避優先で〈必射〉を放つだけだ。このパターンなら標的を見る必要も無いのだから。


 ついでのついでだ。製作した(新入り)達の性能テストも兼ねようか。


 まずは【烈火】から…【烈火】から放たれた銃弾が炎を纏い燃えていた。威力的に貫通こそしないが、少しでも当たれば標的に炎が燃え移っていた。


 『うわっ、これ燃焼のスリップダメージまで付いてるぞ。これは、えげつない』

 十発で十体を狩る。銃を持ち変えたり、装備を変更して【疾風】、【雷鳴】、【霧氷】、【雲水】を順に試していく。


 【疾風】は、当たると標的を鋭利に切り裂く、魔物が弱く一撃で倒せる為なのか?【疾風】から繰り出された銃弾を喰らったビーが真っ二つになっていた。


 【雷鳴】は、当たると周囲に放電現象が起こり、周囲を巻き込んでいる。さらに、感電のスリップダメージのオマケ付きだった。これも、エグい仕様だな。


 【霧氷】は、当たると標的が凍り付く。当たれば氷の塊に早変わりしどんどん下に落ちていく。あとは、煮るなり焼くなり踏み潰すなり自由にして下さい状態だ。


 【雲水】は、当たると…うん?効果が判らないな。何故だ?弱点になる属性じゃないと駄目なタイプの武器なのだろうか?ビー相手では、効果が全く判らなかった。


 ビー相手に色々なパターンを試した結果、単体では判らなかった【雲水】の事も知る事が出来た。【雲水】は、【霧氷】と同時に使うと、氷の塊が一回り大きくなり、大きくなった分だけ同時に周囲を巻き込める。これは、以前にジュネが使った魔法のコンボみたいなものだろう。【雷鳴】と同時使用した場合は、放電現象が大きくなる等のコンボ攻撃が成立していた。


 多分、突き詰めれば他にも色々な事が出来そうなサポート系の銃なのだろう。


 『そろそろ、クィーンが出てくるかな?』

 すでに三桁近くは倒している。アクアの話通りなら蜂の巣は空になる頃合いだろう。


 『おっ!来たな』

 お待ちしておりましたよ。こう言う場合での運営さんは裏切ってこないから助かります。本当にありがとう。


 クィーンにも〈ウインドミスト〉が効いた為、ビーと大差の無い残念な結果になった。名目上はボスなのでHPだけは異常だったけど…ドロップに目ぼしい物は特に無かった。まぁ、ここに来た目的が採取だから良いんだけどな。



 『では、採取させてもらいましょうか』

 僕がいる場所(採取ポイント)がボスを倒さないと採取出来ない限定条件付きの場所なので、それに見合った良い素材が採取出来る。ビーの住みかである蜂の巣ごと木材も頂く。


 僕は宝箱は短い時間で採れる素材は全て採り尽くした。


 辺りには雑草しか残ってないが、十分も経過すれば新しく素材も蜂の巣も全て復活するので全く問題は無い。近くには他のプレイヤーも見当たらないので、復活するまで待たせて貰って、もう二~三回は狩らして貰おうかな。今の消費MP等を回復させる時間には、十分は充分過ぎる時間なのだから。


 …だが、物語と言うものは往々にして、いつまでも余裕の展開が続くと言う訳では無い。異変が有ったのは、三回目のクィーンを倒した時だった。


 『うん!?何だ?…あれは?』


 僕の目の前に現れたのは赤と青のビークィーン希少種?僕はビークィーン希少種の姿を完全に確認する前に物陰へと潜む。


 ステータスを見て判るのだが、体温感知と臭気感知の特殊技能を持つレアボスらしい。赤は火属性、青は氷属性を持っているのか。それにしてもボスが二体同時とか…


 『…何かしらのイベントなのか?』

 どこかで死亡フラグでも踏んだかな?それともクィーンの()回討伐が鍵とか…


 あれを倒すのは《銃士》のソロでは、ちょっと無理じゃないか?体温感知が有るので〈ウインドミスト〉も効果が無いだろうし、いつもみたいな奇襲や遊撃は出来そうにないよな。


 この場合は、全面的に逃げても良いのだけど…さっき、カゲロウ達に言った言葉が頭の片隅を過った。この世界を楽しむ…


 ここは、正々堂々戦うしか僕に選択肢は残されていないだろう。どう考えても完全に僕の苦手なタイプだけどな。僕は右手に【烈火】左手に【霧氷】を持ち、《付与魔法》上昇系を全部掛けた状態でタイミングを計る。


