青春の憧れ
私はあなたみたいになりたい。あなたのように生きたい。
いいえ、貴女はボクのようにならなくていい。ボクのように生きなくていい。
どうして?
ボクはボクであり続けるし、ボクはボクのように生きる。だから、君は君のようになって生きるといい。
≪憧れなんて本来必要ない概念さ。≫
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学校で詩人に出会った時は、興奮した。まさか、同じ学校だとは思わなかった。どうやって話しかけよう。でも、もし、もし、もしも、人違いだったらどうしよう。
「ねぇ」
そうなったらボクは変人だ。それが学校に広まってボクは
「ねぇ?」
ただでさえ、体がボロボロでミイラ男で回りの目が痛い。
「えい!」
「ぎゃあぁぁぁぁあああああああ!!骨がぁぁぁぁ!!腕がぁぁぁぁぁぁ!!!」
いきなり、腕を殴られた!!昨日折られたばかりの腕を殴られた!!
「五月蝿い、えい!」
「足ぃいいいいいいぃいがぁぁぁぁ!!!」
足を蹴られた!!こんなことをするのは、一人しか居ない
「さて、次は」
「お前に人の心は無いのかぁぁぁぁぁぁ!!!」
この悪魔が!!!
「やっと、気が付いたね。良かった、良かった、余りにも無視されるから、君の腕と足を叩いてしまったよ。すまない、すまない」
「いいか!!お前がボクにしたことは、叩くではなくではなく殴る蹴るだ!暴力だ!!暴力断固反対だ!!あと、言葉に感情が籠ってない!」
「五月蝿いな。次は骨を折るよ?」
「次はじゃなく!次もだ!!」
「で?なんのようかな?ボクを見ていただろう?」
スルーかこのやろう!!悪魔め!!
ボクと詩人は場所を移動する。あぁ、授業をサボってしまった。
「そういえば、君キャラ変えたかい?前はもっとこう~そう、がさつなしゃべり方」
「泣いていいかい?」
そこまで言われる筋合いはないとボクは思う。
「キャラが被るから、元に戻ってくれないかな?作者が「キャラの口調が似すぎて判別しずらい」とクレームを貰っているんだよ?」
「なに!?この世界作者が居るの!?お前この前ライトノベルどうこう言ってたよね!!」
「ちなみに、ボクの声優さんはTwitterの」
「トゥゲザーの話は止めろ!!」
駄目だ。こいつのペースで話すと疲れる。
「君の名前は――だよね?三年三組の」
驚きで眼を見開いた。
「何で知ってる?」
「情報網って奴さ。ボクは詩人。」
詩人?
「あだ名?」
「そう、ボク達はボクが付けたあだ名で呼びあっているよ?白人、小人、鬼人、番人、友人、とね。」
「そいつらとは友達なのか?」
「まぁ、そうだね。グループではあるよ?」
「そうか…」
ボクに友達は居ない。詩人には居る。どこか、心細く感じた。詩人にあってボクに無いものはなんだろうか。
「君どうせボッチなんだろう?」
「五月蝿い!」
いい加減、ボクの心は限界だった。
「ボク達の所に来るかい?ボクから皆に紹介してあげるよ?」
本当に悪魔のような囁きだった。
「でも…」
意地がボクの邪魔をする。本当に行っていいのか?これは逃げじゃないのか?そんな疑問がボクに降りかかる。
「君はまずその変な意地を捨てるべきだ。」
「……」
「You should live or should die, or it is a problem」
有名な言葉だ。でも、ボクにとっては無駄な質問だ。決心は付いた。いや、付いていた。あの時から
「生きるべきだ。」
「正解」
詩人の唇が弧を描く。紹介された人物達は、ボクと同じクラスの連中で詩人も同じクラスだった。
「きゃあぁぁああああああ」
小人の悲鳴が東館まで伝わる。何かあったのだ。俺は二階にから西棟へ、番人は一階から東棟に向かう。犯人がもし逃走していたとしたら、どちらかにぶつかるはずだからだ。
