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弥生物語  作者: 弥生ポリゴン
第一章 出会い
2/5

奴隷狩り

 エンドタウンの雑居ビルの寂れた商店街。

そこを歩く二組の大柄の男。

彼らは和気藹藹としゃべっていた。

彼らと一人の少年がすれ違う。

ただ、二人と一人がすれ違っただけだ。


少年がにやりと笑った。

少年の手には二つの財布があった。


僕には、何もない。 あるのはこの盗みの技術だけだ。



少年は商店街を抜け、ゴミ山へと向かった。

ゴミ山をしばらく歩く。

汚れた服装をした人々が必死にゴミを漁っている。

人々は皆、髪や髭は伸びて荒れている。

頬は痩せこけ目に生気がない。

その中にスーツを着た男性がいた。

男性が少年に向かってくる。

少年は男性に言った。

「この財布をやる。 かわりにナイフをくれ。」

少年は取引をした。

そして鞘付きのナイフを手に入れた。

「礼を言う。 ところで次の奴隷狩りはいつだ。」

「残念ですが、今日が奴隷狩りです。 避難してください。」

「そうか・・・」


奴隷狩りとはルークタウンの警察がエンドタウンにやってきて<浄化>をすることだ。

警察と言ってもエンドタウンの治安を守ってくれるわけではない。

エンドタウンはルークタウンのゴミ捨て場だ。

そこに住まう者もゴミ。

ゴミも人も焼き払う。

彼らは週に一回やってくる。

先ほどのスーツを着た男性はルークタウンからくる商人。

商人から奴隷狩りに関する情報を得る。

奴隷狩りというように<浄化>で焼き払うだけではない。

人間を拉致してルークタウンの奴隷としてこき使う。

奴隷を狩る。

その目的のために警察は来る。

警察がルークタウンに戻るまで逃げ続けなくてはいけない。


「逃げろー! 警察だー!」

どこかでそのような声がする。

そして発砲音が鳴り響く。

少年はゴミ山の先の工場地帯に潜んでいた。

工場地帯は<浄化>されない。

現に、エンドタウンのたくさんの住民が工場地帯に集まっていた。

ゴミ山のほうから悲鳴が聞こえる。

まさかここまで来ないだろうという慢心が人々にあった。


パーァン

また発砲音がした。

今回はかなり音が大きい。

いや、違う。

発砲場所との距離が短いのだ。

かなり大きい音だった。

ここまで大きいということは発砲場所はそう遠くない・・・

少年ははっと正面を向いた。

確かに、先ほどの予測はあっていた。

発砲場所はそう遠くない。

それもそのはず・・・

「慢心は人を殺す。 いかなるケースも想定して動けないとはさすがはエンドタウンの住民。」

銃を構えた警察が目の前にいた。



なすすべもなく捕まった。

トラックのコンテナに乗せられた。

コンテナにはエンドタウンの住民がたくさん乗っていた。

そして少年は、ルークタウンに入った。

といってもルークタウンの地下「奴隷地区(スレブタウン)」だが・・・



「ボス、今日は奴隷狩りだそうです。」

「そうか・・・ なぜだろうな、今日の新入奴隷に期待してしまう。」

「ボスが期待するなんてよっぽどじゃないですか。 まぁ前回の新入奴隷はがクズでしたからね。 ましなのを期待されるのはわかります。」

「さぁ、準備をしておけ。 新入奴隷が来るぞ。」








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