 呼吸を調えて…


 『〈必跳弾〉〈必跳弾〉』


 赤と青のクィーン二丁の撮っては開戦を知らせる合図として、僕からしてみれば残っている勇気を絞り出す為に、僕は赤と青のクィーンに各々の弱点となる属性の銃弾をぶち込んだ。


 そして、ここからは数を減らす事を優先しようと思う。左手の【霧氷】を【魔銃】に持ち変えて、青のクィーンを目掛けて射撃していく。


 『くっ…』

 火属性と氷属性の魔法と毒針が連続して飛んできた。これ、回避だけでいっぱいいっぱいだぞ。


 ここは、どこの魔界ですか?と言いたくなるくらいに、ただの森だった場所が火と氷だけが存在する混沌とした世界に変わっていた。この時のシュンにとって、ここは初めて見る魔界そのものだったのだろう。


 『魔法は想定外だ…ぞ』

 魔法をギリギリ回避したところで漏れ響く言葉。


 魔法を連続で撃たれないだけマシなのか…


 僕が回避をする為の戦闘エリアが広いのが救いなのか…


 放たれる魔法が高範囲では無いだけマシなのか…


 そんな事を考える余裕が有るだけ冷静なのが救いなのか…


 今の僕だと全く判断がつかないよな。


 シュンは【烈火】で〈必射〉を放ち続け攻撃していた。〈跳弾〉との併用ではMPが絶対に持たないからだ。反対の手の中にある【魔銃】は減少系の《付与魔法》と牽制、コンボ攻撃と大活躍していた。


 戦い初めて三十分ぐらいは経っただろうか?既に回復手段の一つ(ポーション)は尽きている。攻撃にMPを使っているので、回復にまでMPは使えない。だが、青のクィーンは残りHPも僅かなのもがまた事実。


 『〈零距離射撃〉…もう一つ〈零距離射撃〉だ』

 魔物のHPが残り少なくなると楽をしたくなる。超接近して一気に削り倒した。


 やっと一体を倒せたか。これで、かなり余裕が持てそうだな…と思ったのも束の間で…


 『えっ!?えっ~~~~!』


 確かにそれは、ゲームや漫画ではよくあるお約束のパターンなのだろう。だが、実際にゲームの中とは言え有りか無しかを問われるのなら、絶対に無しを選ぶ事だろう。


 ここで二体が合体するのは…無しだ。


 僕が、今まで必死になって削ったHPは元通り。こっちのMPは枯渇気味だし、相手の属性は氷火(ひょうか)?一応これも上位属性らしい。


 同時に今まで聞いていた各々の弱点、火属性と氷属性が効かなくなっているので武器を【雷鳴】と【疾風】に持ち変えた。


 『くそっ!』

 仕方が無い。やれるとこまでやって潔く散るとするか。


 不用意にかなぐり捨てた言葉とは別に、シュンは冷静さを取り戻しつつあった。いや、この場合は諦めがついたとでも言う方が正しいのか?


 射撃を続けながらヒット&アウェイを繰り返す。射撃、射撃、回避だ。攻撃系のアーツを使わなくなった事でMPも少しずつだが自然回復している。回復したMPは、全て〈ウインドヒール(HP回復)〉に注ぎ込む。


 攻撃を喰らわなくてもHPが減っていく毒のスリップダメージとか地味にきつい。アクアが必要以上に繰り返して言ってたのを思い出した。まさに、走馬灯ならぬ蒼真(・・)灯の様に…


 『アクア、すまん。今さらながら納得した…ぞ』

 後日でよければ、正式に謝りたい。アクアにしてみれば何の事かは分からないだろうけどな。


 僕の人よりも低いHPが全快状態でも、どの攻撃も三発は耐えれない断念している。だが、二体の時よりは回避がしやすい事は大きなポイントだ。合体クィーンの攻撃は威力が高く範囲も広いが、一回一回の攻撃間隔が長く、僕に対しての攻撃回数が少ないのも救いだった。このまま戦えば、時間は掛かるが倒せなくは無さそうだ。僕は回避を中心に射撃を繰り返していく。


 ようやく、シュンに微かな勝機と言うにはまだまだ微妙な気配が見え始めた頃、合体クィーンは単純に攻撃の回数を減らしていたのではなく、魔力を溜めて…


 『ち、ちょっ待っ、そ、それ…』

 それを見た言葉もまともに紡ぎ出せないシュンは一足飛びに外へと走り出す。


 『ウグッ!グホッ!ホゲッ!』


 『…〈ウインドヒール〉〈ウインドヒール〉』

 完全に油断していた。考えが甘すぎたった。


 僕の目の前にいるのは仮にもレアボスなのだ。単純な攻撃だけのはずが無いのだ。それは分かっている。ただ、上位属性(氷火)の戦闘エリア全体を巻き込む全体範囲魔法(・・・・・・)とか、ソロ相手には絶対に無しの方向でお願いしたい。どう足掻いても避けられないよ。


