青春はなんだかんだで甘酸っぱい
初めまして、おはよう、こんにちは、お休みなさい。
これを夜読んだ人はもう寝る時間だ。
え?眠くない?駄々こねるな(真顔)
でも、仕方がないね。なら、一つ話してあげよう。今回君達に話すのは、ボクの友人達の話だ。
六人の友人達のお話♪では、紹介しよう
白人。スポーツ少年
小人。背の小っちゃなお嬢様
鬼人。声がいつも枯れてる大男
奇人。自己愛が強い細男
番人。ボク達が悪さしないように見張る女性
友人。怯える小動物系女子
彼らが主役さ。ボクなんて脇役にもならない。
さぁ、始めよう。
舞台は高校。ジャンルは昔話。青春が冒したちょっとした事件。手に負える事件。
話はありきたりでノンフィクション。
勿論、犯人はボク
単なる子守唄。さぁ、前置きは短くしたから…
寝たまえよ
第一章 青春はなんだかんだで甘酸っぱい
目の前が真っ暗になった。今の現状が理解できない。誰かに殴られた記憶も睡眠薬を飲まされた記憶もない。着替えたはずの服も制服に変わっている。今、突然風景が変わったのだ。俺は気づいたら学校に居て鎌を持っていた。いや、俺だけじゃねぇ。他の奴らもだ。なんで、お前らもここに居て,鎌を持っているんだ?
何がなんだか分からない状態に唖然として声が出なかった。
『なに!一体全体!どういうこと?』
そんな、静寂を打ち破ったのは(小人)だった。
『…わがらねぇ』
続いて枯れた声で話す(鬼人)
『ボクは確か、学校の帰り道だったはずだ』
キザな格好をして話す(奇人)
『私にも分からないわ。一体なにが』
頭に手を当て考えて話す(番人)
『え、え!え~と、』
慌てふためくて話す(友人)
「と、とりあえず、状況を考えよう」
多分、一番落ち着いていない俺(白人)
『皆、白人が言う通り落ち着きましょう。皆、鎌を地面に置いて。こんな物持ってたらおちおち話も出来ないわ』
番人は自分の鎌を地面に置いた。他の皆も続いて地面に置いていく。
椅子にふてぶてしく座り、小人は言った。
「で?なんで、私達がここにいるわけ?着替えたのに制服になってるし」
「み、みなさん、ここまで来るまえにしてたことを言いませんか?も、もしかしたらヒントがあるかも」
小人は友人をギロリと睨む。ひぅ、と小さな悲鳴をあげる友人を見て小人はため息を付いた。
そして、小人、鬼人、奇人、番人、友人、俺という順番で答えた。
「寝てた」
「おで、自分の飯作ってた」
「ボクは、自転車で帰っていたさ」
「勉強してたわ」
「お、お花に水をあげてました」
「本を読んでた」
共通点はない。あるのは、俺たちは同じクラスメイト又は友達ということだけだ。だが、おかしい。コイツらが居るのにアイツが居ない。
「詩人の姿が見当たらないね?」
最初に気づいたのは奇人だった。
「詩人なら、ここに居てもおかしくないはずよね…」
「ッたく、こんな時に何してんのよ!アイツ」
詩人。俺たちのまとめ役的に存在。その、まとめ役が居ないとどうも不安になってしまう。
「そどに出でみないが?」
鬼人は教室のドアを指差す。確かにこのまんまここに居ても埒があかなかった。全員がドアに向かい歩き始める。最初に友人が恐る恐る扉を開ける。すると、友人は小さな悲鳴をまたしてもあげ指を指した。
「み、皆。こ、これを」
皆が友人の指を指した方向を見ると、赤い文字で
≪ゲームをしよう。犯人を当てるゲームだ。簡単だろ?≫
追伸、皆は屋上においで。ボクからのプレゼントを用意したよ♪
「血!?」
奇人が俺に抱き着いてくる。止めろ。俺は男に抱き着かれる趣味はない
鬼人は赤い文字に触れる。
「こで、ペンキ」
鬼人は冷静に判断する。赤面する奇人はゆっくり俺から離れて行く。
「詩人のサプライズってことね」
番人が頭を抱えている。あわわ、と言い友人は慌てて皆に謝る。
「す!すみませんでした!勘違いでした!ごめんなさい」
「いいのよ。後で、詩人の奴をぶん殴るから」
小人は、屋上を目指し歩き始める。それは、どこかウキウキする子供のようだった。
「しっかし、詩人も古風なことをするね。ま、詩人にしては珍しいからいいか」
「確かにね、でも、サプライズって何かしら?」
奇人は呆れ、番人は悩んでいる
「皆とりあえず屋上に行きましょう」
「わがっだ」
友人に言われ奇人や鬼人や番人も歩き始めた。
だが、俺はあることに気掛かりだった。
この赤文字は、詩人の字ではない。
「あ…あぁ」
小人が膝から崩れ落ちる。
そこにあったのは詩骸。身体はフェンスに巻き付けてある。だが、四肢は丁寧に切断され身体の前に丁寧並べてある。なにより見るに堪えないのが顔だ。赤く粒がいくつもあり、まるで甘酸っぱいザクロのようだった。胃から猛烈な吐き気を覚え、俺は急いで屋上の隅に移動し胃液をぶちまける。苦みが口の中に広がる。他の連中を見ていると、やはり、これと同じく胃液をぶちまけていた。唯一、小人と鬼人は吐いてはいなかった。小人はどこかうわの空で、鬼人は拳を握り絞めていた。
「あ、あれ」
友人は涙を流しながら、口元を抑え死体を指さす。
「何もないじゃないか」
「待て、奇人。死体の下」
そこには、六本の花と六枚の紙が置いてある。恐らく、詩体に目が行き気付かなかったのだろう。
小人はふらふらと立ち上がりながら、詩体に向かって歩いていく。
誰も止めはしなかった。誰も進んで詩体に進んで行きたくはないだろう。
俺たちは、嫌な役目を小人に押し付けたのだ。
小人は、それらを拾うとこちらに戻って来る。
「これ」
皆に手渡されたのは手紙と花だった。花は人それぞれ違ったが手紙の内容は同じだった。
これは、君達に送る最後の手紙になると思う。
私は、生きることに疲れました。
弱い私は、生きることに疲れました。
皆と一緒に居ると疲れました。でも楽しかったです。
それだけが、私の救いでした。皆と笑い、皆と喧嘩して、仲直りして。遊んで。本当に楽しかった。
―――――――との女子トークはとても面白かった。
―――――――と遊ぶ時は辛いことも忘れてられた。
青春がこんなにも甘酸っぱいものだと教えてくれてありがとう。
ねぇ、皆。私が笑えるようになったのは皆のおかげなんだよ。
だから、死んでも、死んだ私は笑っているでしょう?