急いで東棟と西棟を繋ぐ廊下を渡る。犯人には出くわさなかった。
「小人、鬼人。どこだ‼返事をしろ」
一階から三階全てに響くように大声で叫ぶ。もしかしたら、今襲われているかもしれない。そんな考えが俺に焦りをもたらした。
三階から小人が降りて来る。鬼人の姿が見当たらない。
「鬼人は?鬼人はどうした。」
まさか…頭の中で最悪の出来事を想像してしまう。鬼人が勝てない相手が俺や番人が勝てるわけがない。息を切らしながら小人は言う。
「多分、現場を守ってるだわ。」
「現場?」
小人から発せられた言葉を俺は理解できずに居た。三階に急いで上がる。自分たちの教室に急いで向かう。廊下には鬼人が倒れている。
「鬼人!鬼人!」
俺は鬼人の肩を抱き、呼びかける。どうやら眠っているだけのようだ。俺は教室に目を移した。教室の机は退けられ、教室の中心で誰かが大の字で寝そべっている。その手の中には左足が握られており、指と指の間には手紙が挟まっている。小人の言葉を思い出す。
「奇人が死んでる。私たちの教室で死んでる。」
目の前にある光景。思わず、息をするのも忘れてしまう。俺は、教室から逃げるようにして出た。階段まで鬼人を引きずる。そして、大声で叫ぶ。
「小人、番人。頼む。来てくれ」
もう、俺にはどうしようもない。現場を荒らさない事と、鬼人の安全確保を優先させた。先に上がってきたのは小人。次に上がって来たのは番人だった。鬼人の姿を見て、小人は激しく動揺した。
「鬼人!?」
「大丈夫だ。眠っているだけだ。」
「奇人は?」
番人の質問に口ごもる。だが、告げなければならない。
「多分死んでる。まだ、生死は確認できてない。ただ…」
「ただ?」
「左足を持っていた。手紙もあった。」
「嘘。でしょ?」
小人は先ほどよりも動揺しているように感じた。
「お前も見ただろ」
「でも、でも、」
「とりあえず、鬼人を起こして皆で行こう。そうすれば、互いを疑わないでいい」
自分の頭が冴えているのか、混乱しているのか。自分では分からない。だが、今はこれが最善だと判断で来た。もし、あのまま一人で教室に居ればまた疑われかねない。経験がものを言っている。
俺たちは、鬼人を叩き起こした。起きた鬼人の顔色はあまりいいとは言えない。鬼人に何が起きたのか聞いても枯れた声での分からない。一点張りだった。ただ、小人と別れた後、急に眠りに襲われたらしい。鬼人には悪いが無理やり起きてもらう。ふらふらしながら鬼人は立ち上がる。四人でクラスに行かなければ意味がない。
「行こう。」
四人で教室に向かう。現場はそのままだ。俺は思わず顔をそらす。奇体の顔は苦しそうな顔をしており、俺は思わず、眼をそらした。番人は奇人の首筋に手を当てる。
「死んでるわ。」
断言した。
「死因は絞殺ね。首に跡が残ってるわ。これは棒みたいなものね」
覗いてみれば、確かに長い跡が付いている。この大きさどこかで見たことがある。頭を回転させて考えるが思い浮かばない。
「おかしいわね。」
「あぁ。匂いだろ?」
奇体に近づいてよく分かる。奇体の周りだけ匂いが違う。余り嗅いだことのない混ざったような匂い。何かの手掛かりになるかも知れない。
「ねぇ、手紙。そろそろ読まない?」
小人の手には手紙があり、手紙をまるで形見のように握り絞めている。
「そうね、一応。奇体の死因ついては分かったのだからいいじゃない。小人、音読して」
番人が小人に手紙を読むように指示をする。小人は手紙を開き一通り目を通して声を発する。その声はあまりに震えていた。
≪犯人は君達の中に居る。探して?この子守唄が終わる前に。犯人の罪と心臓を刈り取ってくれ≫