 合体クィーンを中心に、氷の塊が逃げ場の欠片も残さず半ドームの放射線状に大爆発するとか、回避の方法が無い。


 直撃の瞬間、合体クィーンからは距離を取れていたのにも関わらず、HPが八割以上も持っていかれている。こんな攻撃は二度と喰らいたくない。近距離なら間違いなく一撃で死んでいたと思う。


 だがそれも、合体クィーンにしてみれば最後の悪足掻きだったのだろう。魔法を放った直後、合体クィーンは崩れ落ち初めていた。


 『…本当に倒せたのか?』

 直前の合体行為(さっきの事)が有るので油断は全く出来ない。


 ステータス上で合体クィーンにHPが残されていない事、この戦闘エリアに僕以外がそんなしない事が確認出来た。次に、自分自身の安全を確保しながらドロップを確認してみる事に。


 一人で倒したからなのか、クィーン三体分のドロップが大量に有る。中には、先に倒した青のクィーンと合体したので僕が倒す事が出来てないはずの赤のクィーン分のドロップも有った。


 まぁ、そんな事は一端置いといて、だ。


 まずは、この場所の採取しなければならない。今日の目的はあくまでも採取なのだから…


 こう言う時の僕は全くブレる気は無いらしい。まぁ、色々な出来事から現実逃避をしたかったからかも知れないけどな。


 『うん?あんな所にポイントなんて有ったか…』

 さっきまでは、多分(絶対と言う確信は出来ないが)無かったところに採取ポイントが出来ている。


 取り敢えず、採取してみるか。


 『御神木?』


 これは新種の木材アイテムのようで、一ヶ所から十本まとめて採取出来た。さっきまで有った採取ポイントは最首と同時に消えて無くなっている。今となっては、スキルにも反応すらしないのだから、レアボス討伐の隠し(・・)ご褒美か何かなのだろう。


 木材だし、これでアキラの弓でも新しく作ろうかな。生産系職人の脳の中など、所詮は変わった素材とそれを活かした製作の事しか考えてない。


 だが、今日は無理だ。色々と疲れまくった僕としては、もう一ミリたりとも動きたくないな。

装備

武器

【烈火】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に火属性が追加〉

【霧氷】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に氷属性が追加〉

【雷鳴】攻撃力50〈特殊効果:銃弾に雷属性が追加〉

【銃弾2】攻撃力+10〈特殊効果:なし〉

【魔銃】攻撃力40〈特殊効果:なし〉

防具

【ノワールブレスト】防御力25〈特殊効果:なし〉〈製作ボーナス:重量軽減・小〉

【ノワールバングル2】防御力15〈特殊効果:回避上昇・小/耐水〉〈製作ボーナス:命中+10%〉

【ノワールブーツ】防御力15〈特殊効果:速度上昇・中〉〈製作ボーナス:跳躍力+20%〉

【ノワールクロース】防御力20/魔法防御力15〈特殊効果:なし〉〈製作ボーナス:耐火/重量軽減・小〉

【ノワールローブ2】防御力15/魔法防御力20〈特殊効果:回避上昇・中〉〈製作ボーナス:速度上昇・中/〉

アクセサリー

【ダテ眼鏡】防御力5〈特殊効果:なし〉

【ノワールホルスター】防御力10〈特殊効果:速度上昇・小〉〈製作ボーナス:リロード短縮・中〉

【ノワールの証】〈特殊効果:なし〉



《双銃士》Lv18

《魔銃》Lv17《双銃》Lv15《拳》Lv32《速度強化》Lv55《回避強化》Lv58《旋風魔法》Lv13《魔力回復補助》Lv56《付与魔法》Lv60※上限《付与銃》Lv34《見破》Lv39


サブ

《調合》Lv19《家事》Lv49《鍛冶職人》Lv14《革職人》Lv44《木工》Lv27《料理》Lv23《鞄職人》Lv47《細工職人》Lv13《錬金職人》Lv9《銃製作》Lv15


SP 34


称号

〈もたざる者〉〈トラウマの殿堂〉〈略奪愛?〉〈大商人〉〈大富豪〉〈自然の摂理に逆らう者〉〈初代MVP〉〈黒の職人さん〉

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